生まれ持ったもの 遺伝だろうか
あるいは環境 日陰育ちなのか

わたしの扱い方が悪かったのか
つい荒々しく掴み 力任せに――

その瑞々しさとは裏腹 なんという辛口!
泣いているのは わ ....
【時鳥】

ある一時 
保育園のときのセリフは  小鳥の役柄だった 
「ニュースだよ ニュースだよ たろうさんのお宅に あかちゃんができたよ」 
小鳥役の私が 時空のかなたからやってきて ....
流しのしたの夕日、敷き布団のしめり
はたはたと風をはらんだシーツが
あおぐろい空を抱いている
はじめの雨粒をうけて濡れている
芍薬のはなびらの萎れ

みどりは濃く
吹き荒ぶだけの夜に
 ....
がらんどう
でなけりゃ鳴らない
灯りはいらない
隙間から射し込む程度
《{ルビ外面=そとづら}はいつだって焼かれているさ
がらんどうで
鳴かねばなるまい


万華鏡を回す要領
青白 ....
自転車はよけなかったが
携帯電話はよけた
モーツアルトのピアノソナタは
K.(ケッヒェル番号)310と330で
イヤフォンで聞いて居るうちに
幼稚なところにたどり着いた
途中会計事務所が角 ....
僕たちは
宇宙にうかぶちっちゃいぱいの
トッピングなんだろうか

僕たちは
寄せ木細工で設えられた社会という
調度の構成要素にすぎなくて

いつも忙しくて小さな不満に支配される王国の
 ....
透明な何かがかすめた
それで十分
脳は甘く縺れる痛みの追い付けない衝撃に
砕かれ 失われ
死に物狂いで光を掴もうと
欠片たちは
凍結されることを望みながら
永久に解読不能
時間の延滞の ....
高架下に流れ込む
川は
いつも後ろ姿

追い越したくても余地はなく

一定の速度を保持し
行列を維持して
たどたどしく
けれど確実に
進んでいく


迷いながら
躊躇い ....
暗がりに恋情を隠す
心音が落ちてゆく
水の階段を登り下り
君の肌の質感に流され
簡素な語彙に抗えない
私の内部の熱源に点される
愛にも似たようなもの
鍵はそのままにして
綺 ....
朝は胸元を掻きあわせる、ひとりぼっちでうす水色の空のしたあるいている、しゃべることのできない胸のうちにぶらさがるのはサナギ、だまって羽化する日をまっている。夕暮れがきた、ほれ、いくつめだろうか、折って .... 雨が降っている
間断なく

なぜ 雨を物悲しく感じるのだろう

たとえば 勢い良く降る驟雨は 元気で精悍ささえ感じる
まっすぐで 常に潔い

でも 夜になり 家のなかで ひ ....
はじめに この作品は、澤あづささんが企画しておられた紅月さんのお誕生日によせて 紅月さんの作品にお返詩しようという企画で、書いたものです。
http://adzwsa.blog.fc2.com/b ....
ぬっとり湿った夜の膜を
そっとふたつの指で広げれば
胸を裂くような光のしたを
あたたかさ、なさけなさの影が歩いていた

カーブミラーの歪みのなかの
少しだけ正しい領域を
裸足で歩くわたし ....
ある日ふとおかあさんとおとうさんに
問わずにはいられなかった

「戦争ってそんなに悪いことなの?」
「当たり前のことも分からないなんて、そんな教育をした覚えはありません!」
「僕たちが平和の ....
いくつもの門を通り
いくつもの問を越え
理解と誤解をなだらかに重ねては
綴り合わせる 欲望の道すがら
まるで古い雑誌の切り抜きや色紙を
ぺらぺら捲るような 陽気な悲しみ
目深に被り直して
 ....
かなしみが、一律に同じ形をしていれば、いくらだって切り貼りして、いびつな模型を作ってみせる。

言葉なんてあいまいで、うそ、のひと言で理解してしまえる。うそがうそであることが、なによりうつくしい。 ....
すべては上手くいくさ
と口にしながら歩き出すと
なんとなく
なんとなく
ほんとにそう思えてきて
顔をあげると
なおまっとうに歩きだせる
これが意気揚々というやつか
と笑みまで浮かんで
 ....
陽の光が乱反射している

この町の匂いと音

この部屋に

私が居る

確かに私の肉体と霊とがひとつになり

私がこの世に居る

空から飛行機の飛ぶ音が響く

私は居る
 ....
咲いた翌日から続く
低温と
強風にも耐え
寄り添って直立を支えあう

ある日訪れる真夏の陽気に
結束は緩み
感熱性の花びらは
ひた隠してきた
雌しべ雄しべの位置をも露に
くろぐろと ....
ところどころ染みがあったり
生活のほつれを永遠に修復の終わらない遺跡のように身体に
こびりつけたまま時に非日常の夢を見る

晴れときどき詩人みたいな気がする日には
あえて蛙の被り物を棄てて芋 ....
「覚めない夢もいつかは覚める

闇の深みにスポットライト
行き来するたび変身する
――あなた
咬み合うヒュドラのよう
分裂と統合の具象化
象徴としての女神よ
純・錯覚 恋は
中空の象 ....
 赤黒い熱い塊が喉のおくでガラガラガラ音を立てている。からまってまるまった舌で窒息しそうだ。舌が体に飲み込まれようとしている私は、必死で舌をン、と指でつまんでまっすぐにしてよだれが垂れる。幾千幾万どこ .... 優しく 優しく 優しくしたいのに ごめんね

電話の相手は不具合で私の灯火の余裕が吹き消されそう
テーブルの横でつかまり立ちを口を尖がらせて練習する弟
そしてやがて3歳になるお兄ちゃん ....
コンパスのように立て
最初から最後まで
近寄ることも遠ざかることもない
己の中心に
想いは帆のように憧れを孕み
どこまでも出歩くだろう


コンパスのように立て
滾る情熱は千切れるほ ....
      裏庭に面した
   ガラス戸をあけると
冬のあいだ 我慢していた
   レィスのカァテンが
    待ちわびたように
 それは見事な波を創って
        (そして
   ....
なにもない
わたしのなかには
わたしがいるだけ
気だるげな猫のように
死後硬直は始まっている
小さな火種が迷い込むと
すぐに燻り 発火し 燃え上って
肉の焼ける匂い
骨が爆ぜる――生枝 ....
*エロス

熱い唇が夜に溶ける
重ねた皮膚は
殻のないぬめやかな二枚貝

弄ばれた魂が
半周遅れの月影に
しろい波濤を刻んでいる

脱ぎ捨てられた衣に
まだ残る体温が
生温い喘 ....
応接間のおおきなガラス窓が雨ににじむ
雨ごしの庭って
おとうさんの画集にあった
モネのすいれんみたいできれい
ドガのおどりこはなんだかこわい

おかあさんは砂糖は骨がとけるという
おばあ ....
当たり前すぎることだから
素直に応じた
お椀に浮かべた麩のように
あなたはあなたに浸されている


――まるで 無い 
     ない みたい


家では
タツノオトシゴの溺愛
 ....
心配していることなんてきっと
うんざりするほど感じているだろうから
心配してますアピールなんてしない 
幸せを願っていることなんて
どうせ痛いほど感じているだろうから
言わないでおく
心配 ....
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(8371)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
白いふくらはぎ- ただのみ ...自由詩7*17-6-7
時鳥- るるりら自由詩12*17-6-5
みずの器- むぎのよ ...自由詩517-6-4
がらんどう- ただのみ ...自由詩13*17-6-3
夾竹桃- 間村長自由詩11*17-5-31
alien- 梅昆布茶自由詩13*17-5-31
スティグマティクス- ただのみ ...自由詩10*17-5-31
夕暮れの赤い川- Lucy自由詩9*17-5-30
トイレの鍵- かんな自由詩3*17-5-28
ばらばら- 田中修子自由詩8*17-5-27
- 前田ふむ ...自由詩11*17-5-27
Here_comes_the_spring- るるりら自由詩217-5-26
犯す- 印あかり自由詩20+*17-5-25
戦争- 田中修子自由詩9*17-5-24
白い頂のよう- ただのみ ...自由詩15*17-5-24
つぶやきにおけるささやかな砂。- 木築自由詩517-5-24
のっぺらぼうの町- AB(な ...自由詩9*17-5-22
わたしは居る- 星丘涙自由詩5*17-5-22
チューリップが限界に気づく時- Lucy自由詩10*17-5-21
エピグラフ- 梅昆布茶自由詩12*17-5-20
Ennui/ある朝の人生論- ただのみ ...自由詩5*17-5-20
首吊りの森- 田中修子散文(批評 ...3*17-5-19
怪獣と怪獣- 朝焼彩茜 ...自由詩1217-5-19
コンパスのように立て- ただのみ ...自由詩11*17-5-17
五月の風- 信天翁自由詩817-5-14
喚き散らす肉- ただのみ ...自由詩13*17-5-13
エロスと憧憬- 白島真自由詩10+*17-5-13
子どもの澄んでる、のぞいてる- 田中修子自由詩7*17-5-12
一人の女優に捧げる詩- ただのみ ...自由詩7*17-5-10
君の誕生日- Lucy自由詩11*17-5-10

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