帰ってきた洋子はおもしろくない
 しばらくはまあそんなもんかと思っていたが
 いつまでたっても父は自分の前で変態しない
 何がおもしろくないって
 それをおもしろくないと思う自分が
 何よ ....
蟹は、
何かの匂いを感じると、
月をぐるぐるまわるように、
先へ先へと急ぐ。

何かの匂い。

それは芳しい花の香りではない。
じっとりとした、
タールのような
油 ....
寝息が
夜のカーテンを揺らす
いつくしみという
どこかに潜む母性が呼吸をはじめる
白い肌のわが子の
すーっと通る鼻すじに口づける
溶ける音がした気がした
抱きしめるものがある ....
えぬ・てぃー・てぃー の 
てぃー が少し足りない
なんて
てれふぉにっく・てれふぉにか
てぃー・と てぃー・の
やさしく媒介されて 
夜のぽえむの はじま ....
なまはげとジェイソン、ゴジラ同居する悪夢もバクが食べるし眠れ ひとつの終わらない薔薇がある
幾重にも幾重にも
内面から開き続け
外側の花弁が枯れて
次々と散り落ちても
秘められた未知なるものが
沸き上るように 艶やかに捲れ
芳醇な色香を放ち続ける
 ....
そろばん屋の戸をくぐる
奥に小さな番台が設けられていて
主人がそろばんを弾いている
わたしがそろばんを見に来た旨を告げると
主人は顔も上げずに
今時そろばんでもないでしょう
とぶっきらぼう ....
自分で思っているよりずっと
いい人じゃない
なのになんで
いい人のふりしてんだ?
まるで新手の詐欺だこりゃ
優しくもない
友達思いでもない
ふいに馴れ合いが耐えられなくなり
見棄てる
 ....
子供をたくさん産んだ 女友達
男を連れた 同級生
女が皆で ぼくの、ママになりたがる
   オマエハ、デキノ、ワルイ、コ、ダカラ
   (だったら、見なきゃいいのに
   オマエハ ....
2015年がもうすぐ終わる
2015年は死んで過去になるのだ
2015年は1月1日に生まれ
2015年は12月31日に死んで往く
2015年の寿命は一年と定められている
2015年の前の年も ....
かわいた裸につめたいドレス
あなたの肢体の隙間を縫って
透けて見える 十二月の行進

こっそり口を開いた嵐だ
札束を数えるように
耳を裂く静寂を値踏みして

時間が止まって感じるなら
 ....
国道から路地ひとつ入ったその商店街はかなり古くからあって、そこそこ人通りも
ある。だがしかし交通の便が今ひとつ。圧倒的集客を誇れるようなキーテナントも
なく、それゆえだんだん寂しいことになってしま ....
青暗くて遠い夕方

路地から猫が振り返る

だいぶ遅い因果律

いのちの殻が振り返る


今ごろ順番かあ

これが俺の天罰かあ

からだの不調で

俺は死にそうだった
 ....
音楽が聴こえる
生まれたばかりのまっさらな音楽が



夜明け前の流星群
ふたり一つの毛布に包まって
星を摘んだね

明けの明星が強く輝いていても
私たちの歓びの涙にはかなわなかっ ....
ビーズのように
煌めいてみえるから
私は掬う
その場しのぎの
粗い笊で
泥水みたいな夜のそこ
横切っていく
言葉の川
掬い揚げたら一層輝きをまして
ただの小石が詩のように光る日もあっ ....
シルヴィーがよみがえる
花々が一斉に掻き毟られる
足ひとつの孤島が 点々と

シルヴィーが落ちて来る
貪婪なクジャクの爪
わたしは乾いたペンキ缶 

空間だらけの女から抜け落ちた
う ....
命に{ルビ値=あたい}はつけられない
つまりものすごく高価な値って訳だ
生きる値もない奴だって
持っている命の値は計り知れないお宝さ
故に人は高価で尊い
かけがえのない命というものが
こん ....
生きることは単純なことの積み重ねなんだ
難しいことは何もないはずなのに躓く
躓くところから物語は始まるのかも知れない

ただ対処する方法がわからないだけ
たぶん物事に正解はないが解決するちか ....
脳髄に出来た亀裂から饒舌な空虚が垂れ流される夜だ、信号はどこかに、信号はいつもどこかに…アンテナのないところで途切れる、雨を待つ空は紗幕のように奇妙な光を放ち…まる .... 地球儀や深く齧られたる聖夜 彼はとても静かに暮らしていた
職業は図書館の司書だった
毎日職場に行っては
本を分別し
新たに購入する本を検討する

静かに帰宅すれば
柔らかに妻が頬笑み
お疲れさまでした と言う
 ....
ひと足歩くと メェ―と啼く
ふた足歩くと 
メェー メェー

やっと見つけた
あたしの足にぴったりの
ショートブーツ
シンプルでオシャレ
これからのシーズンにぴったり
気どり過ぎても ....
はじめに くらやみがあって
(ここまでくるのにながい夜をくぐってきた
一枚いちまい重ねられていく
生まれるまえは
まったくの やみだったと
うすぼんやりとした 
陽だまりの まえにすわって ....
くぐるのか
こえるのか
あたりまえに
たのしげに
なわの向こうへ
消えてしまった

きっと時代や風にも乗れるのでしょう
できない者にはいつまでも不思議

なわは蛇のようにうねり
 ....
 
私は
想いながら
   死んでゆく。


喜びに包まれた名を
明かすことなく
内なる焔は
ひかりよりも

まばゆい。


噫、
おもはざるひの無ければ
かぜの音にき ....
私には
“かる”
が足りない

{引用=狩る}
死に物狂いで
欲しいものを追い求める
信念が足りない

{引用=枯る}
本当に参ってしまって
乾涸びるほどの
絶望が足りない ....
あなたの大きく開いた口が、
ちいさな海を吸い込んでいく。
あなたの脳裏を走る列車が、
いくつもの駅を追い越していく。
駅には、
誰もいない人で、
あふれている。
あなたは、
誰もいない ....
東南アジアの親子連れ
女の子が大切そうに
紅葉を手のひらにティッシュ
そっとのせている
とても嬉しそうだ
持ち帰って宝箱にしまいそうな瞳
お母さんに手をひかれて
ひらひらと落ちた紅葉を
 ....
あなたは今、
いろいろなことばの海を
旅したいと思っている。
そこには淡い色の薔薇の花束のブーケだったり、
あたたかな木のぬくもりの漂うキッチンだったり、
そんな風景が香ることばを探している ....
日曜にしたいことをしたいようにあたかもしたくないようにする


「としとればSNSのひらべったい宇宙にふれていんだね先生」


なんとなくきみの人生がバラ色でバス停からみたパステルカラー
 ....
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(7991)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ドS洋子の帰還- 平瀬たか ...自由詩5*16-1-4
月に祈る- あおい満 ...自由詩716-1-3
添い寝- かんな自由詩14*16-1-3
夜と_私と_透明と_夜と- ねことら自由詩416-1-3
なまはげとジェイソン、ゴジラ同居する悪夢もバクが食べるし眠れ- 北大路京 ...短歌1216-1-3
薔薇とハナムグリ- ただのみ ...自由詩17*16-1-2
そろばん屋- 春日線香自由詩416-1-2
友達思い- Lucy自由詩8*16-1-2
マザー・ファッカー- 為平 澪自由詩10*16-1-1
老俳優- ただのみ ...自由詩15*15-12-31
冬の空ぼど気まぐれな奴はいない- ただのみ ...自由詩18*15-12-30
きつね- umineko自由詩15*15-12-30
いのちの殻- 吉岡ペペ ...自由詩1315-12-30
メロディ- レモン自由詩22*15-12-30
ビーズ- Lucy自由詩21*15-12-28
シルヴィ―の夢- ただのみ ...自由詩18*15-12-26
命と塵の話- ただのみ ...自由詩11*15-12-23
時間、ありますか- 梅昆布茶自由詩2115-12-22
暗転の種類- ホロウ・ ...自由詩3*15-12-21
地球儀や深く齧られたる聖夜- 北大路京 ...俳句215-12-21
王の末裔- レタス自由詩515-12-21
ラムスキン- Lucy自由詩1115-12-21
夜の子- 光冨郁埜自由詩23*15-12-20
なわとびあそび- ただのみ ...自由詩20*15-12-19
Hallelujah- レモン自由詩29*15-12-18
かる- 瑞海自由詩8*15-12-18
腕輪- あおい満 ...自由詩8*15-12-17
手のひらと紅葉- 灰泥軽茶自由詩515-12-17
大樹- あおい満 ...自由詩14*15-12-16
ときどきすこしクリスタル- さわ田マ ...短歌415-12-16

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