故郷の水産加工場で働き始めて二年になる
腹を裂いて 卵を取り出す
完全な流れ作業
嫌な仕事 本当に
だけどこんな田舎ではまだましな方
特に何ができるでもなく
コネがあるわけでもない
男相 ....
鳴いた空はとても紅かった
ぼくは入道雲を追いかけて
夕暮れを防ごうとした
追いかけても届かない哀しみは夏の色
ごうごうと空が鳴ったのは幻だったのだろうか
紅色の空はあまりにも鮮烈で
ぼ ....
みずから の
からだを つかいきった ら
今日は、からだぜんぶで 床を かんじてみよう か

床の飴色は頬に ひんやり 
水飴にもなれないまま 
わたしの良からぬ電気を逃がすように アース ....
   ―歩いていたのは七〇年前―

前方は霧に閉ざされて
先導する人は見えない
が 上空に山の頂が透け
笛の音は聞こえる

山の頂き
そは 蜃気楼か 実象か
先導する者は知っていると ....
冷えた世界で
燃え上がる身体が熱い
沸き立つ血に咲く薔薇は
皮膚を突き破って
あなたへの月を探す

握って、にぎって、
悲しみで切りつけたこの腕を
潰して、つぶして、
 ....
翼と靴を売って、歌を買いました 神様は意図的。
巡り合わせを信じる貴方の方が意図的。
またしてもカウンターの前に表れた、感じがいいから 、だとか、 好みだな、 だとか…
一瞬の煌めき
…ああ この人はひょっとしてこん ....
AVの延滞料で救えた命がある 語尾にニャをつけて元嫁 ――卵がない!
     よりによって

妻が亡くなってから 
最初の息子の誕生日
わたしは初めてオムライスを作った
息子の大好物
記憶の中の見よう見まねで
決していい出来ではなかった ....
うまれいずるものを
おさえこむちからもなく
うまれいずるものは
しずくとなりわたしの腕から流れ出る。
宿命と名づけた
うまれいずるものは
わたしの耳を支配し
目をからめとっ ....
あぁ…
真っ赤なダリアは何処へいったのだろう
空が鳴く
入道雲に誘われて
何処へいったのだろう

姉さま
教えてください
ぼくの紅い花がどこに往ったのか

白い壺に入ってしまっ ....
ビニール袋に
丸く尖ったものを
詰めていく。
手のひらは赤く腫れ上がる。
丸く尖ったものは殖えていくばかり。
急いで袋に詰めていく。
やがて袋に丸いものの先で刺した穴が開く。  ....
【幸福な魚】


福はあなたのまわりに 居ますか?
幸福のフクですよ。何言ってるのですか?
福は生き物に決まっているじゃあありませんか

なになに幸福が生き物だとしたら 
め ....
まだ 目覚めていない
血液のせせらぎを聞いている
群青の影が台所を滑り
頭の中 雀が何か啄んだ

フライパンに火を入れる
蓮の花が開くように
わたしは呼び覚ます
朝はひとつの卵から生ま ....
梅雨空の悲鳴
私の空はやけに立て付けが悪い
私は有無を言わさず空を閉じる
天国など空から見えるわけもなく
ただひたすら空は鈍色だ
君がどの辺(あたり)に上ってゆくのか
風が吹いている
ダ ....
自然にできたグループに分かれて
植民地時代のボストンの街並みを色画用紙で再現している
春陽に包まれた5年生の教室

その穏やかな空間に一瞬そよ風が吹いて
支援クラスに行っていた娘がひらりと入 ....
            150623
迷子の迷子のこねこちゃ~ん
一部屋で開催されているのに迷子になるなんて
でも、あの子にはスマホは早過ぎます
どんな使い方するか分かりませんからと
こねこ ....
『難破船』        あおい満月


(書きたいなら、食べなさい)

誰かの声に瞬きをすると硝子の壁の向こうに、
肉や魚や、
色とりどりに切り刻まれ、
煮込まれた野菜たち ....
きのう
電線の張替工事があって
声が途絶えた
それからというものの
すずめの親鳥が
トランスのあたりをちょろちょろしている
巣は
除去されていたよ
それから
ふだんはこの街にいないは ....
それでも時は流れていく
ゆっくりと
淀みなく
立ち止まる想いを押しのけ
焦る足元も
掬いあげ

鳴り響く発車のベルの音
口ごもる詩を
何度も試み
置き去りにされる記憶を
追いかけ ....
容赦なく
照りつける太陽から
逃れるように
白い日傘が路地の奥へと入ってゆく

打ち水をしたアスファルト
ゴーヤ棚が繁って日陰をつくっている
縁台でのんびり寝ている野良猫
軒下には硝子 ....
伽羅を焚く
明日の夢みて
糸たぐる
未来をうらない
青雲たなびく
あたしの母親の両脇腹には
あずき色に腫れあがった
おびただしいインスリン注射の痕がある
あたしの母親は重度の糖尿病で
両眼は白内障で目が見えない
向かって右目は
塩焼きにしたあ ....
真夜中、終電逃してて、窓辺にふいにうかんだ顔、
なんだかもう、流れていってしまいそう、ごめんね。
切りとってみていたい、街あかり、ぼやけた雨の真ん中を、
すこし行きすぎてます、降ろしてください、 ....
何かを食べる。
咀嚼する。
ばりばり、
見えない何かは消えていく。
(求めてはいけないよ、自然にかえればいい。)
そう肩を撫でられても、
わたしは雑踏の海を
溺れながら ....
  

【春想】


  春桜

曜の朝はゆるやかに光っている時間があって薄紅の花



  紫   

あたたかなひかりのなかで流れゆく時をからめて今日も旅行く

 ....
血を分けた兄弟だからこそ解るバニーガールになりたがる兄 ザリガニが釣れるわ釣れる爆釣だやけに激しい風が吹いてる どの君も覚えていよう桟橋にやけに激しい風が吹いてる


僕だけを乗せぬ列車のわすれものやけに激しい風が吹いてる


無名指で前髪を除けきみは言う「やけに激しい風が吹いてる」 ....
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(8149)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
『遡上の果て』__卵から始まるはな詩⑥- ただのみ ...自由詩18+*15-7-1
真夏の記憶- レタス自由詩315-6-30
みずから- るるりら自由詩19*15-6-30
「ハメルーンの笛」に曳かれて- イナエ自由詩11*15-6-28
三日月- あおい満 ...自由詩315-6-28
高原の青い薔薇- もっぷ自由詩615-6-28
ひとめぼれ/仮に- アラガイ ...自由詩7+*15-6-28
AVの延滞料で救えた命がある- 北大路京 ...自由詩915-6-28
語尾にニャをつけて元嫁- 北大路京 ...自由詩315-6-28
『年中行事』__卵から始まるはな詩⑤- ただのみ ...自由詩15*15-6-27
ヤモリ- あおい満 ...自由詩715-6-27
夏待ち- レタス自由詩215-6-26
十字架が浮かぶ島- あおい満 ...自由詩4*15-6-25
さかなかな(三篇からなるオムニバス)- るるりら自由詩9+*15-6-25
『目玉二ア』__卵から始まるはな詩④- ただのみ ...自由詩13*15-6-24
挽歌- ……とあ ...自由詩10*15-6-24
ものさし- 夏美かを ...自由詩37*15-6-24
ポエケットの迷子- あおば自由詩8*15-6-23
難破船- あおい満 ...自由詩8*15-6-23
亡くし仔- 凛々椿自由詩415-6-23
快速- Lucy自由詩18*15-6-23
【_風の通り道_】- 泡沫恋歌自由詩16*15-6-23
夢香る- レタス短歌1*15-6-23
アリア- あおい満 ...自由詩715-6-22
How_you_doing!?__- さわ田マ ...自由詩5+*15-6-21
呼吸- あおい満 ...自由詩515-6-21
過去たちの春夏秋冬- 水鳴ハヤ ...短歌115-6-21
血を分けた兄弟だからこそ解るバニーガールになりたがる兄- 北大路京 ...短歌515-6-21
ザリガニが釣れるわ釣れる爆釣だやけに激しい風が吹いてる- 北大路京 ...短歌215-6-21
Intense_Wind- Rin K短歌7*15-6-20

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