すべてのおすすめ
雲の切れ間の
日差しを縫って・・・
散歩の「つぐみ」が
電柱頭に降りたった
それは 見事な つばさを
織りたたんで
金曜日のためか 広場の一角で
子どもたちは ボウルを蹴って
         騒いでいる 
    だが もぅ・・・・・
      卒寿の俺さまには
  そのまねは できっこない

救 ....
卒寿となって 卒寿を越すと
どうして 翳が浮き揚がるのだろう
喋ることにも 聞き入ることにも
 
何もみるな 何も想うな
弱気の愚痴も 吐きだすな
強気の言い訳も すべきぢゃない

冷 ....
 わびしい 町はずれでも
    
  僅かばかりの音がする
野鳥の羽ばたきもきこえる
  
    太い音は佇んいる 
   細い声は蹲っている
     
   青い風は歩いて ....
      裏庭に面した
   ガラス戸をあけると
冬のあいだ 我慢していた
   レィスのカァテンが
    待ちわびたように
 それは見事な波を創って
        (そして
   ....
    わがやのまよこの
       原っぱには
(ときには鴉が来るけれど)
 幼い子たちを待ちわびて
 晴雨をいとわず座ってる
   木製ベンチと滑り台
    ジャングルジムや
  ....
錆ついて 細く小さく 縮こまった
わが古家を 見くだすような
裏の隣りは
新築された豪邸が
 ....
街はずれからぬけだして
     つれづれに遠望してみる
   (卒寿となったおひとりさま)
はてしないあおいそらと
    乱舞しているしろいくもを

そぅだ・・・・・いつの日にか
 ....
夏 熱苦しかった 公園の立木は
秋 身軽くなって
梢をより軽やかに おどらせている
 そして 庭木の葉先も
背伸びし終えて ほほえんでいる
野の鳥たちにむかって
招待状を提示するかのように ....
 陽はやわらかにあふれいで
 光はしずかにふりそそぎ
 こがねのなみがおさまった
 神楽月は わびしい街はずれ

 原っぱの片隅で おとなにとっては
 意味もなく くりかえされる
 こど ....
 かぜが およいでいる
   広場のベンチの端っこで
 ひかりが ねころんでいる
    更地の草かげのしたで

 とある日曜のショッピングで

 おとこたちは とまどっている
 目移 ....
 朝がない 昼はない 夜もない
  卒寿のおひとりさまにあって
   ただ「時」だけがながれる
    さらさらと音もなく──
     なのに「空」の範疇は
    花火の音で拡がっている ....
           蝶番に赤錆びが 出始めた
         脳味噌に白カビが 生えだした
                  それなのに

       卒寿までいのちが めぐまれたこと ....
         都市計画税で造られた
      住宅街の一角を占める広場は
           きのうもきょうも
      浮雲の空っぽいかげを映して
ブランコに 滑り台と ジャングル ....
   高い虚空が深呼吸するなか
    近くで鴉がわめいている
  広い大地が共鳴しているなか
   遠くで街宣車が叫んでいる
それなのに 無聊に甘えながらも
   「時」の深さを知りたくて ....
     しらはえの囁きで「生」を感じ
  ゲリラ豪雨の喚きで「老」を知らされ
    気圧の変わり身で「病」をおぼえ
木漏れ日のしわぶきで「死」におののいた
           あの青い年 ....
遥かに漂う四次元よ
         聴いておくれ
もう おいらの青い春は
        赤い夏は
         白い秋さえも
めぐりめぐって 戻っては呉れず
ただ汚血に淀んでばかり ....
入院中の相部屋で
天井の淡い模様をながめながら
暇を持て余していたおいらにとって
それは それは 照れ臭かった
   担当の女性看護師から
   米寿 おめでとうございます と言われ
   ....
   歩き慣れたプロムナードの果て
靄のかかった森をながめて立ち止まる
   杖を支えにねこぜをそらして─
     林の奥は冷たいつむじ風と
リグレットのトルソが潜んでいるのか
   木立 ....
(今日はこどもの日だ とか)

こどもごころに思ってました
どうして ひいおばあさんは
「ナンマンダ ナンマンダ」と
四六時ちゅう呟いているんだろう と

だが いまや 娑婆のゴールが
 ....
  年端月は午後四時ともなると
 淡いガーネットのかげをつくる
部屋隅で孤独な回転椅子のうえに

        ことしの寒波は
むかしの三寒四温どころではない
二十日と二十一泊になりそう ....
枕が変わった 天井の地図も変わった
独り暮らしの寝室から
鼾の合奏する五人相部屋の寝室に変わった

その間に世間の便りは
うねりの激しい潮騒となっていた
看護師の足音に神経を消耗され
ま ....
朝は救急車の重苦しいうめきが
 昼は物売りの間延びした拡声が
  夜はエナジーを持て余した単車の暴走音が
ひなびた大通りに響いては遠のいてゆく

ところで「時」の声は叫んでいる

海底は ....
葬儀屋からダイレクトメールが届いた
      人形供養の案内状である      

  そうだ そうだ おもいだすなぁ 

        遠の昔は 昭和初頭
   二人の妹たちが 愛玩 ....
     本意なのか 建前なのか
とある医大のドクターが
       テレビで答えていた
「先生にとって死とはなんですか
        ひとことで言うと」
「そうですねぇ 死とは
   ....
リビングのドアも
    ウインドゥも締め切って
空調で森閑となった
    四次元に息を殺している
(南海トラフの
      まどろみを切望して)
庭先のぺんぺん草よ
   お前も息 ....
      移転先で埋めた柿の種子が
いつのまにか幹を伸ばし梢を広げながら

   ウラノスにすなおな想いを秘めて
     真夏には緑陰の王者を自負し

   ボレアスにもざわめきを甘受 ....
足軽の思惑が逆巻く 丘のひだ
かがり火の消えた 鎮守のほこら
そこから
思惑の黄ないランプに照らされて
追憶に焼き付けられた 泥沼が浮かびあがる

そして そこから見えてくるのは
枯れた ....
   あの「時」は「空」を称賛していた が
   その「空」は「時」を逆に軽蔑していた
       それは青い春の話である・・・

あの「風」は「光」を醗酵させていた が
その「光」は「風 ....
庭木の虚空を指さす
  その たくましさに見惚れたとき
リグレットは にびいろの反芻に苛まれる
  そうして カルマが ルーズな演出を始める

「風」が立ち 「時」を騒がせている 
  「 ....
そらの珊瑚さんの信天翁さんおすすめリスト(38)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
憔悴- 信天翁自由詩218-9-19
喪失- 信天翁自由詩518-5-4
失題_四- 信天翁自由詩418-1-15
古びた日傘- 信天翁自由詩217-6-15
五月の風- 信天翁自由詩817-5-14
つつじが丘四号公園- 信天翁自由詩517-5-6
痩せ我慢- 信天翁自由詩217-4-15
老細胞の呟き_八- 信天翁自由詩116-3-7
光のまつげ_⑤- 信天翁自由詩415-11-27
光のまつげ_③- 信天翁自由詩415-11-7
芥子色の北風①- 信天翁自由詩315-10-21
想いはかすれて(四)- 信天翁自由詩215-9-27
緑門- 信天翁自由詩315-8-13
丘肌の淋巴腺①- 信天翁自由詩515-5-14
歌声はかすれて(九)- 信天翁自由詩215-3-14
隻影を求めて(三)- 信天翁自由詩3*14-9-12
ケロイドも忘れて_七- 信天翁自由詩614-8-29
白い狼煙_八- 信天翁自由詩714-5-24
白い狼煙_五- 信天翁自由詩214-5-17
錆ついた風見鶏- 信天翁自由詩214-5-5
黄色いcanvas- 信天翁自由詩114-2-21
時の端っこ_(八)- 信天翁自由詩413-11-15
木琴を叩く男(九)- 信天翁自由詩213-8-30
木琴を叩く男(二)- 信天翁自由詩213-8-17
屑糸の緞帳(十)- 信天翁自由詩313-8-2
大地へ戻る旅- 信天翁自由詩213-7-19
立春- 信天翁自由詩313-2-22
氷柱の越年- 信天翁自由詩212-12-31
気障な戦慄(二)- 信天翁自由詩212-12-21
宇宙人のしわぶき(七)- 信天翁自由詩212-11-30

Home 次へ
1 2 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する