冥王星が冷たい冬だ
月は 水底から仰ぐ小舟
雲の向こうをかろやかに滑り
だが本当は流されているのは雲の方
月は自分の道を行くだけだ
きみは 月のように生きるのか
風に流されることもなく
....
人の不幸の上には幸せは成り立たないこと
ガツガツしているといつもカスばかりつかんでしまうこと
しまいにはまわりも巻き込んでしまうこと
快楽は苦しみの原料であること
子供のためと ....
喜望峰なら何度も通った
あの岬までともかく行けば
回った先には
ひとつの道があると聞いた
懸命に漕いださ
まだ何も見えないが
すでに良い海路を進んでいるんだ
きっと空も晴れるさ
波 ....
あなたは
とても綺麗に微笑みながら
水のような滑らかさで話をつなぐ
わたしは
そんなあなたに見惚れながら
あなたの綻びを探してしまう
あなたは
笑っていないほうの目でわたしの ....
鈴木さんと、大王さまはスロープに向かって、ゆっくりあるいて行った。そうして、青白い灯りのなかに立って、わたしに手をふってくれた。
さようなら……。
わたしもちいさく、手をふった。
あ ....
女は最後は開き直るいきものであること
不細工さや子供はときに油断をさそうこと
詐欺師は必ずしも独り身の美人とは限らない
子供はときに同情という囮に使われる
詐欺は慇懃無礼の最上 ....
マイケルジャクソンの青空
アスファルトの上で街は目覚め始める
排気ガスとパンとコーヒーの匂い
新聞配達夫の帰り道には
怪物のような建築現場がある
鉄骨の群れが ....
ジプシー
海は
いつも 素肌だ
情熱の心をひろげ
ジプシーを愛する
だから
誰もが鴎になりたがる
無いものが
楽譜の床を舞っている
壁のなかに踊るもの
羽に逃れ 曇を巡る
夜の山のむこうから
横顔が昇りくる
黄色に巨きく
振り向きながら 巨きく
泡の ....
鳩子よ
おまえが生まれたのは寒さの残る
春と呼ぶにはまだ早い季節だった
忙しさにかまけ、放置していたベランダで
気づいたときに ....
年の瀬の上野公園は
家族づれの人々で賑わい
僕等は3人で
枯れた葦の間に煌く
不忍池の周囲を歩いた
ゆくあてもないような僕等の歩みは
本郷へと進み
詩友Fの朗らかな顔に ....
私が優しさを消して数日、
悪魔は暇人と化した。
無機質な音で奏でられる穢れた音色が、
熱を帯びない錆びた凶器達が、
薄く開かれた ....
雪道を歩く
子どもの頃は
どんな雪道もすたすた歩けた
ふわふわの新雪が積もった道は
心躍らせ 雪を蹴散らし
わさわさ歩いた
湿った雪が積もった時は
足跡をくっきり残して歩いた
....
娘と一緒にドラッグストアーに行って
「好きなものをひとつだけ買ってあげるよ」
と言ったら
「ホチキスが欲しい」と言う
「ホチキスならうちに二つもあるでしょ。
塗り絵の本とか色マジックのセ ....
ハライタマエ キヨメタマエ
この深くて狭い川は何を流す川だろう
いや、川ですらないこの闇の濃さ
私は落ちていく 落ちているのだ
剃刀を舐める時のように
私の背中を恐怖が焼きつづける
....
鈍い痛みの中でめが覚めた
鳥の首を絞める夢を見た
窓の外はいつもよりも薄暗く
雲泥がたちこめている
分厚い緑色のカーテンは
陽光を頑なに拒む鎧戸のようで
その重たい質量に安堵する
....
仲のいいひととだけ
つるんでいられるは学生時代
気の合わないひととであっても
やってゆかなくてはならないのが大人の世界
新幹線のなかで二十分ほど寝た
すこし頭がすっき ....
使いものにならないおっさんたちは
肉や骨が引きちぎられるまで叫ばない
痛いよ痛いよと泣き叫ぶより
俺はここにいるよと普通に叫んでいたい
おっさんになってやる
ハッピー ....
ツイッターで
1月も終わろうとしているのに
餅ついったー等の
不規則発言繰り返したら
ついに
ついったーあだ名が
イカレポンチってのは
あんまりイカさないじゃないか
要は駄洒落が言 ....
過去に戻りたいと
思ったことは
一度としてないけど
あの夜にだけは戻りたいと
時々想うことがある
そう きみと初めて寝たあの夜
ぼくらはお互いに
そんなに経験はしていなかったけど
....
{画像=130123163933.jpg}
とっても小さな赤裸
ちいさくおおきい命だよ
十日で立派に毛も生えた
おめめはまだまだ閉じたまま
けれどもきちんと判るのだ
....
カラスと不安を分かち合っている
僕はたくさんの「なぜ」を
君の底に 沈めてきた
たくさんのことばが
僕から出て行ったきり
くらげのように
永いあいだ 漂っていた
海よ
君は思い出の中に
僕を沈めて
遠く 光 ....
Re:
空の箱を贈ります
Re:Re:
受け取っていただけるとうれしいです
Re:Re:Re:
面と向かって話すのは恥ずかしいので
Re:Re:Re: ....
ガラスいっぱいに広がる黒に、
顔を寄せすぎるほどよせて、おさなごがさけんだ。
ねぇとおちゃん!
なんだい、坊?
問いかけられた髭面の男は
グラスの琥珀を半 ....
夕闇迫る三差路で
迎えが来ぬかと立ち尽くす
逢えぬあなたに逢いたくて
黒髪闇に溶かします
紅い時が往き過ぎて
....
Amazonでなら
何でも簡単に買えるって
聞いたから
そりゃいいやってんで
生きたピラルクを
注文しようとしたら
どこさがしても
ないじゃねえか
Amazonなのによ
他に何がある ....
スーパーの立体駐車場に車を入れて
そのまま買い物に降りて行く
おにぎりとお茶は持参だが
ちょっと甘い物が欲しくなる
ねらい目は見切り品コーナー
大きなシュークリームが一個68円
....
曲がり角を曲がらなければよかった。
記憶の波にのまれてしまう。
3.2.1.
元町から中華街の何気ないみちで、
「一生、君だけを好きでいるよ。」と言っていた君。
子供みたいな ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277