もげそうになった

私の身体の一部は

かさかさの瘡蓋で覆われていた

滲む体液が乾燥して

指でなぞると

疼き蠢き熱を帯びているが

やがてだんだん鼓動が波のように去ってい ....
ぼくはずっと はっぴい・えんどを好まず
結末の解決を観るひとたちに委ねた
ヨーロッパ映画を多く観てきたけれど

それは斜に構えようとしていた愚かさであり
実は はっぴい・えんどをもっとも求め ....
凍りつくような前ぶれが怖かった

水面で波がざわめきはじめる瞬間を
息を呑んで あなたと見守る朝

嘘から生まれた偶然が 夢より綺麗な夢ならば
私は 迷わず言葉を超えて行く


最後 ....
{画像=120519182939.jpg}

桃の谷間に平野がある
触ってみれば硬い
閉塞した孤独な骨
そいつは{ルビ尾骶骨=びていこつ}という

ヒトは進化を繰り返す過程 ....
死を
怖れるなかれ
死は
友人だ
この与えられた生のなかで
何事かを為そうとする者には
夕方 ボート池のほとりで
すずらんが 風に撫でられていた


父さんにほめられた子どもみたいに
よしよしされて 満足げに揺れていた


空気は甘く 池はしずかだ
ああこれでいいんだ  ....
切っても切れない

生まれ変わってもまたね
誓いにも似た優しい気持ち


たぶん始めから終わりまで何も変わらない
変わったのは私自身

独り立ちして先走った影は





 ....
あなたのからだに耳をくっつけて

一番やすらげる体温を探していた


あなたの体温が好きなのかと思っていた

体温が小数点第十一位までわかるなら

それはあなたにしかない数値なのだか ....
斜めの鏡に映る逢魔
草が双葉へ渡す花
解体される建物が
料理のように匂いはじめる


小さく鳴る水藻
かわいては沈み
ふたたび浮かび
壁と影を繰りかえし濡らす
 ....
TVドラマなどでは
まず画面に映されなかった
ブラウン管TV

いまは
薄型液晶TVは牢名主かの様に
ふんぞり返って画面に映される

これは差別だろうと
ブラウン管TVたちは
廃品 ....
冷たい湖の中をただひたすらに泳がせて欲しい

何処にも始まりはなく何処にも終わりがない

水草に足を取られて沈んでしまうまで

ただ泳がせてほしかった


そんな事を思いながらあの日 ....
まだ五月

夏とよぶにはまだはやい
いったい何がはやいのだろうか

汗をながした数なのだろうか
暦の数字のことなのだろうか
はやる気持ちの焦りだろうか

けれどもう
それはもうそこ ....
   
この世界が滅びても
僕の世界はある
人間がいなくなっても
僕はいる
一本の枯れ木のように
一輪の花のように
そして君もそこにいて
僕を見つめている
何のためかも知らずに
きらぎらしく耀へる湖面 滑る浮き舟
流れのまにまに 身を任せて
絡む水草を 押し分け行けば
彼方に見ゆるは 安土城

{ルビ古=いにしえ}の戦さに 敗れし{ルビ武士=もののふ}の
御霊眠 ....
真昼の草原 翼をたたんだ君と
ありふれた恋人同士のように 会話をする
光と戯れ 砂丘から届く風を浴びて
深呼吸する君の 胸の膨らみを見ないように
僕は普通を装う
 ふたりは普通を装う

 ....
  雨に濡れたアスファルトに
 
  並木のみどりが映っている

  言葉に餓えた人たちが
 
  傘に隠れて哭いている

  雨は涙に良く似ている
 
  昼は処刑台に良く似てい ....
オーディオの世界は異性や酒や賭博とは
較べ物にならない程 のめり込めばのめみ込めほど
留まることのない私財を投入してしまう

そのひとたちはオーディオを製品と呼ばず作品と呼ぶ
そう呼ぶひとの ....
感情や感性の揺れ とは

どこから来るのだろう

恋はするものではなく
落ちるものだという


それに似た感覚

視覚から入った言葉は
意思を持った生き物のように

あた ....
アチッ

二日酔いの朝
朝靄に包まれた意識の森で
突然発火するのは
昨夜の記憶の欠片

アチッ

酔いにまかせて
自分のてのひらとあしうらに
醜く刻まれた皺を
語ってしまっ ....
いつからだろう
戦わなくなったのは
リングコングはもうならない
15ラウンドもたないな

ダメージがきつくなる
簡単な平和主義
もたなくなきてる肉体も心も

チガウンダヨアンタノソノ ....
運動場の
トラックを
規則正しく走る
小学生達
まるで
回遊する魚のようだ
こんなに小さいときから
命令されるままに
同じところを
何度も
何度も
回っていて
誰一人として
 ....
ゾワゾワと
海馬の駆ける
血の赤褐色の波がしら

しんとした
頭蓋の裡側
静かに発火して走る

小さな電気が
波立ち奔る
細胞たちの星のようにのびるあし

太古のものらさえ ....
優しくされたかった

愛して欲しかったし

贔屓して欲しかった

石ころは尖ったまま

この心臓に到達する
終わらない天幕が何層と襞に重なり
それでも演出家は起き上がろとしない
俳優の耳元で小さく囁いた
(そろそろ終わりにしようか)
三幕は途切れたままでいいのか
このままずっと眠らせてやりたい ....
さわれないことば
冷えてゆくかけがえのなさ
いつもとぎれてしまうモチーフ

あたたかいスープもないテーブルでは
君の影がゆらめいてみえる

ほんとうは君の髪にふれていたかった
ゆびがい ....
 二〇〇八年七月一九日、昭和女子大学人見記念講堂に於いて八三歳の吉本が「自分がしてきた仕事が全部ひとつにつながるということを話してみたいんです」と希望して実現したのがこの講演会であり、至極当然のごとく .... 蝶のくちもと
触れる予兆
硬い草色
舐め取るふるえ


粉にまみれた異母兄妹を
泡のように飲み干して
こぼれた光
夜の 市街


皆のところに行けない犬
噴水 ....
僕の人生は
一本の折れた樹
それでもその折れた箇所から
新たな花が芽吹くかもしれない・・・
そうしてそれは嵐の抵抗に打ち勝って
この世に清々しく咲くのかもしれない
人間は負けて始めて
美 ....
優しさを見て育ったから優しくなった

厳しさを見て育ったから厳しくなった

それなら俺は何も見てこなかったんだ

誰からも気にもされない透明人間だが

愛した女が一 ....
ある用事があって久しぶりに
母校の大学の図書館を訪れた帰り坂

どこかから何かを燻らしている様な
芳しいとも苦っぽいとも想える

懐かしいような想い出したくない様な
薫りが否応もなくぼく ....
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(8374)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
もげる身体- 灰泥軽茶自由詩8*12-5-19
はっぴい・えんど- HAL自由詩7*12-5-18
Quiet_moment- 南 さや ...自由詩412-5-18
【_尾骶骨_】- 泡沫恋歌自由詩10*12-5-18
- yamadahifumi自由詩612-5-18
ボート池で- 八布自由詩512-5-17
ヒカリの影- 自由詩112-5-17
Searching_for_my_life_with_you ...- 吉岡ペペ ...自由詩312-5-17
The_End_Of_An_Ear- 木立 悟自由詩612-5-17
牢名主- HAL自由詩2*12-5-17
- 永乃ゆち自由詩8*12-5-17
「おさない、夏」- ベンジャ ...自由詩612-5-17
見つめる- yamadahifumi自由詩112-5-17
【_湖都_】- 泡沫恋歌自由詩8+*12-5-17
フラッシュバック- 南 さや ...自由詩4*12-5-17
映したものは- ただのみ ...自由詩18*12-5-17
憑依- HAL自由詩3*12-5-16
感覚- 森の猫自由詩13*12-5-16
火傷- nonya自由詩18*12-5-16
リング- じじ自由詩10*12-5-16
トラック- 和田カマ ...自由詩5*12-5-16
記憶の使者- シホ.N自由詩312-5-16
石ころ- 永乃ゆち自由詩1*12-5-16
夢魔- アラガイ ...自由詩9*12-5-16
グルーミング- 梅昆布茶自由詩1712-5-15
吉本隆明『芸術言語論』概説- 石川敬大散文(批評 ...12+*12-5-15
ひかり_まわりみち- 木立 悟自由詩512-5-15
冬のとある一日- yamadahifumi自由詩412-5-15
性分- 永乃ゆち自由詩2*12-5-15
燻製- HAL自由詩11*12-5-15

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