ときどき旅に出る
バスあるいはロマンスカーで

目的地を通り越して
家に帰るために

ごくまれに家出する
抵抗あるいは革命のために

気恥ずかしい迂回の末
家に帰るために

 ....
考えてみたらあたりまえだけど
詩をかくひとにも
なにかしら毒のようなものをまとう
ひとがいた

目立ちたいひと
偉くなりたいひと
人を貶めたいひと

なんだか
スンと
さみしいき ....
命がけで海の深みに潜り
古の眠れる宝を手に入れた男の話
錆びついた鍵を抉じ開けた
宝箱の中には
見覚えのある割れた手鏡ひとつ

結果より過程
得るよりも追求
流離うなら古代ギリシア
 ....
雨粒の一つ一つが水の惑星として多くの生命を宿している
ちょうど今日のような日に
水は忍び寄る 音楽に紛れて
耳の奥の貝を発芽させるために

アンモナイトが石の生を得るずっと前
いい陽気の朝 ....
魔法はいつか醒めるもの
それも残酷なタイミングで
少女時代の楽しいお茶会
永遠に続くはずだったのに

甘いお菓子たちの余韻が
不意に舌先から消え失せて
一緒に王子様の噂をしていた
乙女 ....
歯医者で名前を呼ばれるくらいの
スピードで人は死んでるらしい。
赤ん坊は泣きじゃくる。
声が枯れる恐ろしさ知らないのね。

砂を集めても宇宙にはなれないらしい。
君の夢の中で僕 ....
金曜日のためか 広場の一角で
子どもたちは ボウルを蹴って
         騒いでいる 
    だが もぅ・・・・・
      卒寿の俺さまには
  そのまねは できっこない

救 ....
to belong to
ということばのひびきはあこがれだ
(父のキングス・イングリッシュはほんとうにうつくしい)

遠い、遠い
名も知らぬ
国を想うように
to belong toをく ....
引き裂かれた純白は紡いだ秘史
振り向く斜陽は
嘆きの夜を引き上げる
むせぶ人の片頬の躓きを藍色に包み抱いて

腐臭の眼に沈む夜
鈍刀は胎盤を貫き
血の海は溶岩流となって皮膚を焼いた
絶 ....
盃から溢れる涙のよう
漲る色香をその身に収め切れず
こぼした花弁 拾って風は 囁くほどの足取りで

月しか知らない子どものよう
蒼白いその身を五月の光に晒しながら
淡く 萌え出る想い そっ ....
誰もいない小川に
僕が 釣り糸を垂らしていたのはいつだろう 小川に
冬のある日 釣り糸を
しかし冬の日に小学生だった 僕は一人だった 


だけど 今でも僕は川に釣り糸を垂らしてはいる ....
皮肉をいわなければ死んでしまう貝があって
それはそれで良いだろう

まっすぐな誤解はいつも答弁を
許してはくれないから
せめて僕を許してくれないか

家を売らなければならないヤドカリ
 ....
ねむたいゆうやけに染まる耳たぶや
肌にしずんだ模様
しろい壁とかアイロン台
日々にしわをつける音楽たち
金曜日にもえるごみをまとめるのとおんなじように
ぜんぶ捨ててきたのだ
かわいいく ....
風の戸棚から匂って来る
木の葉一枚一枚の時間のずれと
牢獄から嘆願する女たちが
脳の一部を炙っている


飛行機は他人
張り伸ばした皮を擦るように
蒼い空ろを響かせた
わたしたちはあ ....
とても快く疲れているのでこのまま眠らせてください
このまま死んでしまうかもしれない
このまま死んでしまえたらいいのに
疲れに救われて

雨に撃たれ
陽射しに焼かれ
粉末になって風に融けだ ....
罪人を眺めている
誰かの腹の中のように風のない夜
迎え火が目蓋の此方
灰に包まれた心臓のよう
ゆっくりと消えて往く
ただ罪人を眺めている
正義については微塵も語らない
なにかを殺し続ける ....
水が水辺を踏みしめる音が
葉と葉のはざまに響いている
終わらぬことを表わす文字が
冷たい場所に冷たく残る


闇が指にひらかれ
光が枝に割れるとき
水は分かれ  ....
くしゃみが出そうなほど明るい日差し 
塀を飛び降り路駐の車の腹の下にでも
潜り込みたくなるような午後

どの家の狭い庭にも
クロッカスがガンガン咲いて
クリスマスローズの蕾が気取ってほころ ....
また春がきた
あたたかな陽光に
透ける新緑

新たに芽吹くものたちの息吹き

生まれかわることのない

私のまわりで
ねぇ おぼえている

この世におりてきたころのこと

あしたが待ち遠しかった日々のこと

まばたきするたび うつりかわって
桜の花びら
糸と針でネックレスにして
穴あけたところから
 ....
たてもののすきま
瓶のそこに
いる
みたいな、
うすあおい灰色は
だれかのため息
ひかりが
灯るあいだ
だれのことも
おもいださないで
よくて
シャツがはためく

は ....
慣れるまでは息苦しかった
耳も痛かった
けれど
目の前の他者との間に
いい感じの距離感が
だんだん心地よくなって
バリケードの裏に立てこもっている感じ
言いたいことなんて
言わなくてい ....
 

君は
いまなお 鋭いまなざしで 
虚空を貫く光を
つかみ取る

夜が旋回する
未来は終わった

轟音の
明日は死んだ

少女よ
きみはまだ 生きているか

この地 ....
四月に降る湿った雪を眺める憂鬱は
終わらない梅雨を眺める憂鬱に似ているのかもしれない
月日は愚直に戻らないが
季節はマンボのステップで
なんて陽気な気分ならいいけれど
四月に降る湿った雪を眺 ....
 ピアノの音に重なるように朝の気配を感じる時、
 私は私の半身と共に旅情の只中を彷徨っている。
 頭と心は信じられないくらい透明で、
 静かな人の温もりは優しさを帯びている。

 自然の ....
アロンアルファでくっつく程度の恋なのねと
小石の落ちるような調子であなたがわらうので
わたしはその 薄い唇からのぞく
欠けのある八重歯のよさを
教えたくなって やっぱり やめておく
小さな悪意に過敏に反応してしまう
私は小者 
小さな敵意にも過剰に身構えてしまう 
私は臆病者 

小さな無視とか無頓着とか
鈍感とか無意識、無関心をまき散らし、
他の誰かを傷だらけにし ....
鐘を失くした鐘楼の
倒れ伏した影が黄昏に届くころ
わたしは来てそっと影を重ねる
深まりも薄れもせずに影は
その姿を変えなかった
わたしは鐘
貝のように固く閉じ
自らの響きに戦慄いている
 ....
耳の奥の海の青さ
朝のまま蝶よ渡れ
俄かに結びまた解ける
気まぐれな踊り手たちの
死の求婚を袖にしながら
ただ風を漕ぎ あの島の
今は盲いた娘の白髪を
露こぼす花となり飾れ
高まる日差 ....
小高い丘に
鉄塔が立っている

周辺の家々に
電気を送る為なのだろうが
今はもう使われていない

住む人も絶えた
この地域には
もういらなくなった

このあたりに
ポツリポツリ ....
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(7991)
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