鬼灯鳴らす娘の余韻

朝顔に夢をたくす四万六千日

夏風に明珍の音静か鳴る

すずろなる橋をわたる下駄の音

モロコシ茹でて塩をふる
楽しみましょうよ
今のうち
自分の足で歩けるうちに

林檎の果実の熟さぬうちに

自分の言葉で話せるうちに

自分の頭で考えて自分の声で歌えるうちに

怒りましょうよ今のうち
自 ....
           蝶番に赤錆びが 出始めた
         脳味噌に白カビが 生えだした
                  それなのに

       卒寿までいのちが めぐまれたこと ....
雨が降り始めた
何処で これ以上 笑えばいい
景色の感覚を剥ぎ取られて
白い足の子供たちが
死の石と兎の上を
水蜜のように歩いた
さらわれてしまう耳目
暗渠から招く文字のうねり
疑問と ....
知人の見舞いに桃を持っていったが
急に呼吸状態が悪くなったと
面会はできず
桃は連れ帰った

食卓に置いた木箱のふたを開けると
縦にみっつ並んで
桃たちは姉妹のようだ
血色よく尻を ....
やさしいことばで君をえがく
長い髪の、
 今は
とても みじかく切ってしまって

君が泣いている
君が笑っている
でも本当は、
ひとり静かに怒っている
縁側でひざを抱いて座ったまま
 ....
お母さんとはなすとき
うめられた地雷をときどきふむ

お母さんを怒らせると
いつまでもかなしい

お母さんはいいな
お母さんは自由で
ずっとずっとそうおもってきたんだよ

それがち ....
人形の家のノラのようにように妻は家を去った
軽薄でもなく明るく出て行ったものだ
公証人のまえで離婚の書類を書いた

そのあとでコーヒーでも飲もうと言い出して
でも埼玉の東松山などにはマックさ ....
 
サインは明日につなげる送りバント

ホームランを要求されても困るけど

たまにはフルスイングしたいものだ




 
戦争を知らない世代の私にとって
原体験は高校1年の夏休み、先輩から渡された一冊の文庫本だった。
原民喜著「夏の花」
爆心地近くに居て奇跡的に生き延びた彼は
五感のすべてに焼き付いた惨状を克明に ....
人間は本能が壊れた生き物だから
自分で物語を作らないと誰も救済しないよ

淡々と生きることをくり返す
それで満足してちゃ面白くもなんともない
人間は物語を自分で造ってしか前に進めない
それ ....
わたしは
ノスタルジーだけでは詩はかけない
安易なイメージだけでは詩にならない
安易なイメージは、現実のなかにはないことが多い

詩を書くときはいつも、おし込めた思いが、わたしを食い破ろうと ....
十年前、私はまだ子供だった。私は人を疑うことが極めて苦手な子供で、また嘘をつくことも苦手だった。音楽は私の唯一の友で、この年から楽譜に書くことを始めた。私が、はっきりと自分の曲を書き上げたのは、この年 .... 空々漠々 とした
あおぞらも ちぎれるときは
わすれぐさのように 赤く鮮烈に土壌と宇宙との間で炸裂するのだ
きょうも嘘で すべてを汚染しつづけている人々の足元で 蟻は動く
死してもなお ....
乗り合わせた連中と
サイコロ振ったりカードを捲ったり
酔っぱらって歌ったり
ここで生まれた
もの心ついた頃には船の上


過去の航跡をぼんやり眺め
濃霧に満ちる行き先に目を凝らす
詳 ....
久しぶりに真夏に行った海
日焼けも化粧も忘れて
何もかもをさらけ出すように泳いだ
海育ちにとって
海自体が故郷だ
子供の頃から私を知り尽くす場所では
もう
名前すら必要ない
水にもぐれ ....
『ダイパー・ドライブやっています』

“おむつのドライブ?”
丁寧な発音
穏やかなトーンの声に
思わず立ち止まる
行きつけのスーパーの入り口

『新生児用のおむつが特に不足しています。 ....
『蝉大合唱』

夏空に響き渡る
蝉の大合唱
耳が汗かき
体感温度2℃上がる



『蝉爆弾』

マンションの外階段に
蝉が落ちていた
そっと跨いで通ろうとしたら
突然!
 ....
スパイスと宝石の匙で
耳を穿られる

《誰の膝が欲しい?――

頭の中から始まる旋回舞踏
透明な花びら 光彩のミスト 
すぐに船内の浴槽が揺れるよう
隠れた海が押し寄せて捲れだし
突 ....
ぼくは雑巾になりたい
雑巾になって絞られたい
愛する妻の手で絞られたい
毎日毎日絞られたい

雑巾のぼくで愛する妻は
ぼくだと知らずに床を拭く
ぼくたちの日日の暮らしのために
毎日毎日 ....
気がつけば
三階席の片隅にいて
タリス・スコラーズのハーモニーに
君の耳は
空中浮遊する

悔い改めるでなく
道を求めるでもなく
真実に目覚めるはずもなく

美しさそのものとしての ....
たくさんの
本当、が
ながれていった

ぼくらは
橋のうえで
それを ながめていた

カナカナカナ
ひぐらしがないていた
家族や国を守るため
自ら志願し戦場へ行くと言うのなら
その人は行けば良い 後ろ指さされても
人殺しと罵られても

たとえ国家権力が徴兵しても
誰の血も流したくないと言うのなら
その人は拒 ....
もうすこしよりそっててもよかったかな ミートソースをまきこんだ昼


常温のコーヒーカップに腰かけてめまぐるしいねとブレずにきみは


あれは冬 お店のなかスクロールして 値段で選んだカレ ....
わたしのなかの、
異質さをみつめる。
わたし自身が異質だから
何が異質なのかわからない。

硝子窓に石をぶつける。
窓に罅がはいる。
わたしのなかの
罅はなにか。

 ....
新郎の元カノがいるテーブルにやけに激しい風が吹いてる  
しがらみを肴に

また一杯

まったく酔わせてももらえないや



 
土色をした歳月の掌が
猫の舌のようにざらつく突起で
軟らかな思想を舐め取っていく

塩責めされた蛞蝓は
実はそっくり中身だけ
粘膜を抜け出し
逃げていた

{引用=「それは 思想 ....
いっちょまえに
子(娘)が親(母)に意見(もんく)をいう
いっちょまえに
子の方が稼ぎが多くなってきた――

一緒に道を歩いていたら
いきなり娘に腕を掴まれた
「なにするん?」
背後か ....
長い雨のレースを開けて
六月の陽射しが顏を出す
反射して散らばる子供たち
ビー玉みたいに素早く駆けて

ひとり離れて
シロツメクサを編む
首の細い少年

意識されることもなく
満ち ....
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(8177)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏日- レタス俳句1*15-8-13
楽しみましょう- Lucy自由詩10*15-8-13
緑門- 信天翁自由詩415-8-13
笑いの刑- ただのみ ...自由詩21*15-8-12
御見舞- 自由詩28*15-8-11
やさしいことばで君をえがく- atsuchan69自由詩4*15-8-11
お母さんと地雷- 朧月自由詩615-8-10
僕がいつまでもつたえようと試みる大好きな詩友たちへなんてne- 梅昆布茶散文(批評 ...715-8-10
サイン- 殿上 童自由詩12*15-8-10
夏の花- Lucy自由詩13*15-8-8
これが人間- 陽向∮自由詩8*15-8-8
わたしに書かせるもの- 凍湖(と ...散文(批評 ...515-8-7
十年の悪夢- 莉音散文(批評 ...6*15-8-6
わすれぐさの_みそら- るるりら自由詩13*15-8-6
船旅- ただのみ ...自由詩14*15-8-5
- ガト自由詩6*15-8-5
ダイパー・ドライブ- 夏美かを ...自由詩24*15-8-3
【_蝉_三詩_】- 泡沫恋歌自由詩15*15-8-2
音楽の効能- ただのみ ...自由詩16*15-8-1
雑巾になりたい- もっぷ自由詩1515-7-31
虹を映す濁った水晶体- Lucy自由詩13*15-7-30
あの日- 草野大悟 ...自由詩315-7-29
正直なところ大言壮語すれば- ただのみ ...自由詩10*15-7-29
スイミ- さわ田マ ...短歌1215-7-28
手のひら- あおい満 ...自由詩415-7-28
新郎の元カノがいるテーブルにやけに激しい風が吹いてる- 北大路京 ...短歌415-7-27
しがらみ- 殿上 童自由詩19*15-7-27
夕焼けを映す汚れた水たまり- Lucy自由詩11*15-7-26
【_いっちょまえに_】- 泡沫恋歌自由詩16*15-7-20
六月回廊- ただのみ ...自由詩25*15-7-18

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