雨雲が宇宙を拭うと
夜は一層明るくなって
地上を照らす

俺には生憎
童話の様な
月や星まで届く手も
ブラシもないので
とりあえず
埃だらけの部屋の電球を磨く

少し明るくなった ....
産まれた国は戦争していた
父は軍人にしようと思ったかどうか
まるまるとした数え三歳のぼく
金モールの軍服姿 
腰にサーベル 右手に千歳飴
ギラギラと輝いた眼が
見ていた未来は何色だった ....
夏はいつでもなつかしい
ここではないどこかに
いってしまった
ぼく
永遠の夏休み
こどものままで
ここではないどこかに
ずっといる
ぼく

さびしい遊びをしているようだ
家の ....
紫陽花を打つ雨を見て指を折り三十一文字を行ったり来たり 私は誰もが知っていることを知らない。
私は誰もが知らないことを知っている。
誰にもみえるものが
私には見えない。
誰にもみえないものが
私には見える。
あなたは今、
笑 ....
たった一粒の雨垂れが
倒れかけた茎を脈動させるその隙に
あらゆる{ルビ旱魃=かんばつ}を凌駕してしまう
むせび泣きは慈雨となり山岳を揺り起し
靄を吐き出す葉脈が世界を真白に染める

穴の開 ....
朝陽から刈り取って食卓に供えられた獅子の首
金色は瞬く間にとけて白い皿に蒼く翳りを残す

あるいは初めから造られなかったニケの頭部
永遠に像を持たない神聖 あらゆる問であり答え

あなたは ....
 清らかな小川の流れに言葉は産まれ消えてゆく。
 願いは祈りになりあの山の向こうへ放たれる。
 初夏の訪れと共にやってくる想像を
 使い古した手帳に書き留める。

 白樺の林の中で虫たち ....
つばめはどうして
にんげんのうちなんかに巣をつくるのだろう

だれも住んでいない家にはつくらないんだってよ

わたしはひとりがすきだけど
つばめがいるからひとりじゃない

えさをはこん ....
「世界中が雨だね」って
きみが言うから
手相占いみたいに
てのひらを差し出して
白いサンダルを気にして
ひとつの傘でふたりで濡れながら
「世界中が雨だね」って
きみが言うから

 ....
生あるかぎりです
だれしも遮れない旅をしているとおもうのです
たぶん滅びるのもちかいのかもしれません

ちょっとなにかを選択するのもめんどうくさいのですが
いつも可能性と不可能のコードの端を ....
黄色いシーソーが二つ
同じ方を下げて
ならんで寝ころぶ恋人同士みたい 

ブランコも二つ
風にほんの少しだけこぎ出して
仲睦まじそう

のっぽの滑り台はひとり
空を見上げている 雨が ....
つるりと逃げ出す言葉は
重心を同じところに留めようとする
こちらの思惑を知っていて
その裏をかくイタズラを仕掛ける
追いかけるとき進む道は
こちらが選んでいるようで
あちらの作戦通りのポイ ....
小指姫



清水のはじまりを
そっと草をひろげて
ゆびさきで たしかめるとき
七夕の日の心の岸部から
あなたの冒険が 始まります

笹船に乙女がのることができるとしたら
親指姫 ....
原爆が広島と長崎に落ちて
いつのまに真夏の最中
戦争が終わり
港街には帰還兵と
占領軍の兵士があふれていた
マッカーサー元帥の命令で
英語が出来てレポートが書ける
反骨精神があり眼と目で ....
もう止まないかもしれない
そんな雨が降りつづいている
街も道路も車も人も
みんな水浸しになっている
ほんとに誰かが
大きなバケツの水をぶちまけたのだろうか
梅雨の終わりの最後には
雨の神 ....
はい 間違いございません
わたしが〝ラッキーストライク〟です
本家本元 
「首相投卵事件」以来
多くの有名著名人ばかりを狙った
スロウアンエッグテロリスト
今や多くの模倣犯が現れて
巷で ....
何もない一日 雲を泡立てて貝殻模様のカップを洗う


花の雨 眠るわたしのこめかみにふれているのはくちびるですか


モノクロのアネモネきっとあなたならうすむらさきを選んで写した

 ....
水飲み場に来る   
ハチドリのように
忙しなく輝く彼女たちは
羽音のせいで
互いの声が聴こえないらしい

あんなに楽しそうに
声を交わしているのに
誰も
相手の話など聞いていないん ....
いちばん重いひらがなは



だね。

ら がぼく以外の
大勢をふくむなら
ぼくら、なんて
かんたんには 言えないや。

かるく歌ってもみるけどさ ららら
言葉はなぜあなたにつたわるのだろう
あなたの脳内で維持されている
概念に呼応する音声あるいは文字列を

話し手と聞き手が相互にいれかわりながら
違和もさしてなく理解できる不思議

中国の ....
雨をください
誰かが言う。
血をください
私が言う。
すると、
突然鼻の奥がむず痒くなってきて  ....
故郷の水産加工場で働き始めて二年になる
腹を裂いて 卵を取り出す
完全な流れ作業
嫌な仕事 本当に
だけどこんな田舎ではまだましな方
特に何ができるでもなく
コネがあるわけでもない
男相 ....
鳴いた空はとても紅かった
ぼくは入道雲を追いかけて
夕暮れを防ごうとした
追いかけても届かない哀しみは夏の色
ごうごうと空が鳴ったのは幻だったのだろうか
紅色の空はあまりにも鮮烈で
ぼ ....
みずから の
からだを つかいきった ら
今日は、からだぜんぶで 床を かんじてみよう か

床の飴色は頬に ひんやり 
水飴にもなれないまま 
わたしの良からぬ電気を逃がすように アース ....
   ―歩いていたのは七〇年前―

前方は霧に閉ざされて
先導する人は見えない
が 上空に山の頂が透け
笛の音は聞こえる

山の頂き
そは 蜃気楼か 実象か
先導する者は知っていると ....
冷えた世界で
燃え上がる身体が熱い
沸き立つ血に咲く薔薇は
皮膚を突き破って
あなたへの月を探す

握って、にぎって、
悲しみで切りつけたこの腕を
潰して、つぶして、
 ....
翼と靴を売って、歌を買いました 神様は意図的。
巡り合わせを信じる貴方の方が意図的。
またしてもカウンターの前に表れた、感じがいいから 、だとか、 好みだな、 だとか…
一瞬の煌めき
…ああ この人はひょっとしてこん ....
AVの延滞料で救えた命がある
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(7991)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
地上の星座- 茶釜自由詩215-7-14
サーベルと千歳飴- イナエ自由詩10*15-7-14
永遠の夏休み- ゆうと自由詩5*15-7-13
紫陽花を打つ雨を見て指を折り三十一文字を行ったり来たり- 北大路京 ...短歌415-7-12
- あおい満 ...自由詩8+*15-7-12
◎芽生えるもの- 由木名緒 ...自由詩715-7-11
わたしが詩の中で掻き抱くあなたは- ただのみ ...自由詩18*15-7-11
蛍の光- ヒヤシン ...自由詩14*15-7-11
つばめたちの家- 朧月自由詩715-7-10
せかいじゅうガアメ- Rin K自由詩14*15-7-8
生あるかぎり- 梅昆布茶自由詩2015-7-8
雨の日の公園- ただのみ ...自由詩18*15-7-8
包み込む手のひらから- 深水遊脚自由詩5+*15-7-7
小指姫- るるりら自由詩9+*15-7-7
或る米軍少佐の終戦回顧録- りゅうの ...自由詩6*15-7-6
雨が降りつづいている- yo-yo自由詩7*15-7-4
『ラッキーストライク』__卵から始まるはな詩⑦- ただのみ ...自由詩15*15-7-4
詩歌集「うずく、まる」より自選十五首- 夏嶋 真 ...短歌14*15-7-4
WATER_BIRD- ガト自由詩115-7-3
いちばん重いひらがな- もり自由詩10*15-7-3
言葉- 梅昆布茶自由詩2015-7-2
さかさ- あおい満 ...自由詩6*15-7-1
『遡上の果て』__卵から始まるはな詩⑥- ただのみ ...自由詩18+*15-7-1
真夏の記憶- レタス自由詩315-6-30
みずから- るるりら自由詩19*15-6-30
「ハメルーンの笛」に曳かれて- イナエ自由詩11*15-6-28
三日月- あおい満 ...自由詩315-6-28
高原の青い薔薇- もっぷ自由詩615-6-28
ひとめぼれ/仮に- アラガイ ...自由詩7+*15-6-28
AVの延滞料で救えた命がある- 北大路京 ...自由詩915-6-28

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