ちっちゃなちっちゃな苛立ちが
筍みたいに
地表に
尖った芽を出したかと思うと
みるみる
大きく育ちはじめて
考えないようにしようと思っても
忘れようとしてもてがつけられない勢いで
肥大 ....
谷啓を知らない妻が全力で叫ぶガチョーン(マヒャドの効果) 足音は足跡から乖離する
帯びた意味を秘めたまま
けむりのように漠然と白い
地球を見上げる朝に
ちぎられた円環のビーズ
偶然が描いたあなたの星座を
子猫がシャッフルする
無邪気さと予感の熱 ....
ハーネスを付けた老犬が
散歩している
ヨタヨタと…

仔犬の頃から
遊びあった犬
散歩中に私を見つけると
尻尾を回し飛びついてきたのだが

「マリリン」呼んでみる
近寄ってこない
 ....
悔しくて、悔しくて、悔しくて、
何度も、何度も、キスをする。
かなしくて、かなしくて、かなしくて、
いつまでも、いつまでも、抱きしめる。

別れが近づいていることが、
わかればわかるほど、 ....
いきなり冷水を浴びせられ
置かれた境遇に気づく
昨日まで笑いあっていた人々が
一歩退く
仕方無い
自分はそちら側でなくて良かったと
誰もが胸を撫で下ろしている

私に向けられる
さり ....
    あの日を境にわたしの中から
    わたしがいなくなり
    半透明な海月になった
    荒ぶる海流に叩きつけられ
    なす術もなく右へ左へ
    痛みとともに流され続けた ....
見えなかったものが見える
ふくらんで
ふくらんでほどけ
ふわり ひらく
ゐろかおりかたちあまく
風に光にとけて
そらを渡るもの
ほそい弦で触れながら
匂やかな{ルビ詩=うた}の足跡をた ....
夕食を採り
ぼくは二時間ほど浅い眠りに沈んだ
眼が覚めるとすでに妻は眠りに就いていた

割れた中指の爪先が気になって
パチリ パチリと
爪切りを使う
独りの時間

消えかけた夢を少し ....
若い頃は良かった
なんて言わない
思わない
今が一番
いつだって
これからだって

とかなんとか言ってみても

こんな春のいい陽気に
年頃の娘たちが
きれいな足を惜しげもなくさら ....
頻繁に人にであうでもない
この生活にあまり不満はないのだ

ベランダの脇の雑草がどう伸びようと
有る意味僕のそとの世界のできごと

疲れている意識もなるべく解消しようと
優しい母や鬼嫁も ....
「思春期」


疎ましく膨らんで
悩ましく弾けて
狂おしく奔って
暑苦しく押し黙って

思春期なのか
四月は変拍子

狼狽える前髪で
躊躇う指先で
彷徨う吐息で
蹌踉め ....
【無口】


山高帽の男の顔は見えないが
どこにでもある石を缶詰のように
開けようとしている

男にだけにわかる匂いを閉じ込めたのは
誰なのか
日記帳の文字の旧字体が
机 ....
ハイバックの助手席じゃあ
帽子のツバが すこしむずかしい
すこし雨滴のあとの残る車窓から見える景色は
映写機のように枠のある動画
だけれども携帯の電池なんて いらないよ
幸運にも にわかに咲 ....
木のかけらと
あたたかい水が
午後と夜の境いめに
蒼い浪となり流れ込む


錆は子らの名をくちずさみ
鉱は荒れ野に伏している
陽を転がす指や指
流れの内に華やいでいる ....
百均で買ってきた
ミニチュアの黒いうさぎは
手のひらに載せて
選りすぐろうにも
どれもみな
哀しくなるほど同じ顔
同じ姿勢同じ表情
どうしてこんなに正確に
大量生産できるのか
まるで ....
霧吹きのような雨はふかみどり

胸の奥まで吸い込んで

わたしは森になる

しばらくすれば

じゅうぶんに水を含み

耳を傾ける

彼らは

永遠を指し示すこと ....
幼いころの古びた靴は
シャベルよりも
ずっと小さくて、
土遊びをしながら
泥だらけで夕暮れに沈んでいた。
永くて遠い春はすでに
まなざしの向こうにあって、

冬を越えるたび
軽くうな ....
膝枕されて見上げる花吹雪 籠から溢れそうな
熟れた果実の
すこし傷んだ
あまい匂い
視線は蠅
めまい/匂い/めまい
スケッチしながら
溺れている
出口のない部屋
ぬるい潮が満ちて
鋭い線が
削り盗り
移 ....
桃始笑
ももはじめてさく


コートを脱いだら
沈黙していた鎖骨が
独り語りを始める

ポケットから出た
あてどない指先が
止まり木を探している

音符を思い出した
爪先 ....
すべてにはぐれたまま
失われた魂は
どこへ帰るでしょうか
あなたが
安らかに眠るあいだ
ぼくは
夢を見たでしょうか
雨のせいで三月にしては肌寒い夜 ....
土手の手つかずの雪が老いて
カラスがなにやら啄んでいる

穏やかな冷気に衣服の戸惑い

惜しめば儚く望めば遠く声は
なにも残さないただ揺らした

言葉が追う死者を追うように

セー ....
ささやきかけるかさのかげ
母音の樹が揺れる

ふたりで歩いていく
丘の上へ 遠くまで

のびていく記憶

いそがなきゃ
走りはじめる
わたしたちを

月が見ている

それを ....
喉のおくに、
何かがからみつく。
潰れた声がでる。
声は声ではなく、
毛を生やして、
毛孔から這い出てくる。
たくさんの、
得たいの知れない、
毛玉が這い出てきて、
私をとりかこむ。 ....
 私はカルピスのいちごオーレの底にたまった沈殿物。
五百ミリリットル入っていても果汁は一パーセントにも満たない。
濃いピンクのふりをしても、先生たちは私のことを講堂に響く大きな声で、赤点、ギリギリ ....
直ドラで右股関節を捻挫した

ダフった衝撃がそこに集中してしまったのだ

向きをかえただけで襲ってくる激痛で

寝ることと座っていることが辛くて仕方なかった

立っているときがいちばん ....
おなかの小魚はときどき小ちゃな声で鳴くたいせつな奴だ

電子ジャーの独り言を翻訳しながら夜が明ける

痛みっていつも友達だったなこれからもよろしくな

僕の休日は病院に奪われてディスカウン ....
夕暮れの空は
少し甘めのコーディアル
濁り踏み荒らされた雪解けの道に
照り返し

闇雲な胸騒ぎも
無知な喧噪も
先鋭化した矛盾の
せっかくの露呈も

ほんのり澄んだ彩で
やさしく ....
街はずれからぬけだして
     つれづれに遠望してみる
   (卒寿となったおひとりさま)
はてしないあおいそらと
    乱舞しているしろいくもを

そぅだ・・・・・いつの日にか
 ....
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(8374)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- Lucy自由詩5*16-7-2
谷啓を知らない妻が全力で叫ぶガチョーン(マヒャドの効果)- 北大路京 ...短歌416-6-26
服毒説- ただのみ ...自由詩8*16-6-25
犬眠る、そして_ー歳を取るとはこういうことか23- イナエ自由詩14*16-6-23
残り香- あおい満 ...自由詩216-6-19
冷水- Lucy自由詩10*16-6-18
白い月- 石田とわ自由詩8*16-4-17
春小景- ただのみ ...自由詩11*16-4-16
浅い眠り- レタス自由詩216-4-15
青春時代- ただのみ ...自由詩15*16-4-13
えーと。。- 梅昆布茶自由詩9*16-4-12
発条式発泡詩_<1>- nonya自由詩1416-4-9
姫たちのお茶会_中- るるりら自由詩9*16-4-8
姫たちのお茶会_上- るるりら自由詩9*16-4-6
みどり_うたかた_Ⅱ- 木立 悟自由詩1216-4-6
ベンジャミンバニー- Lucy自由詩21*16-3-26
休園日- 自由詩37*16-3-23
たんぽぽ花粉予報- りゅうの ...自由詩17*16-3-13
膝枕されて見上げる花吹雪- 北大路京 ...俳句316-3-13
空白の果実- ただのみ ...自由詩11*16-3-12
桃始笑- nonya自由詩16*16-3-10
また眠りの終わるときが来るように- ホロウ・ ...自由詩4*16-3-10
春葬列- ただのみ ...自由詩17*16-3-9
樹と記憶- 渡邉建志自由詩416-3-8
孵化する声- あおい満 ...自由詩616-3-8
足並み- 為平 澪自由詩716-3-8
幸福- 吉岡ペペ ...自由詩716-3-8
とっても素敵な世界へ- 梅昆布茶短歌14*16-3-7
ティータイム- Lucy自由詩13*16-3-7
老細胞の呟き_八- 信天翁自由詩116-3-7

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