ひとり酒は 心をさます

今宵だけ つきあってあげる

あたいの温もり すこしあげる
うちが一度は惚れたあんたや

男やったら一生守ってみせて

彼女は、うちのダチやから
あんたはカスカス

うちはスカスカ

ふたりそろおて、ほな、さいなら
また愛を怠って

また後悔などして

わたしは、いまだ愚かです
思い出の扉は

天瓜粉

慈愛に満ちた、そんな日々
街は涙であふれかえり

あんたはもらい泣き

あんたには、あたいの涙、まだもったいない
切れるのではと、怯えるより

切れたら、繕えばいいと

わたしは、そのつもりだ
あなたは、ビードロの中

だから

今でも、そっと息を吹き込むの
今宵は
ちゃんちき、
ちゃんちき、

逢引きするなら
花祭り

逃げるなら
花祭り
まよいあぐねてたどりついたは
もりよりふかくかくれた麓
かわやきやはたけがありのままにほうちされ
わきみちにあるふるいじぞうがぶきみにほほえんでいる麓
そこの麓びとらはみないんきにこちらをみや ....
タオル地のゾウさんは、ボタンの瞳

故郷のばっちゃんの瞳

とりあえず、ごめんなさい、ありがとう
わたし、を閉じ込めた包み紙がべたべたする悪夢を
かなでる色彩の
調律に
まどった

はじめに黒を描いたのは
いちいち死んでいく感情のモノクロームを撫ぜるため、
であって
硬質のうみの底 ....
春の陽気は

あなたのひざの上

ほんのりと
ウチ、ほんまは知ってんねん

アナタを好きなる呪文

でも、まだ、唱えたれへんねん
頼るだけの愛は、脆い

だから

愛をいそがないで
悲しみを食べきれなくて

お腹いっぱいで

ほら、涙がひとすじ
わたしらしいわたしは

ほんとはね

わたしだけが知らなかったの
この場所を見る最後の時がある

あの人を見る最後の時がある

だから、精一杯見ていたい
わたしとの境界線

それを引けないあなたは

自分をプロットできない
あんたとあたいの50センチ

近いか、遠いか、

あたいしだい
あなたを描いたら

一色足りない

足りないの
ひとつの言葉は、百のことを伝え

百の言葉は、ひとつのことも伝えない

そんな わたしの言葉
そっと、唱えてみた

遠い昔の

あなたとわたしの呪文
あなたは少し離れたトコロで

わたしに結びつけた糸を手繰っている

わたしは週末をすべて使って

あなたに会いに行く

高い場所から景色をみるような

水平線をみるような

二 ....
私がふたごだったとき
ずっと森で暮らしてた
ふたりおそろいの服を着て
毎晩同じベッドで夢を貪りあった
ふたり一緒にいること
それが当たり前の世界だった

私がふたごだったとき
世界はひ ....
遠回りしているだけの放課後は
  ただぼんやりとただぼんやりと


キミノコトこっそり見ているようなこの目が恥ずかしくはずしたメガネ


横断歩道の渡り方などしりません
  陸橋の上に ....
あなたが残して行ったもの

俳句を連ねた小さなノート
表紙がぼろぼろになった聖書
漱石の「虞美人草」と
若山牧水の歌集
壇の上の 薄い写真の中の
やわらかな微笑み

かつてあなた ....
冷んやりした部屋の
窓際に椅子を置いて座る

裸電球に照らされた
オレンジ色の壁に
魚の形の滲みが付いている

じっと見つめていると
風が梢を揺らす音に混じって
足音が聴こえてき ....
街のあらゆる隙間から
浸み出てくる泥に追われて

JR駅構内の暗がりの
打ちっ放しのコンクリート壁に
ひっそりと身を寄せる

壁に走るひびはハイウェイ
ところどころ露出した
砂利 ....
あの現場の写真を見た
瓦礫はすべて撤去され
金網や柵に囲まれたそこは
グラウンド・ゼロと呼ばれていた

そして現在 私が住む街の駅前に
デパートを取り壊した後
再開発計画が頓挫して
 ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
あげる- 殿上 童自由詩10*10-10-16
守ってみせて- 殿上 童自由詩9*10-10-10
さいなら- 殿上 童自由詩12*10-9-12
愚かです- 殿上 童自由詩11*10-9-1
天瓜粉- 殿上 童自由詩8*10-8-18
あたいの涙- 殿上 童自由詩6*10-7-15
わたしたちの糸- 殿上 童自由詩11*10-7-10
あなた- 殿上 童自由詩4*10-7-7
花祭り- 殿上 童自由詩3*10-4-23
- ミネ自由詩2*10-3-23
ボタンの瞳- 殿上 童自由詩9*10-3-16
深海魚(グロテスク)- 甘雨自由詩210-3-7
ひざの上- 殿上 童自由詩4*10-2-9
知ってんねん- 殿上 童自由詩5*10-1-17
いそがないで- 殿上 童自由詩12*10-1-16
食べきれなくて- 殿上 童自由詩8*10-1-13
わたし色- 殿上 童自由詩10*10-1-10
見ていたい- 殿上 童自由詩3*10-1-1
境界線- 殿上 童自由詩4*09-12-30
50センチ- 殿上 童自由詩4*09-12-27
足りない- 殿上 童自由詩5*09-12-24
わたしの言葉- 殿上 童自由詩5*09-12-24
ひみつ- 殿上 童自由詩4*09-12-23
ひまわり- 透明な魚自由詩309-10-6
私がふたごだったとき- 未有花自由詩24*09-9-3
空路遊戯- アイバ  ...短歌409-7-3
巡礼歌- 壮佑自由詩15*09-4-10
潮騒- 壮佑自由詩31*09-4-5
- 壮佑自由詩19*09-3-20
グラウンド・ゼロ- 壮佑自由詩14*09-3-14

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