つながらない電話
部屋の隅のディレクターチェアーで
幾本目かの煙草に火をつける

どの時代の便りがこの暗所に届くかはわからないが
いま結像しているものの光源に想いを致す

混合オイルでし ....
{ルビ理由=わけ}もなくかなしい時がある
理由はあっても 不明なのだ

本当は 
居場所の見当はついている

古い古い付き合いの 理由を
引っ張って来て 座らせて

またも千日手を繰 ....
夕暮れどき
一日の仕事を終え
石段を弾むようにかけおりて
家路へと急ぐ、うしろ髪を簡素にたばねた初老の少女
時刻を告げるためのモノラルのスピーカーが
懐かしい音楽の一節で
夕暮れのあたり一 ....
うあうー

きみは言う

わあー

と言う

きみのことばは これだけ
たぶん ずっとこれだけ

そしてとても饒舌

声色は
青く沈んだり
黄色く浮かんだり

好物を ....
駅の切符売場で
僕が地面に置いた、紙袋を
風を切って
倒していった幼い少年は
くるり、振り向き
「ママ切符買ってみる!」
「あら、横からすみません…」

一歩後ろに下がった、僕は
少 ....
グッドラック、発したことない言葉
語感のよさだけが残る
旅立つ日の特別な高揚感は
からんだ糸をほぐす

まだカーテンのない部屋
白い靴下の大きな男たちが運び込んでいくダンボール
馴染んだ ....
下弦の月から放たれたように
斜めに白い線が奔っていた
夜の飛行機雲

こんな時間帯に
ずいぶんと低空に飛ばしている
旅客機か
観測機だろうか、と、君がいって
わたしは感心してたちどまる ....
――切り刻む
思惑/意図/動機//詩情/詩法?/詩論??//詰め込んだもの//
読み漁ったもの/捻り出したもの/スケスケのもの//
レゴ並みの理論武装/生まれや育ち/時代精神/文化/思想/神学/ ....
{引用=冬ながら
空より花の散りくるは
雲の彼方は
春にやあるらむ



私たちは

時に自分に負けてしまいます

誰に赦されても
誰に愛されても

足りない命を食いちぎ ....
生きてるついでに
祈ってみよう

生きてるついでに
愛してみよう

生きてるついでに
笑ってみよう

生きてるついでに
学んでみよう

生きてるついでに
悩んでみよう
 ....
人は答えを求める
それも正しい答えを

でもその正しいと思える答えは
自分にとって都合のよい答え
自分が正しいと信じられる答え

答える側はそんなこと知っちゃいない
人は問われると望ま ....
借りてきたテコを折らないよう
慎重にあてがって
押してみる

借りてきた猫が笑ってる
分厚い雨雲からくる雨粒が草木ではずんで賑やか
借りてきたテコじゃ動じない本日
濡れた髪が額にはりつい ....
  
そんな風にときどき
ためいきをつきたがっている
ぐらいなのに
そんなところへ
Mさんのお話なんかされるものだから

まっ
    しろ

になってしまって



いつ ....
潰してきた

気付かぬふりして
舗道の上の
見えにくい蟻を
踏みにじるように
見て見ぬふりして
胸の奥の
後ろめたさを
正当化するために

取り返しがつかない程
多くの時間 ....
空にはもう
手が届かない



真夜中、
潤いが消失した部屋で
繰り返し観たものは
果てしない砂漠での蜃気楼、の夢

瞳を覆う
色が無い眼鏡の、曇りをふき取っていく
余分なもの ....
ギター
雨をはじいて飛ぶ鳥のように
空気を震わせて濁らない
濡れた枝先の微かな光
抜糸された瞳へ飛び降りる
孵しそこねた夢の欠片から
うなじのほくろふたつ
振り向くことのない永遠が
月 ....
怖い夢を見て
こむら返りして
いててってなった

ひとりなので足のつま先を
顔のほうへ曲げてくれる人がいない

昨日まで雪の降るまちにいて
彼の仕事の手伝いをしていて
たくさん食器を ....
わたしたちは 同志じゃなかったか
つやつやとひかる夜空の月をつまんで椀に入れる
愛のような何かを信じて生き続けた
蔓延る雑草のようにありふれて強く
そしてたやすく引き抜かれるものを
 ....
夜のいない街にいて、なかなか眠れない。
この街の中心に、夜を壊すわたしがいて、
夜を壊す音が鳴りつづけ、静寂が訪れない。
街は、一日中真っ白で、誰もいないなにもいない部屋だ。
ある日、わた ....
恨み つらみ ひがみ 妬み
   ――鏡――

強み 弱み 夢見 悩み
   ――鏡――

痛み 睨み よそ見…クシャミ!
   ――鏡――

女神 萎み たるみ くすみ
   ― ....
猫でも
星の王子様でもないから
突然 行方不明になったり
ふらりと舞い戻ったり

渡り鳥に話をつけて
よその天体までひとっ飛び
旅してみたりもできないし

自ら死期を悟る事も
でき ....
となりでこんこんとねむっている君は
いま、夢の旅のどこらにいて
どんな風景を見ているのだろうか

空を飛んでいるのかな
くらい深い海に潜っている?
なにしろきみは獣だから
草原を走ってい ....
寒波が孤独と手をくんで
夜と星がふるえる


色おちした布団のなか
小さなぬいぐるみのようにつつまれながら
大きなぬいぐるみにつつまれて
ねむる
小さなぬいぐるみをつつみこむように
 ....
はじめにそれは夕闇のようであった
遠い地平の彼方に佇み
私を見つめ
幽かに微笑むようでさえあった

夕闇はじわじわと
私を取り囲み
驚くほどの速さで
にじりよってきて

気がつくと ....
   
 生きたまま花の化石になりたい
 という少女がいて
 街は、霞のようにかすかに
 かそけく 輝いているのだった

 ちちははの眠るやわらかな記憶の棺たち
 少女は母似の瞼をとじた ....
さようなら 言葉よ
いろいろあったけど
楽しかったぜ お前のせいで
いや、おれのせいか
裸でこのせかいに降り立った
お前をお前のままで
いさせるためには
風はあまりにも冷たく
地面はあ ....
ジンジャーエールの
薄いこがね色に光る泡を
優しく、かき混ぜ、溶けるように
わたしの過ぎた惑いを
散らしていった



冬の早朝に舞い降りる霜のビロードで
肌のヒリヒリする感触が
 ....
僕はワンカップを片手に
車窓に体寄せていた

電車の外は雨らしく
ぱたぱたと打ち付ける雫が
声なき声の模様を描き僕を飾る

ざわめきの静寂に叫びを埋めて
引きずる体の亀裂を紐で縛って
 ....
透明な夜明けの
水たまりを
踏んで
波紋の中に
映る
歪んだばかりの
僕の顔
風の音は
小さな吹子で
耳に渦巻いて
意識を攫う

笑い声
雨は降らないって
手にした傘を
 ....
早すぎた朝の向こうに夜があるように
遅すぎる夜の向こうに朝があるように
光に狂った雪街の景色を
僕たちはビルの屋上から見下ろしている
それは何の不幸でもなかったのに
苦い思い出としていつの間 ....
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(8374)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
つながらない電話- 梅昆布茶自由詩517-1-22
かなしい- ただのみ ...自由詩17*17-1-21
夕暮れ- 本田憲嵩自由詩917-1-20
木登りが得意な子のこと- 凍湖自由詩317-1-19
風人間- 服部 剛自由詩317-1-19
荷ほどき- 青の群れ自由詩1017-1-19
二羽の白い鳥- 田中修子自由詩11*17-1-18
あると仮定して- ただのみ ...自由詩11*17-1-18
春待人- ゼロハチ自由詩7*17-1-18
ついでの人生- シホ.N自由詩517-1-18
答え- HAL自由詩5*17-1-18
借りてきたテコ_/_ある女の子篇- 末下りょ ...自由詩3*17-1-18
生まれながらの血の不足- AB(な ...自由詩15*17-1-16
潰してきた- Lucy自由詩14*17-1-16
微熱砂- 小林螢太自由詩16*17-1-15
INSPIRE- ただのみ ...自由詩13*17-1-14
こむら返り- 田中修子自由詩8*17-1-13
汁粉- はるな自由詩617-1-11
夜に灯っている- 水宮うみ自由詩6*17-1-11
女神と鏡- ただのみ ...自由詩7*17-1-11
薔薇の傍に__(サン・テグジュペリ氏に敬意を表して)- Lucy自由詩17*17-1-11
あまい雨- 田中修子自由詩5*17-1-11
ぬいぐるみ- 本田憲嵩自由詩517-1-10
喪失- Lucy自由詩8*17-1-10
花の化石- 白島真自由詩28*17-1-10
さようなら言葉よ- もり自由詩8*17-1-10
ポリリズム- 小林螢太自由詩20*17-1-9
車窓- 這 いず ...自由詩717-1-9
螺旋の真中- プル式自由詩4*17-1-8
楽園の春が萎れていく- 這 いず ...自由詩10*17-1-6

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