壁にピンナップされた僕らの写真を見ている 時々締め付けられるように過去が蘇るのだが
時間の不可逆性は 僕の味方ではないようだ
一人静かに時を消費することにも慣れてしまった もちろん本意ではない ....
{引用=※この詩は或る詩の朗読会の
招待状になっております。
コメント・ポイントをいただいた方へ
朗読会への企画案内のために私信にて
お誘いをご送付いたします。
なお、コメント・ポ ....
鬼のおめんつけて豆投げ合っている
住宅地のおんなの下腹部にもにた
空き地は梅雨の日に
大きな穴が水をたたえ
けしてなみだではない
うるおいをとおざけるように
しせんを移動させていると
えのころぐさ
へくそかずら
どくだ ....
蜘蛛の足が
多すぎるからと言って
面白半分に引きちぎる子供
休みの日が
長すぎるからと言って
魚を釣り上げたあと
血まみれの口から
針を引き抜く釣り人 ....
爽やかな初夏の朝
コーヒーショップの窓の外では
スズメ達が噴水に集まって
小さな翼をシャンプーしている
音大行きのバス乗り場では
客はバスの屋上に梯子で登り
ピアノを楽譜初見で弾かない ....
もうしんどいんです
いろんなことがです
毎朝起きる度に今日もまたかと
ニンゲン遣るのかと気が滅入るんです
別に仕事に不満がある訣でもないんです
人間関係で悩んでいる訣でもないんで ....
耐えきれないくらいに
煩わしい 日々の騒音
例えば誰かが
誰かを蔑む声
私の方が正しい
そう主張する声が
街を包む空気を
重くするのさ
....
ハエと一緒に転送してやろうか
桃の実をすぐるため
はしごに登って高い枝に手をのばす
少し時期が遅くなったので
実はピンポンボールのようにまで
大きくなって 枝一杯になっている
このままでは多すぎるので
適当な間隔を ....
夜の町に少女がひとり
悲しい涙、うれしい涙、喜びの涙、いりませんか
あっ、きれいな涙だけはまだ心であたためているところです
笑い死にさせる方向の殺人鬼
大輪の薔薇の下で咲く雑草に語りかける者のはいるのか
せいいっばいに花の姿を真似て見ても
日陰に生きる陰湿な風貌にふさわしい飾りからの残酷な香りは隠す事は出来ない
ひと葉 ふた言、言ってく ....
不思議なんて忘れていた頃 ときどき肩をたたかれる 遊ぼうよ あの頃のように
あんたはどうせ枠にはまれないさ だったらいっそ逸脱の限り 尽くしてみたらいかが?
なにも担保にならない 自分さえも ....
*壱*マダナイへの手紙
「あの猫の名前はマダナイっていうんだ」と、教えてくれた人がいた。
ああ うわさは聞いたことがある。
明治の文豪の家に 飼われていたという 噂だった。 ....
何故自ら受難者になる必要があるのか?
四度でも五度でも席を譲ればよいではないか!
そして今日は沢山の人を助けられてよかった、と
胸を張って夕焼けを見ればよいではないか!
満員電車の中
三 ....
天国という名の池で
死を釣り上げる人がいる
町の猫たちは真夜中に駈けだし
虹色に輝く死を銜えるために
釣り人の周りに群がっている
僕の猫は平成十四年、夏
朝ごはんを残して
そのまま帰 ....
なにかになる
と願いながら、
まな板の上に
かみねんどが
しろく しろく
うずくまっていて。
なに者にも
なれないままに
ただ 干乾びていく。
....
風の愛撫に
はらり ほろり
八重桜が泣いた
すらり と知らん顔
真新しい翅を輝かせ
トンボは行ってしまう
墓地への細道
静かな午後
まだずっと若かったころ
感性は魚のよう ....
いま、きみがつまずいた場所から
ずっと、とおいさきで
誰かがよこぎったあとなら、
言葉は、なにげなく
肩ぐちからほどけていく
雨降りが並んだ日に
三叉路で立ちどまったきみの
とりがお ....
見上げた
遠い青は
海のものなのか
空のものなのか
わからない
そもそも
ここは海なのか
それさえも
忘れてしまった
浮上する
どこを
目指して
まとわ ....
祝日は丸い氷でウイスキー飲む父の絵は直線ばかり
エレベーターがある城なら行く
ひどく風の ある日
ひとの顔ほどもある木の葉が
ぬいんぬいんと おおきく
円を えがいたり
突然 すさまじい勢いで 遠くに
流れてゆきます
空は ごろごろと 唸っています
ひと ....
ふるさとのゆめ
ゆうべ夢みた
山奥の
ああ、あのころは
あのころは
ちちははも
住んでた
故郷の家
みんなはしゃいで
窓のそと
何かうれしく
車で走る
水辺の草も
....
どうぞ、おきにめすまま、とおりすぎてください。
ふたこぶラクダには好かれたく、ありません。
砂漠をすらすらあるいて、Oasisをみつけたら、カプチーノをひとつ注文しましょう。
棒はいっぽん。
....
狩りは かかとで 踏んでから
継ぎ足す糸屑 齢にかけて
後の視 留守居に 枯草つむ風
狩りは 掛かりに 放らして
かりは かかとで ふみえ みち
あさのは ゆめのき なきわ こるいし ....
鍋に水を張り 火をかける。
沸騰するまでの間に とりあえず死んでみる。
グログロと煮立った鍋に 指を一本
千切って 落とし 再び1時間。
その間にリビングのTV ....
間奏まで唄うのか
俺は
一粒の砂
浜に埋もれて
見分けはつかない
陽ざしに燃える
ベージュ色に乾いた
波線のうねり
その繰り返し
俺は
一枚の枯葉
沢山の緑の
....
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