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夕焼けという名の空がある
青空からの移ろいとしてではなく
終われば夜空ということもなく
そういう名前の唯一だ
いつかやがて
みあげている存在の全てが
一斉に瞬きしている隙に失せ
瞬時に忘　.... 生まれたばかりの九月はとても静かで穏やかで
風は凪ぎ　梢に寛ぎ
秋の願いがその隣で翼を休め
あるいは風はまた立ち
願いなら　早熟の実を選び定めては安堵して
どこかへと帰り、持ち帰る
木の実　.... 如月の茜の空のあかよりも紅い木の実が冬をみつめる


思うほどさやかじゃないよ雪道を自販機もとめて歩けばわかる


降る雨は街の灯りに染められて生まれた頃を懐かしみ泣く


外れから　.... 駅にゆく道すがら
こどもがしゃがんで俯いている
俯いた背中が震えている
泣いているのだとわかった

道行く人を視ていると
みな邪魔そうに避けていく
なかには蹴とばす真似をして
薄ら笑っ　.... そういえば野葡萄の森には
女学生たちの笑い声が響いていた
ルージュをいまだ知らないいとけなさが
あまりにも無防備にうららかに
秋の終わりを彩っていた過日

　　　＃

電気代・ガス代に　.... 一．ほとり
泣きやむことを忘れ
とてもわたしらしくなったと
この夜いつまで居ようか
ここに



二．花占い
そこの｛ルビ他人＝ひと｝は暗がりで
命を摘んでいる
気になって仕方な　.... 　その年の秋も、あちらへこちらへさまざまの波紋を投げかけながら冬へと育っていった。東京のような雑多な坩堝にあっても例外ではなかった。
　かの都会の片隅、聞こえよく庶民の人情が息づいているなどといわれ　.... いますよ

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私の神さまって居るよね？ 西日に首を傾げている
絃を爪弾きながら　全く
永遠の光芒の野は無邪気で
故に無伴奏から不在を学ばず
そのままです神さま　私は全く

手放した数多の心には
なみだを送り毛布を送り
子守唄　.... 静寂の支配下で
絶叫したいひとが一人居るようです
壁に向かって
壁しかないから

蒼ざめた部屋
とても蒼ざめた
とてもとても蒼ざめた ぼくは雑巾になりたい
雑巾になって絞られたい
愛する妻の手で絞られたい
毎日毎日絞られたい

雑巾のぼくで愛する妻は
ぼくだと知らずに床を拭く
ぼくたちの日日の暮らしのために
毎日毎日　.... 翼と靴を売って、歌を買いました 縁日のひよこのピンクの無力さに寄り添えそうな耳鳴りの日日 たとえばラテン語だったなら
誰にでもなく君たちだけに
伝わるだろうか
さよなら、と
ひと言のこしたいひとの数は
片方の手で足りる
それはさびしいことではないと思う 歌わないでほしい外が歌っている
空が久しぶりに色彩を取り戻したきょう
けれども風の帳に覆われて
わたしはあきらめた

木琴の音色はいったい誰が担当しているのか
いろいろにたずねてみるし
　.... 石っころがなみだできずにいる
こんなに乾いていても
空よ、いま降ってくれないか
一行の意味を問う
わたしのために 貝殻になって
砂浜で美しく暮らそうだなんて
夢を時々みては波に
叱られているよ

こんなあおいなか
住まわせてくれている
地球に返しきれない
恩をいったいどうしたら

じっと海の底　.... かなしみのコラージュつくって
額に入れてもらって
そして飾ってほしいとかって
思ってかつてを売ってた頃

から、いま遠くなりたいと
思っているんです
いまできていますか
いまそれ、上手　.... ニコライ堂をきみと並んで病院の屋上でみてた永遠の夏 葉っぱが微笑んでいる
もうすぐ枯れて落ちてしまうのに

私達が　やがて落ち葉になったなら
どうぞ皆さん　踏んでください
素敵な音楽　奏でましょう

葉っぱは　その命の最後にも
悔いは無　.... 麗らかな忘却の朝
とりとめのなく少女の眠る家
旅人のために庭では薔薇の惜しげもなく
善い水を湛えた井戸はそこかしこの
古の村の

麗らかな忘却の夜
朗らかに悟って少年の眠る家
旅人のた　.... 母のゆりかごの中で
赤子はやわらかく眠る
そこが永住の安息の地であるかのように
母の鼓動と赤子の鼓動が重なり合って
まるで三日月の夜のセレナードの聴こえるかのよう
母の恋人は夜勤で不在
赤　.... ふるさとを知らない
おふくろ、ってどんなだろう
父さんは愛をくれたひと
猫も愛をくれて、もういない

いまテディと暮らしている
終の棲家となりそうだ
産まれたベッドは東京だから
ここも　.... わたしのさみしい骨のゆくえは
乾いた風吹く荒涼とした地
どの生き物にすら踏みつけられることもなく
ただひたすらに転がってるだけ
あしたなら抱えきれないほどあって
きのうのひとっつも無い寂寞
　.... 雨のふる海岸に住むプチトマトあおいあいだがしゅんだそうです


林檎県林檎林檎区林檎町四丁目まで来てくれますか


空に雲泣かないで君もう一度みあげてごらん異国からの風


砂の城な　.... 永遠にえいえんということですか｛ルビ私＝わたくし｝の名の下につく子は


空をみる目を失っていたようですきみが燃えているあいだの｛ルビ時間＝とき｝


寄せる波帰ってゆく波知っていますきみ　.... ほら首都高が唸り始めた
まだ週末には一日早いのに
しかも近頃は人手不足
売り手市場だって

遊んでないで仕事に励めよ
わたしの部屋にも一通届いた
握りしめて鍵をしっかりと確認してから
　.... なみだしかない日がある
ひとりだけの日ばっかりで
週末は私を孤児にするし
首都高では公認のお祭り騒ぎ

いつからか某リゾートが
花火を控えめにやるようになって
気がついたら穏やか上手な
　.... 泣いちゃいけないよ
って言わないで
俯いちゃいけないよ
って言わないで

言ってくれないから
泣いている
言ってくれないから
俯いている

雨降りお天気は
きょうもお元気
街に　.... 春の野がどこまでも遠いこの｛ルビ病室＝へや｝できのうさくらが終わったと知る


この年のさくらも終わりわが｛ルビ病室＝へや｝はたとえようのなく北東を向く


春風が知らずにすぎる向きに建つ　....

そらの珊瑚さんのもっぷさんおすすめリスト（113）
タイトル	投稿者	カテゴリ	Point	日付
夕焼け	- もっぷ	自由詩	6*	16-9-5
宇宙	- もっぷ	自由詩	3*	16-9-2
「たとえば柊」_五首	- もっぷ	短歌	5*	16-2-23
ふゆのこども	- もっぷ	自由詩	11*	16-1-8
乾いた雪	- もっぷ	自由詩	9	15-12-10
デルフィニウムの線描をください	- もっぷ	自由詩	11*	15-12-1
秋、帰る	- もっぷ	散文(批評 ...	3	15-11-23
RE:_（または「いのちのメール」）	- もっぷ	自由詩	3	15-10-24
この世の窓辺で	- もっぷ	自由詩	11	15-9-30
夜想曲	- もっぷ	自由詩	7	15-9-29
雑巾になりたい	- もっぷ	自由詩	15	15-7-31
高原の青い薔薇	- もっぷ	自由詩	6	15-6-28
縁日のひよこ_*	- もっぷ	短歌	2	15-6-18
北西風	- もっぷ	自由詩	8*	15-5-22
如月町晦日界隈	- もっぷ	自由詩	6	15-2-27
ヴァイオリンへの手紙	- もっぷ	自由詩	4	14-11-18
存在失格	- もっぷ	自由詩	5	14-11-11
やさしい神さま	- もっぷ	自由詩	5	14-10-19
ニコライ堂	- もっぷ	短歌	2	14-10-6
葉っぱの心	- もっぷ	自由詩	5	14-7-7
寧去	- もっぷ	自由詩	4	14-6-30
いのち素描	- もっぷ	自由詩	4	14-6-27
てのひらの上の名前	- もっぷ	自由詩	9	14-6-16
骨のゆくえ	- もっぷ	自由詩	17	14-6-7
「四丁目の時間」2014.05.26_(一〇首)	- もっぷ	短歌	3	14-5-26
「わたしと本と服たちは」2014.05.25_(一〇首)	- もっぷ	短歌	5	14-5-25
言寺の尼僧どの	- もっぷ	自由詩	4	14-5-16
私	- もっぷ	自由詩	2	14-5-9
街	- もっぷ	自由詩	3	14-4-30
「かおるのおと」2014.04.19_（一五首）	- もっぷ	短歌	8*	14-4-19

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