炬燵に潜った黒い詩のかたまりを蹴とばした
かたまりは、黄色く悲しい柄の炬燵布団を這い出して
畳に埋め込まれたトランジスタの蜜を指で掬った
雪と雨の雑じった空の涙を、吊し柿はただ見ている

正 ....
初詣が済んだのでおみくじを引く
小さな地域の小さな氏神さまが静かに祀られている小さな神社は
この日ばかりは少しの間だけ人混みで溢れている
ぼくはおみくじを引く順番の列に並ぶ
ぼくの並ぶ列はどう ....
冬の温かい陽だまりの中で

背中を丸めて眠っている

猫になりたい
今だけを走る
死なないように
食べること眠ること
延々と繰り返し
疾走する
追い抜かれても
大丈夫
背中を押すのは
生きる力
食べること
眠ること
延々と繰り返す
やがてそれは ....
 

僕のことばが偽物だという
君は本物だろう
君が笑ってるなら
偽物でいいと思う

唇のはじから放電された言葉が
穴の開いた心には帯電されず
熱を発することもない


君も偽 ....
龍だった体はゴワゴワと
一年分の出来事に塗れて
空を飛ぶには重くなった
カレンダーを新しくして
つるんと剥けてスルスルと
元気に走れよ 僕
大きな蛙は呑み込んで
栄養にしてしまえ
蛇行 ....
月のとまった樹の根元
眠る蛇の
耳の彼方に凍りつく
川の音 ふるえる
齧歯類のような
尖った痛みを胃の腑に飼って

雪をのせた朱い実の房
星座をなぞる指の匂い
焼べられた記憶
せつ ....
豊かさにすがる人々が挙って生贄を捧げる
まぶしい海の街に聳え立つ女神の像が淫らに、
そして聖母のように微笑んでいる
見よ、彼女が踏み荒らした諸国の苦しみを

アフリカの中央部、西部、そして ....
きみの手は、
しっとりとした雪が、
もうすでに降り積もっている、
ひんやりとした夜の雪原である、
手のひらですくえるほどの軽さ
ふっと息をかければ羽毛のように
水のようにさらさらと
それくらい
それくらいと言いたいのに

あなたが踏んだ泥は何億年後かにも
化石になって残るだろう
た ....
世界はゆめ
みてる
木々の上で
鳥が鳴いている
その光景を見ている
鐘の音が
どこかで聞こえる
耳を澄ます。

日々、


暗闇のなか、一日がはじまる どこか
に行こうと、 ....
乗れなかった列車
届かない指先
人混みの中
涙が頬をつたい
わたしは遅刻

会いたい人がいた
伝えたいことがあった
できることなら書類に
その滑らかなサインまで
いただきた ....
飛び続ける

眼下で燃える海
着陸できる空港はなく
明日には燃料も尽きる
混乱したオートパイロットが機首を上げて
成層圏を目指そうとしてる

凍ったフロントガラスを冷めたコーヒーで ....
喪服の人たちが蠢いている
涙も出ない
感情がわからない
現実を受け入れない代わりに
不思議な出来事を受け入れる
それに救われながら
不思議な世界の隙間から見える現実を
少しずつ引き寄せて ....
 
 大阪難波元町に、まぎれ込む
 二人の微細な影がゆらめく
 幾らかの紙幣で買われた
 わずか四時間の締め切られた空間

 ユニットバスの洗面台で
 歯ブラシをくわえる私の顔の
 筋 ....
夜明けの海が磯際を洗っていた

スプニングリールに巻いた
ナイロンの道糸を
仕掛けの糸(ハリス)と直結するのに
結び方を選んだりはしなかった
一応、ストロングノットも知っているが、
トリ ....
 闇夜に見上げる一等星
 きみと視線を交えるひととき
 さよなら と揺れながら
 囁いた星影は
 都会の崖にそっと咲く
 冬の菫
 童女の様な微笑みが
 また逢える日を約束してく ....
石垣に
すっくとたつ
つわぶきの黄色い花を見かけ
かすかにかじかむ
祖母の佃煮、匂いたつ湯気

もう一度食べたいが作り方がわからない。
つわぶき、つわぶき
もう一度私の口に入れ。
 ....
赤く途切れたブランコ
見下ろしている厚化粧の空
つけまみたいなドローンが落ちた
鳥だったころを忘れ
祈りは地べたを這いまわる
時代のツールが暴いたものは
スキャンダルでも陰謀でもなく
ぼ ....
あたしのぜんぶをあげる

いろんなひとにあげる

すこしずつ こまかく ひとつづつ 丁寧に

あたしのぜんぶを 髪の毛一本まで

あたしのぜんぶをもらってもらえるような努力を

あ ....
なにをつくっているの?

なみをつくっているよ

それはたいそうむつかしそうだね

そうでもないさ
るるるは上にいく
りりりは下にいる

ただそれだけだよ
 指先に透き通って
 春の朱の血潮が浮かびあがる
 女は白雪の様な顔を両手で隠し
 泣いていた

 あれ荒んだ心のあなたは
 客の少ないバーで何故か気さくに語る
 笑顔の背後に宿る夜更け ....
 軒端に訪れた冬が
 なつかしくて
 昔の男に逢ってみる

 樹の影の床几に
 ひそやかに日が暮れかけて
 眉の濃い青年だった
 あなたが盃をかたむけている

 湯豆腐のなべから上る ....
ふるい夢をみた
ふゆの朝

たまごが2個の目玉焼きは
血が混じったために
スクランブルエッグになった

またつくればいいさとあなたはいう
ギンガムチェックのテーブルクロスに
あた ....
さっき心に浮かんだ言葉は
すぐに消滅してしまった
書き留められなかったその言葉は
次はいつ出現するだろう
そんなことは無数にあって
捕まえられなかった言葉が
ひらひらと不規則に飛んで
こ ....
羽毛布団を出し
外出はダウンを羽織り
鳥の恩恵を受ける

鴨しかいなかった池に
いつの間にか百合鴎が加わり
殺風景に華を添えていた

陽の傾きが早い
帰り道の寒さに寂しさ
空には凛 ....
石垣の湿度は夜にならないと見えない
痩せた電話ボックスには薄化粧が良く似合う
通りすぎる風のおかげであなたを赦せた
わずかに含まれた残り香でわかった
あたしだってとっくに赦されていた
円環の ....
冬枯れの
野に小雨降る
牛たちは思いおもいに
草をはんだり
寝ころんだり
長いまつげに
露がつく
草千里は今日もおだやか

おだやかです。

冬は枯れ
牛たちのつゆ
はる ....
 足許濡らす時雨の冷たさ
 夕刻に立ち寄るスーパーで
 野菜売り場の陳列棚から
 外れた隅へ歩み寄る

 (やあ、おかえりなさい!)
 わたしに呼びかけて来る
 焼き芋機
 鼻先へ ....
手足も鋭い口の一部だった、
小さな鯵はたちまち餌食となった
隠されたふたつの針が捕食者の自由を奪う
烏賊は、見知らぬ力に捕らえられた

月のない夜だから、
磯は辺り一面墨を溢したような暗闇 ....
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(8373)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
青い涙- atsuchan69自由詩15*25-1-7
おみくじの話- ちぇりこ ...自由詩925-1-4
- HAL自由詩4*25-1-4
疾走- 自由詩4*25-1-3
偽物の光と影をかりにゆく- AB(な ...自由詩225-1-3
蛇になる- 自由詩6*25-1-1
巳年酔夢- ただのみ ...自由詩3*25-1-1
アフリカの涙- atsuchan69自由詩21*24-12-31
雪手- 本田憲嵩自由詩1724-12-30
たましいの重さ- 凍湖自由詩924-12-30
- ryinx自由詩1524-12-27
風の形- たもつ自由詩424-12-26
メリークリスマス☆★- mizunomadoka自由詩524-12-25
メルヘン- 自由詩524-12-25
密室- リリー自由詩7*24-12-25
秋磯のアングラー- atsuchan69自由詩13*24-12-25
星の散歩道- リリー自由詩8*24-12-24
つわぶき- wc自由詩17*24-12-23
情報ジャンキー- ただのみ ...自由詩4*24-12-22
あたしのぜんぶをあげる- ゆるこ自由詩524-12-22
それだけのはなし- wc自由詩15*24-12-20
雪女- リリー自由詩6*24-12-19
樹の影に- リリー自由詩4*24-12-16
絶叫- 平井容子自由詩1824-12-16
言葉- 自由詩11*24-12-14
冬のはじまり- 自由詩7*24-12-12
ハローベイビー- XIAO自由詩424-12-12
つれづれ- wc自由詩10*24-12-12
焼きいも- リリー自由詩10*24-12-11
烏賊- atsuchan69自由詩11*24-12-11

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