分厚い雲のはるか向こう
白く明かりを投げてくるのは
まるい太陽

アスファルトに吸い込まれながら
乱れ舞う淡雪
踏みつけようとすると消え
歩こうとすると
視界にまとわりつ ....
 
十代前半の頃だったと思う
一遍の詩を読んだ
それは月刊の学生専門雑誌に投稿された入選作品だった
それまで、詩など教科書でしか読んだことはなかったのだけれども
題名に惹かれたのか
それと ....
日差しは入り江を満たす穏やかな波のよう
ちいさな冬も丸くなった午後の和毛のぬくもりに
鉢植えの場所を移しながら
――古い音楽が悪ふざけ
週日開きっぱなしのトランクをむやみに閉め隅へ蹴る
―― ....
空腹を満たすようにあなたは水を飲む。
水はその身体に浸透し血と混じりあい血の赤い色素を超えていく。あなたのなかの色という色を溶かしこんで、水により透明になったその身体のなかの水は、あなたの毛穴や瞳や ....
トランプタワーは 13階立て 
どの階も 四家族が住んでいて
トランプと同じ数の家族が暮らしている。
 
甲13号室に 暮らしているのは カエルに似た人だよ。
ガラス天井の部屋のプール付 ....
眼は
閉じるためにある
闇と親しくなるように

  暗黒に潜む
  閃光

耳は
塞ぐためにある
沈黙に浸されるように

  静寂に沈む
  音声

腕は
抱えな ....
旅を続けるのに少し疲れを覚えたので
近場の坐れる石を見つけて腰を下ろす
いつも足元だけ見ていたと気づいて
久しぶりに顔を上げ空を仰ぎ見てみる

もう秋の色ではなく冷たい青のなか
白い雲がひ ....
 

ビリビリに引き裂いた
力任せに 泣きながら
それでも気が済まなくて
鋏でジョキジョキ切り刻んだ
その切れ端を 徹底的にシャッフルした
元の形などわからないように
二度と思い出さな ....
シュルレアリストの洒落たエア・リアルのレアなリズムで
 アリスのあられもない素足が水を蹴りあげる
  哀れなミズスマシは見た!

    静まる死の間際の未詩 
     冷たいリリシズム
 ....
「孤島」

樹や動物と共に棲み
助け合うことを知っている
ひとに蹂躙されない
蹂躙しない
等身大の月のひかりにただそよぎ
喜び 哀しみ 反射する
時に痛い波濤をかかえ
消滅を怖れない ....
とてもとても遠い昔、あるところに、こじきの女の子がいました。

笑うのも泣くのも、おしゃべりも、誰かのお気に入りになるのも得意。

こどものころは大変でしたが、大人になり、乳房が豊かに揺れるこ ....
包丁がなまってまったく切れず
庭に出て塀でごりごり研いできたところだ
落ち葉や新聞紙で試すとよく切れる
刃先をゆっくりと撫でてみたい気もして
それはぐっとこらえて
あらためて台所に戻ると
 ....
誰もが歌っている
それぞれが愛する歌を

昨日を唄う歌
今日を唄う歌
明日を唄う歌

上手いも下手もある
でも誰もが唄うことをやめられない
なぜだろう どうしてだろう

そうでは ....
つかのまの休日に天使がやってきてしばし話をすると
迷走する天界のことやいま抱えている天使間の軋轢のこと

ほんとうのリベラリズムや偽物のプロパガンダの見分け方や
彼?にもいるらしい兄弟姉妹や縁 ....
もう部屋じゅうに
季節が終わる報せが届きます
ネットポートは再び夕空でジャックされ
きっとポケット深く携帯電話にも
微かに振動は繰り返され
むかし聴いたあの唄が
そっと鳴るでしょう
波音 ....
舌先で像を結ばない
時代の陰りの不安漠然とした
――漏出か
灰に灰よりも濃く灰を溶き混ぜた
ような雲
 も 時折 
    裂 け
息苦しい断絶の青さ遠くかもめのように過る
無垢のまま ....
色の無い花が咲きました

香りも無ければ
命を繋ぐ力も持たない
少しだけ
孤独に見える花です


  花はただ
  『生きられたらそれで十分だ』と
  私につぶやきます ....
 ピアノの音色が白く輝いている。
 僕はその中を歩いている。
 この先に何が待っているのか。
 初冬の風が厳しく吹いている。

 孤独とは。
 僕はピアノの音色に包まれている。
 ほ ....
「ひとはなぜ生きているのかなぁー?」
「うまれたからさ」
まつりごともかみさまも
しんじないあなたはそういった

戦争に反対するお父さんとお母さん
こどものわたしは
ベトナム帰還兵とおな ....
真夜中に口笛を吹く庭先で 待てど暮らせど 蛇が出ない


鰻食べ梅干食べてみたけれど 山椒のほうがやはり合います


風邪をひき嫁にうつしてしまったが 治ったころにうつし返され


 ....
脳の誤作動だったのだ
満月がこんなにも喝采されるのは
月は暦を変えられないことの杭を打ち込まれているかのようで
好きになれなかった

あなたの中に住まう狩人は
おぼろげな兎の陰に矢を放 ....
虚しさは
ろうそくの炎のように揺らめいて
正体を見失う
スマホをスクロールさせても、行き過ぎてしまって
たどり着きたい所にはいけない
私たちは正しく嘘を粉飾できないでいる

街灯ひとつで ....
詩作においては
私今とても
低迷しております
気取ってそう書いて
自問
低迷・・って わかる?
低く迷うって書くんだよ
たしかに
では
高くまっすぐ行きたいのか
青空を横切る
戦 ....
前を向けとの言葉をよく聞く

          でもね

前だけを見てると
         振り返るべき昨日を失う
地球は自転をして呼吸をしている
アンドロメダの惑星の輝きは
生きている証を夜の暗闇の中で示している
青い大空の中では
全てが澄み渡り
生命は存在を忘れて
失語症の詩人のように姿を消す

 ....
さようならアメリカ
たぶんぼくはアメリカが好きだった
ジーンズが好きだった
コーラが好きだった
ポテトチップスも好きだった
さようならアメリカ
自由と平等と人種差別の国よ
民主的で覇権的 ....
いつのまにか
ぼやけてしまった
染みが
もう存在が消えようとする、その瞬間に
ようやくこころの片隅に
いろを
発生させて
 
うまれるよ
うまれるよ、と
存在を主張し始める

 ....
 
昔、{ルビ通=かよ}っていた中学校の屋上に
天体観測の丸いドームがあった


天体望遠鏡を覗き込むと
こころの暗がりがみえた


こころはどの星だろうと
それから何十年も探 ....
ため息の数だけ捨てる衣替え            

 あなたは夏をみる人だ
 うつむいたレースのカーテン越しに
 あなたは白い夏をみるひとだ
 窓辺にもたれながら、口をすこし閉じて

 
 花模様のレースの ....
そらの珊瑚さんのおすすめリスト(7991)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
曇り空の向こうに- Lucy自由詩12*16-12-4
マリンスノーの少女- 小林螢太自由詩8*16-11-26
鈍色の匙- ただのみ ...自由詩16*16-11-23
地と水- あおい満 ...自由詩416-11-21
_鳥獣戯画的トランプタワー- るるりら自由詩6*16-11-21
不在の身体- シホ.N自由詩516-11-21
- HAL自由詩4*16-11-21
パッチワーク- Lucy自由詩18*16-11-19
つめみずむし- ただのみ ...自由詩11*16-11-19
短詩4篇- 白島真自由詩22*16-11-18
赤いぼろきれと蜘蛛- 田中修子散文(批評 ...6*16-11-18
なまくら- 春日線香自由詩516-11-17
- HAL自由詩4*16-11-17
天使の訪問- 梅昆布茶自由詩1316-11-16
祈り- りゅうの ...自由詩8*16-11-16
ある朝こぼれ- ただのみ ...自由詩14*16-11-16
『透明な花の一生』- 葉月 祐自由詩7*16-11-16
- ヒヤシン ...自由詩9*16-11-16
陽のようないのり- 田中修子自由詩7*16-11-16
迷信遊び- 小林螢太短歌2*16-11-15
満月への返歌- 由木名緒 ...自由詩14*16-11-15
かたむいていく夜- 小林螢太自由詩9*16-11-13
低迷- Lucy自由詩10*16-11-11
前向きの欠落- HAL自由詩5*16-11-11
終焉- 鷲田自由詩616-11-9
さよならアメリカ- ただのみ ...自由詩19*16-11-9
_染み_- 小林螢太自由詩14*16-11-9
天体とこころ_Ⅲ- 白島真自由詩21*16-11-8
衣替え- minomi俳句3*16-11-7
夏をみる人_- 白島真自由詩22*16-11-4

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