すべてのおすすめ
 
 森の小径でだれかの影法師が泣いている。
 よそゆきの仮面を外し、裸の心が揺れている。
 曝け出す事を善しとするならば、
 私たちはだれにどこまで曝け出せば良いのだろう?

 露台の椅 ....
 ピアノの音に重なるように朝の気配を感じる時、
 私は私の半身と共に旅情の只中を彷徨っている。
 頭と心は信じられないくらい透明で、
 静かな人の温もりは優しさを帯びている。

 自然の ....
 早朝の森で思いがけず、たった今闇を超えてきたばかりの光と出会った。
 昨晩の雨で緑はいっそう鮮やかに輝き、濃い匂いが辺り一面漂っていた。
 貴方の散歩道を熟知していた私は先回りをしていつもの ....
 
 夕暮れ、時は奏で、美酒に酔う。
 天空のカーテンは降ろされ、夜が舞う。
 見つめる瞳に、内なるものは恐れ、
 夜空の瞬きは、最期の光を大地に落とす。
 崩れかけた古城のほとりでは、子供 ....
 愛を囁くと梢が揺れた。
 協奏楽の流れる部屋に人は無口で
 病人の枕元に一輪の花をかざした。
 今在る優しさに皆耳を澄ませた。

 枯草の美に共感出来た時、私は和的な幸せを得た。
  ....
 裏通りのささやきがツンと耳に触る夜、
 僕は一篇の詩を描いた。
 ネガティブが開いてゆくような感覚をもって。
 けっしてポジティブにはならないような。
 
 量ることの出来ない悲しみは ....
 優しい薔薇の面影が宙に浮かんでゆく。
 清らかな朝にひとひら。
 穏やかな午後にひとひら。
 荘厳な夕暮れにひとひら。

 天上を舞う天使のようだ。
 聞こえるのは声・・・歌?
  ....
 ピアノの音色が白く輝いている。
 僕はその中を歩いている。
 この先に何が待っているのか。
 初冬の風が厳しく吹いている。

 孤独とは。
 僕はピアノの音色に包まれている。
 ほ ....
 
 物語はいつも唐突に始まる。
 ある日の僕は緑の森の中にいた。
 突然の驟雨をやり過ごし、気が付くと教会の前に立っていた。
 初めて自分のもの以外の神の声を聴いた。
 それはまるで音楽の ....
 ワタシハココニイルヨ。
 
 明け方にピアノの純音は吐息を白く染める。
 真冬のキャンバスに描かれた森の中で、
 幼い少女が光の帯に包まれている。
 誰かに見つけてほしいのだ。

 ....
 庭の緑に紛れて自己主張する名も知れぬ花々。
 鮮やかな色は私の心をわくわくさせる。
 天気は良好、テラスで飲むアールグレイもまた楽しい。
 部屋の奥からベートーヴェンのピアノソナタが聴こえ ....
 坂を上りきったところには思い出が宿る。
 僕は持ってきた手帳を開き、使い古した万年筆でそっと言葉を描く。
 生命の継続。生命の継続。生命の継続。
 三回繰り返すと不思議とその場所には新しい ....
 清らかな小川の流れに言葉は産まれ消えてゆく。
 願いは祈りになりあの山の向こうへ放たれる。
 初夏の訪れと共にやってくる想像を
 使い古した手帳に書き留める。

 白樺の林の中で虫たち ....
夜の帳に溶け込んだ心情が 淡く病む。
シタールの音色が鋭く僕の喉を刺す。
震える手で連ねる恋文は
異国の呪文のように匂い立つ。

ああ、夭折した画家達よ。
あなた方の創造した世界はなん ....
よく晴れた朝のテラスで 鳥達のさえずりを聴く。
少ない睡眠でみる暗い夢が表の世界に放出される。
私は庭に咲く菜の花に囲まれて
今ここに在ること そのことに深く感謝する。

全ては思い過ご ....
心の庭にヒヤシンスが咲き乱れている。
私は悲しみを言葉にする者。
拙い言葉で眼前のキャンバスを汚す事になろうとも、
現実を直視し、血のたぎりを一筆で描ききる。
昨日の悲しみが今日に及ばない ....
水彩の草原に僕はひとり仰向けで、
空をゆく雲を見ている。
淡い太陽の光を縫うような、
ぼやける事のない雲の輪郭を僕は指でなぞった。

寂しくなんてなかった。
なんとなくの不安を誰かに知 ....
屋根裏の小部屋の窓から、表の世界を眺める。
そこには、競争があり、強奪があり、また征服があった。
人生の秘密は悉く暴露されていた。
私は頭では当然の事だと思いながらも、心は深く病んでいた。
静 ....
表通りはこんなにも穏やかなのに
私の心は悲しみの連鎖に怯えている。
残された時の歩みの中で、
一体何が出来ると言うのだろう。

愛する木々のさざめき、予感の連続。
ひと月。永遠のひと月 ....
健全な夕暮れに秋の冷たい風が吹く。
私は人生の喜びを一人の詩人に教わっている。
心の師は人生を達観している。
そのため私は私の境地を再確認出来るのだ。

疲れた頭に師の言葉の数々が染み渡る。 ....
肖像画の視線にパリの焦燥と倦怠を感じる。
日々の疲れが重くのしかかるように絵画の中の瞼がその眼光を弱めてゆく。
彼女の視線の先に映っているであろう私の顔はいつしか歪み、
誰に語る訳でもなしに ....
雨上がりの木立の緑は歓喜に溢れている。
森の音楽隊が優しい音色を響かせる。
今はオルゴールの狂乱も記憶の彼方に薄れゆき、
深い瞑想の時に親しむ。ある厳かな雰囲気を持って。

等身大の天使 ....
テラス越しの涼しい風が私に知らせる初秋の朝。
こんな朝の友はモーツァルトにかぎる。
まろやかなホルンの音も、鋭角でありながら優しげな存在感を示すフルートの音も
煌びやかで明るいピアノの音も、 ....
七つの海を越えて今年も夏が来ましたよ。
あなたとお別れしてから五年がたちました。
元気でやっていますか。
もうたくさんお友達もできたことでしょう。
そちらは過ごしやすいですか。こちらは猛暑 ....
あの晩、月は出ていたでしょうか。
風は無かったように感じます。
広い公園の芝の上のベンチに一人腰掛けていたあの晩です。
死が最も私にその身を寄せていたあの晩です。

私はどんな些細な言葉 ....
真夜中に石畳の狭い路地を歩く。
すべての家々の窓は閉め切られ、孤独のうちに
私は己の半身と夜を語る。
時の歩みはいまだ遅い。

真夜中に浸る欲望を持つ者の頭はたえず動いている。
昼間の ....
静かな喫茶店の窓辺で、ボトルシップが壮大な夢を見る。
うすく青みがかった壜の中、彼はすでにその大海に彼方を目指していた。
誰にも目的地を語る事もなく。ただ彼はそっと一言、
自分が本物のカティ ....
そらの珊瑚さんのヒヤシンスさんおすすめリスト(27)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
クラリネット- ヒヤシン ...自由詩9*18-6-2
岩手の村、夜の街- ヒヤシン ...自由詩5*18-4-8
朝の幻想- ヒヤシン ...自由詩5*17-9-23
新しき夜明け- ヒヤシン ...自由詩3*17-9-16
愛の囁き- ヒヤシン ...自由詩18*17-2-25
時の風景- ヒヤシン ...自由詩5*17-2-11
面影- ヒヤシン ...自由詩5*17-2-4
- ヒヤシン ...自由詩9*16-11-16
森の教会にて- ヒヤシン ...自由詩6*16-11-4
追憶- ヒヤシン ...自由詩7*16-2-13
愛する人へ- ヒヤシン ...自由詩14*15-10-17
生命の歌- ヒヤシン ...自由詩9*15-9-7
蛍の光- ヒヤシン ...自由詩14*15-7-11
恋文- ヒヤシン ...自由詩14*14-7-21
純心- ヒヤシン ...自由詩18*14-5-15
岩手の父に贈る詩- ヒヤシン ...自由詩11*14-5-1
水彩画の少年- ヒヤシン ...自由詩10*14-4-23
岐路- ヒヤシン ...自由詩10*14-4-19
岩手の父へ- ヒヤシン ...自由詩11*14-3-24
とある詩人へ- ヒヤシン ...自由詩11*13-10-13
狂騒- ヒヤシン ...自由詩9*13-9-21
時流- ヒヤシン ...自由詩5*13-9-14
モーツァルトの朝- ヒヤシン ...自由詩9*13-8-26
お空の彼方にいる君へ。- ヒヤシン ...自由詩11*13-8-14
生かされる事。- ヒヤシン ...自由詩3*13-8-12
真夜中の放浪- ヒヤシン ...自由詩13*13-7-8
ボトルシップの夢- ヒヤシン ...自由詩3*13-7-7

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する