春はGじゃん
salco

 春はGじゃん。卒業生の賞状筒携へてときめく去りぎは、風も温みて、
毛織物などいんぢごの内にこそ重ぬれば綿の膝丈すかーとひらめきたる。

 夏はのーすり。日頃の腕立てすればさらなり、きゃみもなほ。肩口より
白きかひな浅黒きかひな伸びやかに出でたる、ぱっつんぱっつん太やかな
るも、ぶにょぶにょ老ひたるも、そはそでをかし。おらおら系がてん系の
むきむきしたるも超をかし。

 秋は革。乗馬長靴ぶーつ履きて膝下長く見ゆるに、牛革かーふ羊革しーぷすきんなど上衣も着
て、未蘭みらの風、紐育人にゅーよーかーぶるもつきづきし。巻きて肩掛、中折れ帽子かづきた
るを、なげなりに装ふは、いと難し。思ひ煩ひて、合革洋袴ぱんつ軍用外套みりたりーこーと当直兵編帽子わっちなど耐久系へびーぢゅーてぃー、煤け大年増のあやしう御鍋めくは言ふべきに
あらず。

 冬は羽毛だうん。雪の降るとも暖まさる外衣あうたーあらず、克什米爾かしみやのいみじう軽き
も、婆襯衣しゃつも、いと寒きに、通夜告別式など火急おきて、本堂斎場に侍り
たるは、いとわびし。精進となりて、ぬるくゆるびもていけば、貼る懐炉
喪服の中にて赤熱あちち。

 
                           清掃駄弁

                           


自由詩 春はGじゃん Copyright salco 2011-11-16 21:47:49
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