すべてのおすすめ
私は朝からずっと観覧車に乗っています
同じところをぐるぐるぐるぐると
朝からずっと回っています

病室の窓からは
あの人がこの観覧車を見ています
そして時折絵筆を取り出しては
 ....
夏は結局いつも
気づけば私を置き去りにしてしまうから
今年はちゃんと捕まえて
かごの中に閉じ込めてやろう

だらだら溶けるアイスキャンディーは
外れの文字をさらけ出すだけだけど  ....
腹を空かせた蛇が
宇宙を丸呑みしたそうな
大きな口を開けて
パクッといった

宇宙は蛇の腹の中にあって
時折酸性雨のような
蛇の胃液が降り注いで
少しずつ世界は消化されて ....
果実を齧る
あなたの首筋には
薄紫の線が浮かぶ

私はその首筋に
かぶりつきたい衝動を抑えて
おいしいかいと
あなたに聞く

あなたは
貪り尽くすように
果実を ....
強く握り締めると壊れてしまって
口付けを交わそうとすると首の骨を折ってしまって
優しく愛撫しようとすると
皮膚がべりっとめくれてしまって

そんな風になったあなたを
私はきっと愛 ....
湿った線香花火
火はすぐ消える
そんなのないや
勝手に夏を終わらせた

思い出橋の上で
歌を唄って
お上手ね
彼女は確かにそう言ったのに

ぽとりと落ちた火の玉に  ....
星の洪水で空が溢れそうな夜
私はまだ穢れのない身体と共に
あなたの衣服を織りながら
あなたに添うことを思います

機小屋の周りには村人が火をたいて
私が逃れられぬよう夜通し見張り ....
橋の上で絵を描く男
道行く人を描く

美しい人が立ち止まる
私の絵を描いて御覧なさい
きっと売れる絵が描けるでしょう
美しい顔をした女は
絵描きの前で最良の笑みを浮かべる
 ....
やっと寒くなった朝に
雪は降った

お前はじっと降り落ちる白を見つめる

白い雪

お前の目の前を通り過ぎていく

外に出たいとお前が言う

長いまつげに雪が降り積も ....
パパはなんでもできる人だった
天使を悪魔に変えるなんて
朝飯前だったし
時には神様がパパに
アドバイスを求めに来たりもしていた

パパは最期の夜を迎えたときに
僕に優しくこう ....
私とあなたの名前はクローバー
たった一人の願いを叶えるために
生まれてきた

隣同士にいつもいるあなた
泣きたくなるくらいの
優しい気持ちになる

誰かの願いを叶えるために ....
凍りついた重たい大気に圧されて
密やかに凍えるお前を
私はそっと抱きしめる
けれどお前は
私に触れられた瞬間
はっとしたように
すうっと空気に溶け込み
私の指の間をすり抜け ....
じりじりじりじり照りつける
いつまでたっても照りつける
にらみ返せば目が痛む
じりじりじりじり照りつける

直視されない太陽は
いつだってひとりぼっち
世界中の人に愛されよう ....
ほらご覧坊や、あれが人間よ
はしたない行為に身を委ね
年がら年中鳴き声がうるさい
勝手な快楽で
勝手な繁殖を
やつらを喰う物が現れたら
食べる物には困らないわね

ねえマ ....
春の花を見つける
忘れないように匂いを嗅ぐ
きっとこの花が
私を飾る
だから忘れないように
匂いを嗅ぐ

夏の果実をかじる
熟す時期を覚えておく
きっと私が最期に食す ....
坊や、雪が降っているよ
桜はまだ、咲かないの
ご覧もう咲いているよ
真っ白な雪桜が

坊や、雪が降り続いているよ
椿はまだ、咲かないの
ご覧もう咲いているよ
みどりいろの ....
おはようインソムニア
今日も聞かせておくれよ
僕等が眠っている間に存在した
続きの世界のことを

ねえインソムニア
君が目を閉じたとき
僕等の世界は
終わるんだろうね
 ....
コンシェルジュリーに棲む女
人は醜女の心を持つと言う
不能の旦那の種で生まれた
愛しき結晶を抱いている

コンシェルジュリーに棲む女
愛した人が手を差し伸べる
掴めぬのか
 ....
わたしがその昔
まだ若くて
眠り姫だった頃のお話

お父様は
わたしの婿選びに
わたしを目覚めさせた者だけが
その権利を得ると各国の王子たちに御触れを出した

わたしは ....
アダムとイブが
神様の庭を追われた一週間後
アダムにもしものことがあったとき用に造られた
もう一人の落ちこぼれのアダムは
目を覚ました

神様には
目覚めたときに
優秀な方のアダムがい ....
壊れた部品のお取替え
旧式だから全替えです

いろんな思い出もあるでしょうが
バックアップはとっていますし
どうせ代わりはいくらでもいますから

実際として
彼は死んでしま ....
時々いろんなものが
ただの無意味なカラーに見えるけど
なんだか新しい虹みたいで
それもきれいだからいいと思う

悲しくなった時に流す涙って
頬を伝ったり
ボロボロと化粧を落と ....
一ヶ月を少し切った頃
そろそろ準備を始める
今年も彼はきっと大忙し
彼の相棒も毎日筋トレに励む

昔は一人一人の好みに合わせて
プレゼントを選ぶのが大変で
親に資金を援助して ....
ショッキングピンクに彩られた図書館で
同じ色の目をした受付嬢がこう言った

あなたの瞳は黒いわね
あなたの服も黒いわね
きっとあなたの子供も黒いのね

ショッキングピンクの壁や床 ....
夢の国に囚われた
彼の名前はミッキーマウス
どこにも行けない
ワンダーランドの迷い人

ミニーに身代わり赤子を生ませ
排水溝から脱出さ
ここが彼のねぐら
本来いるべき
 ....
やつらの罠に はまっちゃいけねえ
混乱 欲望 慈愛 浄化

深みにはまればはまるほど
やつらの脳に迷い込む

標識なんてありゃしない
矢印が正しいとは思わないこった

右 ....
太陽はつまり私の奴隷である
私が生まれるよりも前から
その輝きを絶やすことなく
私に認められるように
地上を照らし続けた

私を見つけるように
ただひたすらに

奴隷と ....
朝起きて
ミドリ色になった体を見て
本当は少し安心したよ

これでもう
苛められても
蔑まれても
虐げられても

『僕の体がミドリだから』
そうやって言い訳できる  ....
俺の夢を喰って消化不良を起こした
そんな貘を捕らえるのは簡単さ
よっぽど腹が減っていたのか
喰い終わってすっかり夢の中

起こさないように
そっと近づいたら
両手足を縛って  ....
未有花さんのなかがわひろかさんおすすめリスト(29)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
観覧車- なかがわ ...自由詩8*07-5-29
夏の誘拐- なかがわ ...自由詩2*07-5-26
蛇の腹- なかがわ ...自由詩5*07-5-12
死の果実- なかがわ ...自由詩7*07-5-7
巨人の恋- なかがわ ...自由詩8*07-4-11
線香花火- なかがわ ...自由詩7*07-3-16
棚織津女の一夜- なかがわ ...自由詩9*07-3-8
売れない絵描き- なかがわ ...自由詩6*07-3-4
白い桜- なかがわ ...自由詩4*07-2-21
きぐるみ〜パパの呪文〜- なかがわ ...自由詩4*07-2-19
クローバー- なかがわ ...自由詩6*07-2-10
如月- なかがわ ...自由詩9*07-2-8
照れ屋の太陽- なかがわ ...自由詩3*07-2-7
人間園- なかがわ ...自由詩6*07-2-7
四季の森- なかがわ ...自由詩12*07-2-4
雪花(ユキバナ)- なかがわ ...自由詩6*07-2-2
インソムニアの眠り- なかがわ ...自由詩4*07-1-30
コンシェルジュリーに棲む女- なかがわ ...自由詩7*07-1-21
眠り姫の目覚め- なかがわ ...自由詩5*07-1-15
もう一人のアダム- なかがわ ...自由詩11+*07-1-11
サラリーマン機械- なかがわ ...自由詩7*06-12-28
無意味なカラー- なかがわ ...自由詩6*06-12-21
サンタの袋- なかがわ ...自由詩4*06-11-30
ショッキングピンクの図書館- なかがわ ...自由詩8*06-11-27
ミッキーの自由- なかがわ ...自由詩8*06-11-26
ゴダール- なかがわ ...自由詩4*06-11-25
愛しき輝きよ- なかがわ ...自由詩6*06-11-22
ミドリ色の言い訳- なかがわ ...自由詩2*06-11-18
バクの夢- なかがわ ...自由詩4*06-11-15

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