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草木と土の匂いが
とても近くにあった
大地に捨てられているのか、私の身体は。
顔を傾かせ
地面に耳を宛がう

姿の無い何者かが
私の身体をゆっくりと押さえつけてくるような
鈍い重圧を ....
何処までも続く田んぼ道を
傘を差しながら歩いていた
泥濘に足を捕られ
踏み込んだ足音に
ため息が一つ、呼応する
辺りはすっかり暗くなった

バスの停留所が見えるまで
ひたすら途方も無 ....
透き通るアルコール
血脈を流れる躍動に
音にならない声は空を切る
ある日、真昼に映った少女
ラジオが空を飛んでいった

気違い染みた水族館に浮かんで消える
プランクトンやら光の粒子やら
 ....
まだ誰も手入れをしていない花壇に芽生えた
幼いクローバーの透き通る葉
働き終えた男たちが
その角ばった手で
その角ばった心で
その柔らかな葉を千切り捨てて
去っていった
二度と見返ること ....
やがて来る 浸水した床下から
新しい手が生えてくる

風が走り去った午後の遊園地
ベンチには黒い影が二つ 揺らめいている
そして二つの風船 雲の彼方へ消えていった

全ては千切れた羽の様 ....
未有花さんの佐藤清児さんおすすめリスト(5)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 佐藤清児自由詩208-5-26
母の上空- 佐藤清児自由詩507-9-16
エタノール・ラジオ・ブレイク- 佐藤清児自由詩2*07-9-15
星状体- 佐藤清児自由詩307-9-12
廃墟- 佐藤清児自由詩307-9-12

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