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真夜中
雨の音で目覚めた
まだ家にはカーテンがないから
部屋の中は
街灯のオレンジ色で
隣に寝ているはずのおまえが
窓際に立って
そとを見ている
おまえのい ....
街灯ともる裏通りを一人で歩けば
時折窓越しに明かりが灯る部屋がある
それぞれの生き様
それぞれのステージ
未来に向けて蓄える夜の宴
近づいてはならぬサンクチュアリ
....
汚れた言葉
かき集めて
この夜空に
放てば
汚れた言葉
よく噛んで
お腹の中で
消化すれば
僕の赤い舌を
ちょこんとだして
横にいる悪魔ちゃんに
....
流鬼くぐり渡る
舞爪 の
川底
沈む 匂い袋
藻の痺れ
かきすく 小指
ほどけぬ水の痕
掻き鳴らされた
土の鎧
笹舟が 黙らせた
ひとこう月の 檻
藪に宿る 露 ....
お元気ですか
少し高くなった空が
今日はなんだか優しくて
お元気ですか
ぽっかり浮かんだ雲が
とても愛らしいのです
遠回りしてのんびりと
線路沿いを歩いていると
どこからか夕飯 ....
ゼブラゾーンをゆきかう雑踏の
感情のない動き、信号は確かに「緑。
だからと言って 何かが正しくない筈もなく
ビルの屋上からスコープを覗く狙撃手だって
彼らと同じく 無感情だったにちがいない
....
どんなに難しい本を読んでいたとしても
喜怒哀楽
たった4文字に人のこころは捕われて
(それってほんとだよ
いつになったら大人になれるのかな
つまらないことに腹を立て
投げつけたことばの痛み ....
こゆく さなぎり
はたて まどのみ
ついた ひごそで
まりせ ふむりん
ささぐ こみちね
わたす はねつち
ほせよ ほうれぬ
かがり くみこい
子供の頃は
船乗りになりたかった
世界中を旅して
冒険して
人食い人種にとらわれて
奇跡の脱出
漂流して
魚食べて生きて
雨を集めて
さめを殺して
奇跡 ....
服を脱ぎ捨てながら
でもそれはなんだか恥ずかしくて
でも人間だから好きあってるから
服を脱ぎすてながら走る
それはチューリップで
色とりどりのチューリップで
....
あいにくの空からきたよ
あいにくどこも擦りむいてない
いつもきれいにしてるから
ペロペロキャンディーもちゃんと手の中に
この空もまだうずまきの中に
でもこの道はもう夜だから
目が回 ....
他のだれかに抱かれ
絹の光沢につつまれて蠢く
薔薇色に火照る肌に
美しく焼かれる、愛の痛み
「僕が別の彼女とキスしても怒らないだろ?
可哀想なあいつを慰めておやりよ、 ....
牛乳おじさんは
ラジオ体操のおわった朝
ときおり
虫の幼虫や
脱皮したばかりの
透明な羽のせみ を
ぼくたちに 見せてくれた
ある朝
牛乳おじさんは
学校なんて つま ....
他の人がしたことで
{ルビ叱=しか}られて じっと 耐えていると
罪も無く十字架にかけられたあの人と
つながっている気がしてくる
身代わりとなった人の為に自らを{ルビ棄=す}て
....
遠く、波の音が消えたあとの闇にまぎれて
ただ疲れて坐る君はまだ 何処か子供で
覚えたての歌を ぎこちなく口ずさんでは、
助手席で夢見るように話す「ポリアモリーの街
つまりファッションや音楽、イ ....
亀、知りませんか?
背中に「さ、の」って書いてあります
それは、自分自身です
こんくらいのやつです
かたちは日々変わるんです
生きものですから
お腹を押すと泣きます
水曜日の午後だけ ....
北朝鮮の核の脅威
明けても暮れても
テレビの報道合戦
太鼓が鳴り響く街
朝鮮戦争の作り出した
産物、アメリカが悪い
お尻に火がついている
世紀末は今すぐ目の前
身の破滅だ
神 ....
{引用=
花の種を撒くように
あなたはゆっくりと回転する
スカートが揺らめき
微かな銀色が
しなやかな指先から
こぼれる
それが
遥かに
風花のように
わたしに ....
ちせつな
言葉からつむぐ愛が
どっかへ行ってしまうのと同じように
明日から
せかいは
変わるのだそうだ
ぼくたちは
何も出来ないから
ぴすとるをうつのだ
あな ....
彼女のところからの帰り道
見送ってくれた彼女が目を輝かせた
「見て、あの星!」
見上げるとキラキラまたたく星が見えた
「たぶん、金星やろなぁ」
「きらいでしょ?」
「 ....
苺ジャムから
苺を引いたら
夕日が残った
誰も地下鉄になど
乗ったことの無い町だった
くすんだ陽射しの中
食品工場の隙間では
猫たちがよく逢い引きをしていた
友だちにもみな両親 ....
ヒラリ 舞い落ちる
赤い 小さな紅葉が
風に吹かれ そっと流れ
地面に落ちていった
秋の匂いが包んでく
私と君との時間
君の頬に キスしてみたよ
照れた横顔 ....
攻撃的な僕
受身的な君
私は火
君は水
快楽を貪り食うオイラ
苦痛に耐え忍ぶオマエ
結局は君に飲み込まれ
おとなしくなる
僕は走り
君は歩く
俺は男、お前は女
それぞれ一 ....
目の前をみつめると
十字架は橋となり
わたしの明日へと架かっていた
振り返ると
両腕を広げたまま
横たわる人の体の上を
気づかぬうちに踏みながら
産声を上げた日から今日ま ....
頭が数字でいっぱいになると
詩が書けなくなる
不満が解消されて
悩みがなくなると
詩が書けなくなる
人に伝えたいことなんてないときには
詩なんか書かなくていいの ....
一、 銀色の背中
飯も喰わずに、カピが月ばかり見ているので
座敷に上げて訳を聞くと
長い沈黙のあと
神妙な顔で
片想いなのだという
いったいどこの娘かと問えば
まだ逢ったこと ....
夜の明ける頃
苺ジャムの小瓶を積んだ船が
幅広の海へと出港する
その間にも
私たちには忘れていく言葉があり
その言葉を思い出すために
また忘れられていくものがある
産まれてきたし ....
小さな女の子が俺に
だじゃもん ちょうだいっていう
だじゃもん ほしいっていう
だじゃもん ねえ だじゃもん
だじゃもん ちょうだい
だじゃもん ほしい
そういわれ ....
風は太陽を紡ぎ
優しい音で糸を張り
張り詰めた糸は
暖かな香で弾けて
{ルビ奏=かな}でる曲は優しく
そして暖かく響く
まるで生命の力を
{ルビ謳=うた}うように { ....
一 琴引浜
さくら貝は、はかないという言葉がお好き
はかないという枕詞がつくものには
とりあえず歌ってみる
それらはかつては量産されたものだが
貝は、そんな厄介なものは持ち合 ....
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