すべてのおすすめ
雨上がりの濡れた空気に
しっとり染み込む芳香は
垣根の向こうの金木犀
乾き始めたアスファルトに
規則正しくむちを打つのは
子どもが回す赤いなわとび
吸い込みすぎて重たくなっ ....
{引用=眠れよい子よ
月がほしいと泣く君よ
闇夜の空に手を伸ばし
きつくきつく握っても
月はその手をすり抜けて
君の心を絞めつける。
ほしいほしいと泣けば泣くほど
月は君を支配して
....
影響
少しだけの賞賛が
少しだけの満足が
少しだけの尊敬が
少しだけの裕福が
それが人生の全てだ
と気づくのに人生の大半を費やしてしまった。
少しばかりの賞賛と
少しば ....
「東」
筋違いの愁いを下瞼に溜めたまま
勘違いの寝グセを直そうともせずに
東のゲートが開けば光とともに流されていく
煌めいているふりをしながら流されていく
....
取引先と鹿児島に来ていたので
知覧にでも行きましょうかということになった
私はこれで五回目となる
お客様は初めてだそうだ
特攻隊員たちを想うといつも
戦争、若いいのち、時代、思想、ひ ....
トビが啼かずにまるく飛んでいる
白い朝の港の防波堤は
カラスの群れで
黒く染まっていた
ひゆん ひゆん ひゆん
と息をしている
ひゆん ひゆん ひゆん
と啼いている
ひゆん ひゆん ....
あのときあいつはああ言った
あのときあの男はあたしを笑った
あのときあのひとは助けてくれなかった
あのときやつらは追い詰めた
あの言葉、あの態度、あの時あの時あの時あの時あの時 ....
あたしはコトバなんかじゃねえし
心なんかじゃねえし
おまえらみたいな輪郭がどうしても線にならないから
流れていってしまう
地上のある全部が全部が
あたし達の皮膚
皮膚
だから
午前中は ....
091017
コロッケを買う
帰り道の悦楽
見事なほどの
木の根の太さ
あ〜ぁ〜あ〜ぁ〜
赤い車のホースを伸ばす
裏の川から水を汲む
火事だ!
....
平和な日々
毎晩のご馳走
生きていることに
感謝する
{ルビ古=いにしえ}より伝わる
命
ロウソクの火のように
入れ替わる
明日は何しよう
あのねのね
神様の言う通り
あ ....
雨の中で開かない傘の重さを
忘れられず捨てられもせず
晴れの日には大きく腕を振って
あてもなく足を伸ばしたい
線路の向こう側は幹で
こちら側は根だと教わる
街路はひと続きのようでも ....
幸い
私たち一人ぶんの空洞と
それを支える立派な外骨
喩えれば愛らしく可愛い舌の在るべきに
奥深く続く快きには臥せる
咀嚼の姿が見えていない
曖昧な自己愛の愛を隠して笑う
生 ....
その摩訶不思議な調べは、
けして妖魔を封じる術の音などではない
草木も眠る丑三の刻にひびく――
あえて眠らぬ者たちへと告げる、
慈・悲・喜・捨の警笛だ
幽かに香水の匂う背広を纏って
俺 ....
好きなのに
あなたに
言えなくて
愛しているのに
あなたに
言えなくて
はじめて
キスした
ときめいた
胸の鼓動
あなたに
プロポーズされ
戸惑っています
恋の予感
....
出張さきの宴席で地元の方々が
茶わん蒸しの唄をやってくれた
いつもそれを覚えようとするのだが
芋焼酎がぬけた朝には忘れてしまっている
だからその晩はDVDをおくれよと頼んでおいた
翌 ....
ちょっとプラス1だけ
優しくなれたらいいのに
小数点以下は歯切れが悪いので
やめたいです
9.9999・・・・・・は
背中が痒くなるので
もっと嫌です
1がいいです
2は僕にはきつ ....
全自動洗濯機に投げ込んだ
ぐちゃぐちゃにしちまえ 僕の作文
ポケットに入れっぱなしのキャンディと
同じように 砕けてよ
あまり上手に出来なかったとか
気に入らなかったわけでもなく ....
ブランコに乗って 今度こそはと 宙を舞うの
宙舞って 行きつく先が あなたじゃなくとも
頑張れって 言われれば言われるだけ 頑張らないあたしは変なのかなあ
あなた ....
「しーっ」
声をひそめた
二人の小さな世界は
好奇心とドキドキで
光を放つ
幼い横顔の天使は
森の奥に住んでいて
いつか来る
ヘンゼルとグレーテルを
お菓子の家で待っているの
....
いつから芋焼酎飲むようなったんかなあ
(あたしはどきっとした)
おまえにもうたんやっけ
(そうや)
(あのとき付き合うとった彼にもろたんや)
四五年まえおまえにもうたんや
(いまさ ....
人に愛される事
人に誉められる事
人の役に立つ事
人に必要とされる事
全てを兼ね備えている
むしろ休日が無い
会社ではベタ誉め状態
こそばゆい。
地獄の塩を舐めてきた
ものに ....
赤メロンに つららみたいにシタたル
籠もれ陽ふかした 浴びる月香をタくル
むろん 黒眼がしめきったのどかな風には
違いなく 色を歌う無実の草の
なじみの春が ころころと 吹雪いて
横 ....
すくらんぶる交差点の信号機は
恋をする瞳の奥みたいに
ふと止まるときがある
いつか愛の記憶を出発する
終電を逃して
おしゃべりをしながら
取り残された恋人たちは
再びくちづけをする
....
ふたりの蛇が絡みあい
とぐろを巻いてぼたっと置かれている
私たちは睨みあう
舌をちょろちょろさせ
鎌首をシュパッと突きあわせ
私たちは今、威嚇しあっていた
私は ....
若い{ルビ娘=こ}は
いい
サッシが
早い
「守拙求真」
貧しくとも
自分の生き方を守り
真を求める。
男は男の役割を
果し
女は女の役割を
果すべきだ
男が妊娠? ....
道を歩いていたら
言葉が落ちていたので
拾いながら歩く
拾った言葉を並べてみたら
詩のようなものができたので
額縁に入れて飾っておく
紅葉が一枚
はらりと落ちて
そこからまた言 ....
糸をつむぎ
服を作る
愛する人の為に
心を込めて
温かい心
親切で
素直で
笑顔で
話を聞いて
くれる
優しい人
一緒にいたい
廃墟 と呼ぶ 騒がしい 時間は 鎮まる わかってしまいたくないのに、目を離せない いっしゅんの うちに 瓦礫の 写真は ....
君が
誰も
信じられなくなり
泣きそうになったら
僕のところへ
戻っておいで
君が
悲しくなり
誰かが
恋しくなったら
僕のところへ
戻っておいで
甘えるところも
寂 ....
ジュリアーノ・ジェンマって俳優が好きだった
目深にカウボーイハット被り腰のコルトに手をやる刹那
呼ばれてもないくせしてサボテンの根元に転がる根無し蓬がわたしだった
ベッドのなかでもブーツ脱が ....
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