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今はもう(夢の時間)になった、十代の頃。  
ほんとうの道を、求めていた。  
敷かれたレールを、嫌がった。  

思えばずいぶん、{ルビ躓=つまづ}いた。  
人並に苦汁を飲み、辛酸も舐め ....
ほんとうに美しい音楽は 
自らを主張せずに 
日常を漂う 

作曲家が世を去って久しい 
遠い異国のカフェで 
頬杖をつき 
もの思う私の胸に
ふっと、灯はともる 

瞳を閉じれば ....
踊るように、街を歩くひとがいた。 
両手首に輪を嵌めた、杖をつきながら。 

僕の肩越しに密かな風をきり 
横切った、彼の背中はおそらく求めていない  
これっぽっちの、同情も。 

不 ....
僕の履いてる靴の踵は 
ぽっかり穴が、空いており 

電車待ちのベンチや 
仕事帰りのファミレスで 
片足脱いでは 
いつも小石を、地に落とす。 

給料日が来るたびに 
「今月こそ ....
机の上に、一つの箱がある。 
密かに胸の高鳴るまま 
蓋を開けると小人になった、
星の王子様が僕を見上げて 

「ほんとうに大事なものは、目に見えない」 

と呟いてから
煙になって、 ....
くたびれた足を引きずって 
辿り着いた我家で
晩飯を食べたら  
洗面台の前に凛と立ち 
ごしごしと、一心不乱に歯を磨こう。 

今日という日の食べかすが 
きれいさっぱり消え失せて 
 ....
指紋を眺めると、そこに宇宙があった。切 
株を覗くと、そこに宇宙があった。時計を
見上げれば、秒針の音が絶えず響いていた。  
日常の風に紛れていつも周囲に渦巻いてい
る、それぞれの宇宙。肩を ....
危険という名の、{ルビ梯子=はしご}の上に 
片方のつま先立ちで、両手を広げる
闇の舞台の道化師は、今夜もおどけたふりで 
手にしたワイングラスを、こちらに差し出す。 
夜の冷たいベランダに出て、丸い月を眺
める。誰にも云えぬ悩みを白い吐息で呟
けば、胸底の容器に濁り積もった毒の塊
が、少しずつ、少しずつ、蒸発し、夜の
静寂に吸い込まれ、いくぶんか、胸の重
 ....
世を去った友を追悼して 
{ルビ一昨日=おととい}の夜、朗読会の最後に 
友の詩集を開いて読めば 
何処からか、今も僕等を励ますようで 
詩友達は密かな約束を胸に、家路に着いた 

昨日 ....
鏡に映る、私という人にはすでに 
数十億年のいのちの記憶があり 
数え切れない先祖達の声があり 

鏡に映る、私という人にはすでに 
宇宙の初めの爆発と 
宇宙の終りの暗闇が 
今も密か ....
在りし日の詩人は、独り 
無人の原野に佇む影となり 
夕空に巡る星々を 
澄んだ瞳に、映している 

(この哀しみの地上こそ、我が故郷・・・) 

頭上を掠める鳥達が 
翼を広げ、舞い ....
安易なキボウが、風に消える 
この糞ったれな世界にて 
ぼくは今迄よりも必死に 
「ほんとうの答」を探し始めた 

古書を開いて捲るほど 
文字の無い空白の頁の 
左側には、十字架にかけ ....
日々の職場という 
あまりに狭い宇宙の檻の 
{ルビ戯=たわ}けな猿と化している 
自分の姿を 
動物園のすべてを見渡す 
一本の高い樹に登って眺めれば 
思わず、笑ってしまうのだ。 
 ....
大晦日に体調が急変して 
救急車の中で息絶えた友の 
告別式が行われた一月九日 

遺影の中から 
微笑む顔も 
棺の中に 
花を置いても 
まるでフィクションのようで 

制服姿 ....
哀しい知らせを聞くたびに 
世を去る友は、また一つ 
残された地上から僕の見上げた 
夜空に灯る
大事な、大事な、星になる 

そうして僕は 
風の姿で吹き渡る  
彼等のうたと重なっ ....
私の魂というものは 
量りにのせて 
測定することはできません 

たとえば眠りの夢に落ちる時も 
たとえば悲嘆に暮れる日さえも 

私の内的生命は 
一本の透けたアンテナを立て 
 ....
私が君を知ってから 
血管のひとつひとつから 
香り高く咲き出るように 
この肉体は、花となる 

私は歩く 
今迄よりも、ほっそりと 
今迄よりも、まっすぐに 

そうして只 
 ....
ひとりよりもきっと 
ふたりきりのほうがいい 
ふたりきりよりもきっと 
ふたりの間を結んで 
黄色いはなうたを 
空に奏でる 
小さい、小さい 
手のひらがあるといい 
日頃の不摂生で 
年の瀬に熱を出し 
病院で点滴をした三日目 

今日、初めて気づいた 
点滴を吊るした棒の台車に 
歩きやすいよう 
掴まる取っ手がついてたことに 

昨日、僕は点 ....
時は、人の死さえも 
やがて必然の穴へ 
ゆっくり、納めてゆくだろう 

時は、生々しい傷口さえも 
やがて不思議な包帯で 
ゆっくり、包んでゆくだろう 

もしあなたが、今 
頭を ....
{ルビ麺麭=パン}には、バター。 
御飯に、味噌汁。 

人間も、自らを引き立てる 
誰かさんが、必要で。 

以前は朗読する僕の後ろで 
キーボードを弾いていた君が 
ある日、舞台に ....
僕は君という詩が好きだけど 
僕は君の望んだ詩になれずに 
やがて別れの季節は、訪れる。 

なにをどうしようと 
足掻いても 
誰のせいというでもなく 
仕方のない、ことがある。 
 ....
遥かな夜空の彼方から 
世を去った友の涙が一つ 
ぼくの頬に、落ちてきた 

イヤフォンを入れた耳には 
(can you hear me?) 
という唄声が繰り返され 

昨日、遠い ....
今、(遠い異国の空の下で、産声が上がった) 
今、(夜の踏切で急ブレーキの悲鳴が、夜空を割った) 

今夜、どんどん膨らんでゆく宇宙のなかに 
今夜、みるみる病んでゆく街のなかに 
世界の始 ....
その昔、無数の電車が地面の下に潜る前・・・ 
東京都内の全域に、のろりと 
路面電車が走っていたそうな 

  かんか〜ん 

発車ベルの音がして 
気づけば目の前に立っていた 
小ち ....
わたしはここで 
世界や国を変えようと 
背伸びをする訳でなく 
只 
目の前にいる 
ひとりの人が倒れていれば 
明日を待たずに 
手を取って 
不恰好な二人三脚で歩いていると 
 ....
何故生きるかって? 
目の前を覆う 
すべての霧を射抜いた 
明日という、夢の為さ 
かつて薔薇のように美しかった 
5月生まれのお婆さんは 
先週、深夜にベッドからずり落ちて
車椅子にも乗れずに足掻いていました 

かつてメディアの第一線で 
活躍していたお爺さんは  
 ....
夜行列車を降りた旅先の富山で 
朝から無人のグランドに行き 
雪化粧した立山連峰に目を細めながら 
お兄さんと、キャッチボールをした。 

玄関を開いて部屋に入ると 
春に生まれたばかりの ....
こめさんの服部 剛さんおすすめリスト(212)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
無人駅にて__- 服部 剛自由詩11*13-11-6
無題_- 服部 剛自由詩611-1-21
踊り歩くひと_- 服部 剛自由詩9*10-2-8
穴の空いた靴_- 服部 剛自由詩810-2-4
贈りもの- 服部 剛自由詩4*10-2-4
歯磨きの詩_- 服部 剛自由詩210-2-4
ひとつの宇宙_- 服部 剛自由詩5*10-2-3
道化師の絵_- 服部 剛自由詩110-2-3
お月見の夜_- 服部 剛自由詩9*10-1-27
春の薫り_- 服部 剛自由詩210-1-24
(無題)_- 服部 剛自由詩4*10-1-20
詩人の涙_- 服部 剛自由詩210-1-16
宇宙の本_- 服部 剛自由詩310-1-14
猿の手紙_- 服部 剛自由詩110-1-12
遺骨の前で_ー詩友の告別式にてー_- 服部 剛自由詩410-1-10
星々ノ声_- 服部 剛自由詩310-1-6
魂の器_- 服部 剛自由詩9*10-1-3
捧げもの_- 服部 剛自由詩210-1-3
小さい手_- 服部 剛自由詩410-1-1
新年の扉_- 服部 剛自由詩8*09-12-31
時間という薬_- 服部 剛自由詩4*09-12-29
オノ・ヨーコの伝言_- 服部 剛自由詩3*09-12-22
空の背骨_- 服部 剛自由詩609-12-14
呼び声- 服部 剛自由詩309-12-9
0歳の詩人に_- 服部 剛自由詩309-12-7
都電荒川線- 服部 剛自由詩509-12-6
風の声援_- 服部 剛自由詩209-12-6
明日を、見る。_- 服部 剛自由詩409-12-1
愛の賛歌_- 服部 剛自由詩309-11-27
青い鳥_- 服部 剛自由詩309-11-16

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