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部室に転がっていた雑誌の表紙は手塚治虫だった
手にとって眺めていたら
女優の田中裕子のエッセイに目がとまった
もう20年以上まえ、平成元年のことだ
エッセイの内容は
ライトアップされた東 ....
回転を少し止めた朝は
おだやかな
エメラルドの生地で
ひとつの心臓もない
白い砂床に
波のつぶやきを聴く
貝の肉のような
とりとめのない柔らかさに憧れ
ギリギリと角質の擦れ合う ....
街路樹に寄り添って
まばたきを我慢すると
色々なことが見えてくる
見えていたのに見なかったもの
園芸店の軒先で
ペチュニアがビニールの容器に
無造作に投げ込まれて
冬の曇天を眺めてい ....
091125
殺されたのは
弱気で
強気は生き延びて
外に出かける
出合った弱い者をやっつけて
家財一切ぶんどった
そんな先祖を持ってい ....
私の悲しみが
雪となって落ちてきた
ひらひらと
黒い髪に休むように
静かに
手のひらの温もりに迷い込むように
いつまでも
止まない
白い悲しみ
どこまでも
染めていく
....
わたしがうさぎだった頃
この世は赤いもやがかかっていた
花びら一枚にも手が届かないので
うつむいてありの行列を眺めるしかなかった
わたしがひなどりだった頃
飛び立ちたくて仕方がなかっ ....
何も捨ててしまいたくないから
全てを捨ててしまいたいと思う時がある
何かを得るという事は何かを捨てるという事であるという
この言葉の意味が最近になってようやくわかり始めた気がする
全て ....
一人目の盗賊は目を瞑った
二人目の盗賊は葉の匂いをかいだ
三人目の盗賊は百本の口紅を盗んだ後アル中の妻に口紅を一本買って帰った
四人目の盗賊は人形の頭を終日かじり続けた
五人目の盗 ....
091121
怪獣ブームが去って
本物の恐竜が期待を込めて登場する
骨だけでも好いけど
足跡も欲しいと
原始人も考えて
恐竜の後を追い
卵を盗 ....
すてきな夜を
二人でナイト
今夜は
もう
帰さない
素敵なナイト
今夜は
眠らずに
踊ろう
今夜は
踊り明かそう
君と二人
君は
まるで
天使のように
笑顔で見つ ....
マッチ売りの少女にでもなった気分で
その鍵穴を覗くのがわたしの日課となってしまった
この街へ引っ越してきた当時はタバコ屋さんだったトタン屋根の並び
ちょっとしたお屋敷風の黒塀に
その鍵穴は ....
きみの言葉を聴いていなかった
ぼくによろめいたきみの寂しさを
聴いていなかったからごめん
サイゼリヤの駐車場で
ホテルにいくまでの時間を過ごした
きみはお父さんのことや
....
無辺際の空
金属が滑空する
滑らかな肌は
雲の白さに嫉妬する
見るものすべて
聞くものすべて
触れられぬあなたの
裸体を想起させる
悲しいことなど
嬉しいことなど
すべて綯 ....
紅葉の葉を見上げたら
葉っぱの裏側見えました
紅葉の裏側は綺麗です
光が透けて煌いて
赤に青に 揺れる紅葉が
なんだか白く見えました
風にゆらゆら ゆらめく紅葉
赤く染まって何想 ....
つばさに
傷をつけて
泣いている
鳥がいる
それが
あなたなら
どう感じる?
あなたの心が
つばさなら
傷つけないで
やさしく
受け止めて
痛めつけないで
そっと ....
夜を待てずに
豚が岸辺に波を見つめる
スティックみたいなあそこ
固く濡らして
川べりの風に女の髪
豚に真珠の月影が
脱獄まえのさいごの笑顔
さよならの癖は ....
なめらかな線に少しだけ空いた
そのへこみを
埋め合わせの私が入り込む
なんて居心地が良いのだろうと思っていたが
埋め合わせは考えた
もうちょっと居場所を広げられないかな? ....
ニコライ堂の鐘が鳴る
聖橋から小川町
緩くカーブのその坂の
底にあるのが小川町
小川町から靖国通
だらだら歩き神保町
三省堂か東京堂
なぜ行かないのか書泉の角を
曲がってうれし吉本 ....
樹から落ちる枯れ葉も
雨に震える風も
街角に咲く小さな花も
名前を付けたら
全て私のものになる
無機質に広がる
ビルも交差点も
輝きを放ち
愛しいものに変わる
私の指を握り返す
....
あどけないズルさや
さやかな正義感が
生まれては消え
生まれては消えしていた
ぼくらの気持ちは
さらにどこへと消えてゆくのだろう
友よ
永遠など
な ....
人を
傷つけて
何も感じないのは
とても悲しい
世の中は
信じられないようなことが
たくさん
目の前に起きている
人の
痛みも
わからないのは
自分の痛みも
わからない ....
十一月になり寒い
合羽を着て雨の中 林檎をもぐ
はしごの四段目くらいまであがると
葉につかまり じっとしているトンボがいる
明日は雪の予報で今夜にも降るかもしれない
最後の日なんだ
羽を掴 ....
夜を雪がゆっくりとゆく
フケのような
ボールが止まって見えるような
それが地球の速さなら
自転がとっても速いような
女の泣いている気持ちは
少年のとまどう気持ち ....
宵闇に包まれた路地に建つ
戸建住宅の玄関前に
一匹
猫が座っている
しゃんと背筋を伸ばして
正面を見据えて
その確固たる存在感を
僕は
しげしげ見ながら
通り過ぎる
どこ吹く風とい ....
体力の限界なの ちょっと炭酸飲料飲ましてよ。
愛想が尽きてしまったのなら 愛しい人よ って歌わないでね。
ゲームもあんなに はまっていたのにね。
あたし もうやる気ないみたい。
恋愛の ....
この町の夜は静かなもので
特に冬の夜は衝動に駆られて
大きな音を立てて改造車で走る
少年少女もいない
その代わり目には見えない何かが
充満していて、それに触れられると
その部分だけ鳥肌が立 ....
最近朝早く目が覚めてしまう?なぜ??
僕が朝早く目が覚めるのは
顔を洗い歯を磨き、朝飯をたらふく食べるためです。
僕が朝早く目が覚めるのは
黒猫のトイレの砂を換え、黒猫に食事 ....
繋がって行く 全て
愛に辿り着く 不思議
空をかく手も同時に
青い爪は貴方への反抗?
相対性理論
取り戻したい 今はそれだけ
何も無いのは ご不満で ....
風が笛を吹いて
こっちにやってくるよ
子どもたちを
さらいにやってくるよ
どこに連れていくつもりさ
風が太鼓を鳴らして
こっちに向かってくるよ
こどもたちの帽子を
さらいにやってく ....
ゲームをしてもつまらない
現世を儚んでもむなしくなる
私は
なあに
誰かと手をつなぎます
そのお方は横を向く
石ころよりたちが悪い
小虫たちより意地悪い
....
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