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首がスッカリ伸びきって。
おじさんのランニングみたいになったTシャツ。
もう十分役目を果たしたんだけれど。
洗濯してたたんでしまうと。
愛着なのか。
せこいのか。
....
ブラインドの隙間を
汗を滲ませて
這いのぼる月
窓辺の寝台の上
....
今日の空は少なかった
下ばかりを見ていて
たくさんの石ころは覚えている
今日の空は狭かった
部屋の中にいてばかりで
たくさんの手紙は覚えている
明日の空は
今日の空を見れないけれ ....
わたしがまだ小さい頃
パパがお仕事に行くとき
ママが「行ってらっしゃい」
といってパパにちゅーをした
パパはちゅーされた後ママにいっていた
「あい・らびゅー」
あ・い・ら・びゅ ....
手の中の水に
浮く満月
そっと息を吹きかけて
夜の空に飛ばす
一つ
また一つ
揺ぐ度
思いは消えて
深夜の淵に腰をかけた
ディアナは丸く
夜が終わるまで
百と ....
剥がれ落ちた
爪を
見ていたの。
まるで
複雑すぎた人生を
真後ろから
眺めてるみたいでさ。
光りもしない
石を
ただ磨いていたの。
....
お嬢さん
落し物です。
心の落し物です。
命の落し物です。
そよ風サラリ
クリスマスです。
ロウソクに火を燈しましょう
変りつづける貴方の心に火を
恋に落ちました。
キスをし ....
マンジュシュリ・ミトラの死んだ朝
わたしは聖河で衣を洗った
水の底でゆらめく草が
女の黒い髪の毛に見えた
空はおぼろな光に満ちていた ....
雨上がりの砂利道を
そろりそろりと踏む石の
聞こえてくる砂音に耳を傾ける
それは優しさ
道の左の林より
枝から枝へと飛ぶ鳥の
聞こえてくる羽音に耳を澄ます
それは温もり
どこか ....
山になった洗濯ものの回りで
君は
春のような
スキップを踏む
{引用=おうちを買わなければ、よかったね
だって、お金持ちだったんでしょ?
たた、たたん}
ちいさな袖をそろえて
重 ....
カモメは海沿いの線路上を飛んでいる
超低空で
軌道をいささかも外れることなく
線路は間もなく
海を逸れて山間へ入る
線路に添うか
海に添うか
カモメにとっての岐路だ
カ ....
覚えたての言葉で
精一杯表現していた頃
小さな町の小さな囲いで
小さな喜びを模倣していた
道端に咲いている花は
意識して歩かなくても
簡単に見つけられた
そっと顔を近づければ
鮮明 ....
穏やかな夜に静かに沈もうとする頃
心亡き者が一石を投ず
心に{ルビ小波=さざなみ}広がり
ベッドの上の枕が震える
執着する人
努力する人
無欲な人
流されるままの人
....
正しいことを言うよりも
正しいことをすることの方が
ずっと正しい
立派なことを言うよりも
立派なことをすることの方が
ずっと立派だ
正しいことをする人は
正しいことを口にしない
....
壁のシミを眺め続けている
時間を潰す方法はこれしか知らない
退屈でも見ているしかない
やる事がないこの檻の中では仕方ない
嘗ての王も今は見世物でしかない
本能のままに生きる事も ....
わぁ、キリンさんだ!
センセイ、どうしてキリンさんは
あんなに くびが ながいの?
それはね、高い所の葉っぱも食べられるためよ
わぁ、クジャクさんだ! ....
雨の糸の隙間に
夜は満ちて
ストーブの熱が
そこだけ幸福とでも言いたげに
ほんのり春を創っている
きみと並んで傘をたためば
二人の水滴は
余分な約束事のように散らばって
冷えた ....
ただ怯えているだけ
人が怖いから
人を信じられないから
イヌのように人の顔色を見てる。
身心ともに痛めつけられ
苦しめられ
愛情を受けなかった。
虐待された。
私には父がいない ....
森の奥深く
妖精が住んでいる
羽の生えた小さい少女
花の周りを飛んでいる。
蟻塚がある
落ちた枝
赤いキノコが
あちらこちらに
自分がどこを歩いているか
分らなくなる
命の ....
今日もまた
灰色の空から一日が始まる
青い空は心の中に閉じたまま
銀色の光が大地を支配し
赤い光は記憶の中に収められる
今日もまた
紐でかたく結ばれた一日が始まる
網の中に入れられた ....
体を動かすと
ほら楽しくなります。
リズム良く左右に
スイング
懐かしいジャズバー
心が落ち着く
1週間の疲れが
癒される
ピアノの人に
天国への階段を歌ってよと
ワイン片 ....
{引用=あたいはあの人がほしいんだ}
ぼこ ぼこ ぼこっ
ゆらめく光の波動
何千もの泡、泡
誰も訪れる者はない森の湖水
光すら通さない水底には
主が住んでいる
{引用 ....
ちょっと遠くまで 一人旅してきます
行き先はブルゴーニュ地方 はじめて行きます
街の真ん中にある ノートルダム聖堂の
ケルト信仰と錬金術に関係があるって噂の 漆黒のマリア像に
....
緑色の思い出
悠々と流れる時の中に
そっと置いていく
くすんだ深夜の幻想
俺を誘うノスタルジーを
端に置いて
崩れることのない
物語を作っていく
まだ見ぬ光 ....
細い糸のような雨が上がった
日が変ると同時に止んだ
慌しく過ぎて行く日々に
ひび割れていく心
解こうとすればするほど
拗れていく魂
腐るほど希望の詩を書いたけど
....
文章が
飛行してゆく
文章が飛行した後を見上げる
たなびく理の跡
ボーイングの羽の撓みのような
少しきょうふ感のある
右上がりの字を気にしながら
ぼくは帽子を深々と被り直す
い ....
暗いことが悪いことだなんて誰が言ったの
友だちのいない子をいじめたのはだあれ
引きつった笑顔を作ろうともしない君
暗い瞳で虚空を見つめる君の横顔
....
固く固く閉ざしていた扉
私はその重々しく閉ざされていた扉を
大きく開け放った
中では幼い私が暗闇の中で縮こまってうずくまっている
大丈夫だよ、出ておいで
幼い私 ....
ち ひかす ひも くれ
も ふせて ゆく やみ
けどらせ
いけどる
くらがり
ぬけていく
かげ
とげ にぎり
さし もどす
めんたま に
うつすな
かがやき
....
心が壊れた夜には
甘い砂糖菓子をたべて
満ちてくる潮におぼれる
飽和した呵責を中和するために
街の背骨の上に
赤い月が浮か ....
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