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年若い側近たちが
まじめな顔をして公文書を焼いていた
四月の夜だった
焚き火の明かりが
周りの壁に影をめくっていた
憔悴した彼がそこに立っていた
髭のうえの彼の鼻が ....
僕はよく夜になると
言葉とにらめっこします
地球の重さとどちらが軽いか
形容詞と助動詞の相性は
お笑い芸人で誰が面白いか
最後に泣くのは
決まって僕のほうです
僕が眠りに就くと
....
縮絨された暦に秘めた
敏く、哀愁を帯びた紅紫の日々と
愚かなる人々の美しくも艶やかな罪の数々
その淡い影と華やかな彩りに埋もれ
古びた床へと無数の疵を残して
錦鯉の泳ぐ池のある庭を ....
小雨の中の交差点
寒さ厳しく 小走りで
自動扉がウィーンと開く
その店に入った時から
異様な空気。
フロアの中央に
背の高いテーブルひとつ
天井にはミラーボール
窓際のカウンターに ....
わたしは勿論あのひとを
大切に大切におもっているが
もしかしたら実は
あふれこぼれんばかりの
「愛したい!」という
エネルギーのかたまりを
ぶつけられる相手ならば
....
あ・うん の呼吸を探していたら
思わぬところに落ちていた
なんと
小学一年生で 宝の地図は
手にしていたのだ
あいうえお の 35文字を超えた時
や行が やってくる
いえ を重ねて
....
夜半から降り始めた砂が
やがて積もり
部屋は砂漠になる
はるか遠くの方からやって来た
一頭のラクダが
もうひとつのはるか遠くへと
渡っていく
わたしは椅子に腰掛け
挨拶を忘 ....
切り倒したばかりの白木 刳り貫いて
船をつくろう 船をつくろう
亡くなった人の骸を入れるため
船の棺に入れて 愛しい亡骸を入れて
白浜へ挽いていこう 海まで挽いていこう ....
虹
少しだけつまずいて 人が見ているうちは
おどけた顔して笑って見せて 誰もいない場所で一人泣いた
何処までも続くストーリー どうやって進めば正しいのか
知らされぬまま旅は続く 立ち尽 ....
たべること、の行為性から公式を導き出せ
抱え込んだまま手放せない負の負債
線になりえないまま描かれたグラフ
点の散逸は戸惑うばかりで
「くずしてよ」
倒したグラスが
反転した世界か ....
私の魂というものは
量りにのせて
測定することはできません
たとえば眠りの夢に落ちる時も
たとえば悲嘆に暮れる日さえも
私の内的生命は
一本の透けたアンテナを立て
....
音楽はやまない
いつまでもその唇から
風に
風に乗って
その唇に
やわらかい草のゆれる
広い野を越えて
人々の雑踏を超えて
あなたの街を超えて
音楽は続く
とどまる場所があ ....
私が君を知ってから
血管のひとつひとつから
香り高く咲き出るように
この肉体は、花となる
私は歩く
今迄よりも、ほっそりと
今迄よりも、まっすぐに
そうして只
....
にょろにょろは横になる
どうして立っていないの
小さなおててで持ち上げちゃったら
にょっ
雪のしっぽは切れちゃいました
あらら ねえねえ
横になっててもいいんじゃないの
恐竜のしっぽって ....
少し早起きした日曜日
気を利かせたつもりで
洗濯をしたら
真っ白だった
タオルやTシャツが
真昼の空のような
とりとめのない空色に染まった
それは一緒に洗った
....
一二の時まで、わたしは発光していました。
ちいさなわたしは
空き地のハルジオンの隙間に落ちていた
たくさんの欠片(かけら)を
拾い集めては、
序序にじょじょに発光していきました。
....
オープンカーでパレード
バラの花道
白いタキシード
皆に幸せをプレゼント
お酒飲んで
タバコ吸って
カラオケ歌って
それが現実
東京都出身の独身男
AB型山羊座
茨城県育ち ....
気がつけば冬のさなか
襟をあわせ
交差点で君を待つ
知らぬ間に季節は
僕の髪が肩に届くほど
遠く過ぎた
誰にこころ奪われていたの?
いつもそばにいたはずでしょう?
誰の幻に焦がれて ....
{引用=
? 白い虹の風景
}
{画像=10071 ....
今日は
夏祭り
何を買おうかな
綿菓子
お面
おもちゃ
焼き鳥
たくさんあるよ
みんなで
踊ろう
盆踊り
しゃぼんだまを
とばしたよ
ふわふわ
風に吹かれながら
飛んでいったよ
赤や
青や
黄色
たくさんの
しゃぼんだまが
飛んでいったよ
何があったの?
どうしたの?
泣かないで・・・。
怖い夢でも
見たんだね
よしよし
大丈夫だよ
さあ
笑ってごらん
ひとりよりもきっと
ふたりきりのほうがいい
ふたりきりよりもきっと
ふたりの間を結んで
黄色いはなうたを
空に奏でる
小さい、小さい
手のひらがあるといい
握り締めることなんて出来ないってわかってるのに
風に翻弄されて舞い落ちる粉雪をつかまえて
その結晶を手のひらに刻み付けたいと思った
この冬最初に降る雪を見たのは
帰省先である少し北の街 ....
今日は雨
誰もいない
ひとりの時間
お茶を
飲みながら
ちょっと
一息
ひとりでいるのだから
こんな時は
音楽を聴くのもいいよね
雨の日の午後
今は
ひとりの
大切な ....
雨が
降っているから
今日は
てるてるぼうずを
作ったよ
二階の
部屋の
ベランダに
つるしたよ
明日
天気にならないかなぁ
鐘が鳴る
誰がために
君のために
鐘が鳴る
未来の見えない晴れた空
今日という日の偽りにさえ
それで君が構わないなら
鐘が鳴る
星が流れる
消えな ....
冥王星から始まって
シリウス、シリウスBへ
カノープスが続く
アケルナルはエリダヌスで
はくちょうにはデネブ
落ちてこないのは ことのベガ
冬のオリオンにリゲル
北極星を見つ ....
日頃の不摂生で
年の瀬に熱を出し
病院で点滴をした三日目
今日、初めて気づいた
点滴を吊るした棒の台車に
歩きやすいよう
掴まる取っ手がついてたことに
昨日、僕は点 ....
視神経が悲鳴を上げる
肺が酸性に降参する
皮膚の断面がずれてくる
もうピントが合わない背骨
ここからが始まりだとは
勝ち目のない戦争のような
この場所から始めるとは
どのような自殺行 ....
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