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冬の風ふく日だまりは
とおい微熱の少年時代
汚れの意を知りもせず
光は淋しい洞窟だった
ああ、12年年3万人の自殺者が
記憶のように消えていったのです
それを恥じずにいられましょうか
....
聖なる夜の歌が聴こえる。
星々が「おかえり」と囁いている。
舞い降りた彼の元へ清廉なる粉雪が降りそそぎ、
母なる大地の息吹きが彼の頬を撫でる。
此の日の ....
音のしなくなった駅
外灯だけの商店街
遠くてまばらな明かり
心たちだけが他人事している
俺はいくつかの影をまとわされて
町にレントゲン写真を撮られている
彷徨のカルテ
車のなかにでも ....
始めは静々と歩み始めた恥掻きっ子は、
獣道を中腰で歩き続けて、
水のある川岸まで
キョロキョロしながらたどり着いた。
川岸の潅木は少し腐りかけていたが、
得意の木登りで川岸に張り ....
私の目の前には道が続いてる
それは平行線と呼ばれる奴で
私は何の気なしに歩き続けてる
淀む事もなく、飽きる事もなく
それは現状を何とか保つだけで
誰の平行線にも交われな ....
起きたら声が出なかった
声と鼻以外からだに異状はなかった
目に見えないなにかにやられてしまったよ
目に見えないなにかに
影響されてしまうだなんて人生みたいだね
人生も風邪のように治っ ....
ちょっと 運転手さん
運転手さんって
あのね
なに? この どこまでも変わらない景色は、なに?
どこの国なの?
どこを走ってるの?
たしかにね サンタさんに ....
それは何かの予言のようで
空の七割は雲に覆われていて
甘く温かいホットミルクに
頑なな心まで溶けて
買い置きしておいたバナナは
黒い斑点だらけになり
みずみずしさを失い
しおれていた ....
あた しが 見ている先
真っ白な ヒカリ 瞬間
恋する 味はきっと
りん ご あめ
歌を うたうために
マイク を 買ったの
壊れ た マイクでいつも
ru ru r ....
防砂林ごしに轟音がしていた
飛行機の離発着のような音だった
愛人と犯罪を完遂したあと
手をつないで夜の海岸に出た
防砂林をぬけると
轟音の正体はやはり海だった
死ぬ ....
{引用=
クリスマスイブの夜、
京介くん(以下K)は部屋にひとり、ベットで、うとうと。
サンタクロースを待ちながら眠い眼をこする。
サンタさんが来るまで起きていたい、そんな子供。
}
....
今宵にみる月は
夕暮れに傾いてゆき
三日月ゆらゆら
縄をかけて揺れていよう
マティーニをかたむけ
かりりと齧るオリーブ
あ酔っちゃった
こぼれていく輝く液体
おぼれていく私
....
{ルビ麺麭=パン}には、バター。
御飯に、味噌汁。
人間も、自らを引き立てる
誰かさんが、必要で。
以前は朗読する僕の後ろで
キーボードを弾いていた君が
ある日、舞台に ....
お母さんのこと嫌いなの?
携帯電話でのやり取りを気にされたのか
調布駅の改札抜けたところで、由紀さんが心配そうに尋ねてきた
母のことかぁ、どうなんだろうねぇ
好きとか嫌いとかそんな物差 ....
枷のひとつやふたつ
あったっていい
どうしようもないと
歯噛みして
ひっかいて
爪たてて
ひきちぎろうと
躯を震わせ
全身で
もがいてもがいて
逃れようとして
そ ....
ほつれた髪を直すしぐさ アルミニウムみたいな海
海は高鳴る心の隠喩だったか 反映だったか
わたしにはもう手の届かないものの換喩だったか
晴れ晴れとしたこころで車を運転する
白い灯台が青 ....
何も考えずに
野原を歩きたい
たくさんの血の雨が
空のかなたから降り注いでも
傘もささずに歩きたい
本当は笑っちゃいけないんだろう
泣いちゃった方が気が楽だろうけれど
どんなにか許しをこ ....
永遠なんて存在しない
全てはいつか消えて無くなる。
変わるのが時間
時間は戻らない。
慰めなんていらない。
信じるものを離さずに
負けない。諦めない。
流されない。
人間である ....
シャボンが ぷ・か・り
ぷ・か・り
洗濯物きれいに
乾いて、乾いて
昼まのお月さん
こんにちは
お嬢さまハンカチの落し物
蜂の大群の大移動
....
降りしきる雪に
運命を委ね
去って行くのですね
白い肌は
景色に吸い込まれ
後ろ姿が美しいから
何時までも見ていた
触れあった
指先の温もり
覚えてますか
手渡しで与えあった
....
ヲウスの心は壊れてゆく
白鳥になんてなりもせず
国から父から捨てられて
峠の大きな大きな木の下で
故郷を想い死んで逝く
ヲウスよヲウス
父の嫉妬に兄殺し、
それを父に疎まれて ....
美しい夜の匂いに身を震わせその全てを溶かすのだ
染み込む様な水の匂いに甘いカラメルの様な薪の匂い
刈りたての柔らかな藁が夜気を含みいっそう柔らかになる匂い
遠くに見えるオレンジ灯りは学校の宿直だ ....
「満月に吠える」
夜中眠りに就いて初めて裸を曝す
歪んだ時系列を跳ね跳び
活きた清涼水を次から次へと浴びる
そして吠える
自分の闇に悲しく浮かぶ
黄色い満月に
「手紙」
....
俺は愛人にロープを買ってこいと頼んだ
じぶんで買うのが恥ずかしかったからだ
いや、正確にいえば
恥ずかしさに耐えるストレスを回避しただけの話だ
愛人はコンドームとロープを買って
俺の部屋 ....
お囃子が始まる
和太鼓/篠笛/摺鉦が
絡み合って
今日は表彰式のアトラクション
小さなホールに響く音は
ことのほか大きく力強い
お囃子の調子に乗って
繰り広げられる足踊りは
艶 ....
ハワイは1年に3cmずつ
日本に近づいてるんだって
と君がいう
うん、いいね
とぼくたちは笑う
9才の君が
どんなに長生きしても
せいぜい3mか、そこら
それでも
いいね、とぼく ....
ぼくらの記憶は愛かも知れない
再会してしまえば
ぼくらの記憶は愛とは呼べなくなる
ぼくらの赦されは
記憶であることが条件なのだ
胸が騒ぐけれど痛いけれど
ぼくら ....
明日、死のう
明日は必ず死のうと思って、今まで生きてきました。
ものごころついたときから、ずっと
ひたすら命を絶とうとしています。
戦争があり、革命があり、
結 ....
いっしょうけんめい人生に絶望して
暖房の効いた部屋で
死にたい
と記してみる
死ねばいいのに
と答える
死にたくない
と泣く
泣くふりをする
涙も出ないのに
....
雪に落ちた足跡を辿り
君を追いかけた
延々と歩きふと気がつけば
足跡は途絶えて消えて
羽ばたきが聞こえた気がして見上げた空から
雪に混じって一片の羽が降る
そう
君は手の届か ....
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