すべてのおすすめ
壊れた機械は修理すれば元通り
きちんと正確に働いてくれる
じゃあ壊れてしまった人間は
どの部品を変えれば治るの?
どう修理すれば人間として正常に機能するの?
....
山の端を染めるは緋色
茜より深くより味わい深げ
もう日が沈むのか
今日という日をだんだんと短く感じていく
山の緑はまだ色を変えない
でも夕暮れの山の端の色は
まるで ....
最近冷蔵庫に
レモンを一匹
飼っていたら
今朝
絞られていた
何か飲むときにいつも
瞬きを忘れるおまえは
俺をじっと見つめながら
こくこく
ちいさ ....
しんしんと眠る森
十五夜の月を映した湖
さらに枯野をすぎて
大地の裂け目から
地の底から
やさしく吹かれた
しゃぼん玉のように
夥しいほどの色づいた想いが
きっと魔法みたいに重力の ....
すゞやかな夜に
泣いている
悲しくもないのに
淋しくもないのに
鳴っている警鐘
遠くへ追いやった想いが
今 まさに
消え去ろうとしてますよ
絡めた指の
....
うちは猫のナッチいうんや
かわいい女の仔猫やで
ご主人様にごっつう可愛がられてるで
うちの趣味はヤモリ捕まえてきて
動かんようになるまで
いじくりまわすことや
他にも ....
秋の絵を描こうと思って
外に出たら
筆を忘れたことに気がついた
これでは紅葉が描けない
真っ赤な葉の中にも
黄色があることを
描きたかったのだけれども
秋の心情を書こうと思って
シ ....
爪からこぼれる蜜の香りは
やさしく手毬に
塗り込めましょう
今宵
千切れてしまう羽はいくつ
枯れてしまう草木はいくつ
夜露は静かに
鏡となって
子守唄がにじみます
いつわりの片鱗 ....
さなぎがさなぎを終えようとする
待ち受ける憂いの数々は
渦を巻く歓びのなかで
やわらかに
刃となる
饒舌なのぞみはいつも
逃れるすべを根絶やしにして
油彩画はただ
鱗粉にま ....
私は水槽の中で目を覚ましました
生きている・・・
私は水の中でくるりと一回転しました
私の小指に
赤い婚約指輪はありませんでした
夢月はどこだろう?
ふと思いました
水槽の外を見ても ....
ふっと ついた ため息が
風になった
風は コスモスを 揺らして
遠くへと 視線の先よりも 向こうまで 吹いてゆく
君 住む 街まで
届くだろうか・・・
君の やわらかな ....
脈を取ると指先に
セミの鳴き声が
伝わってくる
僕らの身体の中にも
駆け抜けていく夏があったのだ
どうかお元気で
手を振り
手を降り返したあなた
あの日に
友だちでいてくれて良かった ....
頭のいい人は頭を使わない
頭を使わないから
頭を使わないことを考える
みんなが考えて
悩んでもできないことを
頭のいい人は
簡単にできてしまう
頭のいい人は
みんなが考えて
....
0 つるべ井戸は出自を探索する
さやさや と
つたう
銀 の
くさり
脊髄を滑り落ち
深淵から香りたつ
気配を辿ると
響くことのない海が
瑠璃に まどろんでいる
そこは
予 ....
「パリーへ二人で行こう」
あの頃は佐伯祐三に焦がれていて
寝物語に囁いた僕の言葉を
君は黙って受けとめてくれた
僕に離婚歴があることを
君は問わないでいてくれた
僕が夢見たパリーの空は
....
こんな闇夜に
待ってるんだ
ティンカーベル
君の為に
窓は開けっ放しさ
ぼんやり伝った
頬の涙は
言葉にすれば
笑いとなって
飛んでいく
そんな類いのものさ
....
どうしても人工のものとは思えない
人のこころに射るような煌きが瞳の内にある
縮れのない/長い黒髪が艶々と生きていた
失うべき幼さを残した神々しいほどの美形の顔立ちに
赤い毒色のルージュと ....
早朝眼が覚めて
飢餓感と不安感で
まだ熟れていない
バナナを
貪り食う感覚
けして美味くは無いのだ
ただ胃袋を満たすだけの
空虚な感じ
遠い昔の{ルビ故郷=ふるさと}で
おちんちん出して川を泳いだ子供の頃を
懐かしそうに語るO{ルビ爺=じい}さん
空の上からそっと見守る
若き日に天に召されたO爺さんの奥さん
....
理由をお尋ねしても構いませんか
無用な物事に慣れてしまえば
あなたの哀しみと同等に
わたしも哀しいのです
涙の理由を
お尋ねしても構いませんか
夕闇のなかを
誰も彼もが急ぎ足 ....
真理に辿り着くには
真直ぐ進んで
横に曲がって
上ったり下がったり
時には間違えて
そこで道を確認して
大切なのは
一度には一つのことしか
できないこと
真直ぐ進みながら
....
突然の{ルビ雷=いかずち}に目を覚ましたわ
隣りにいるはずのあなたがいない
どうなってるのよ
違う女と枕を並べて眠っているのね?
そうよ
あなたはいつだって
私の涙を ....
お婆ちゃんの細い手が
絵葉書に描いた
美味しそうなまあるいピーマン
筆を墨に浸した僕の若い手は
「 いつも ほんわか しています 」
と曲がりくねった字を余白に書いた
お婆ち ....
ひかりの意志は、古い細密画の粗野を洗い、
陰影の微動を深めて、写実を濃厚にめぐらせる。
信仰の果てしない夢を、
高貴な光彩の眩しさのうえに、
振るい落として――。
古典はイスパニアの春を謳う ....
雨が降っていたので
花を買わずに
帰ってきました
色が鮮やかだったことだけ
覚えています
雨が降っていたので
コンビニのお弁当を
食べました
ラップを取るときだけ
なぜかわくわく ....
差別されるのは誰だって好まない
優劣をつけて評価されて判で押される
優越感や劣等感を生み出すことに
何の意味があるのだろう
子供の頃から成績や性格や態度で
差別 ....
勇気は境界線の狭間で
いつだって萎れていくだけで
零れ落ちてしまいそうな気持ちに
ぴったりと蓋をして
伝えなかった一言
感情の起伏のような山並みを
ゆっくりと雲が隠していく
嘘つきな ....
今日は仕事ないから
俺たち遅くまで寝てたっていい
でも空がほら
あんまり青いから
外に出ようぜ
競争だぜ
階段駆け下りて
飼い犬に ....
ただ 届けたかったものが届かない
けれど 届けたことだけ 思い出して
いつか私は 暖かいものがあったと
眼しかつむるものがないこと
瞑る眼が それでもあることに
感謝して
数は ど ....
一・何処までも泳げるだろう
遠くに見える島を目指して泳ぎだした
泳げども辿り着けないその島は
蜃気楼なのだろうか
それでもまだ
辿り着けると信じていた
二・振り返ってはいけない
....
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