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僕はただ、世界に憧れていただけ
僕はただ、冒険に憧れていただけ
あなたを望んだ覚えはありません
− 愛は確かに潰えた
男の心に残っていた僅かな温もりを奪い去る良く晴れた或る冬の日の未明 月光に射貫かれた眠れぬ夜に 愛は国道246号線池尻大橋近くの交差点で潰えた 間断なく走り去るヘッ ....
何事にも関わらず
こだわっていない、と言うのは嘘だ
それは自分を偽っている
それが真ならば、怒りと言う感情はありえないし
その怒りもその実歪曲された性欲だ
「孤独」
僕は孤独に気付いていない様で、
他人の言う孤独とは違う所について孤独に気付いており、
しかし僕が気付いていない所でやはり僕はしみったれた孤独なのだろう
枯葉の様な孤独 ....
君の知らない深い悲しみを
僕は背負って生きている
そして君も僕の知らない過去の残骸に
足をとられては涙を流す
この街のプラタナスも深まる秋の気配に
すっかり色づき始めたよね
....
このパンフルートの音色で
君の過去を知る事が出来るとしても
僕は知りたくないし
このパンフルートの音色で
ふたりの未来を覗く事が出来るとしても
僕は覗きたくないよ
昨夜からの冷たい ....
今夜の仮装は何が良いかな
あなたは狼男で、わたしはバンパイア
君は朗らかな笑顔で
オレンジ色のほくほくを
ていねいに掻き出しているね
ふたつの三角から掻き出したら
お次は大きな四角から ....
ある日見た空に
飛行機雲が白くひかれていて
それが矢印のように思えました
きっとそんなところにもきっかけはあって
感じたままを力の向きに
見上げるその
角度にも
だから
....
待ち合わせに遅れそうな時
メールひとつで済ませてしまう
嘘っぱちの言い訳も
おたがいの顔が見えないから
罪の意識を感じずに誤魔化せる
どこへ行ったか
寂しがり屋の待ちぼうけ
....
嗚呼、
空駆ける鳥よ
見上げる僕は土の人
忘れていたね
空白を埋めずに
時は流れて
小春の今日は
黄色い花びら
薫り立つ
グンっと
背を伸ばしても
その翼には届かない
....
手を放すことだけは
いつもおぼえていた
あの時も あの時も
誰かを見つけては離れ
離れてはまたくりかえす
そればかり
ねえ 誰かわたしを、さがしてくれる?
いつ手をはなしても ....
このままどこか遠くに
崩れ去った瓦礫の影も
砕け消えたあの日の夢も
零れ落ちた君の涙も
汚れ切った僕の心も
乱れ散った桜の花も
....
予想外だった
こんなにも簡単に爆発してしまうなんて
* * * * *
掌の中に包み込むようにして隠していたグレープフルーツは
レンタルビデオ屋の万引き防止センサのゲ ....
もっとあなたの声が聞きたいと
もっとあなたの側に行きたいと
パソコンの画面をずっと眺めている
あなたの顔を見て
あなたの声を聞いて
あなたの肌に触れて
今まで『特技』だ ....
風吹き渡る窓辺で
天使の梯子を見た
低く垂れ込めた雲間から
地へと向かう光の筋を
私は決して清い人ではないけれど
神様は幾度でも許してくださる
清い光が近づくと
怯えてしまう僕は罪び ....
告白します。
ぼくは詩の書けない詩人なんです。
歌わず
炎の中の薔薇のように燃えもせず
気の抜けたペリエのような者に過ぎません
涙でいっぱいになった空から
雫が落ちてくるのを見なが ....
爪が長すぎた
帰り道だった
お寺の前
掲示板
「君は自分が好きか」
でも
私はその日爪が長すぎた
夜が暗いなんて
嘘だと いった
ドイツ人を
知っている 君
僕は始まりについて
考えている
海に向かっての 放尿
平行する放物線は
波のざわめきを
少しだけ 乱す
膨らむ うちゅう ....
果てしない空のように
果てしない海のように
平和は続くのだろうか
いや続かない
続くわけがない
皆 環境が変なのは知っている
皆 どうすればいいか知っている
皆 見たふりばかり ....
「もう 夏も終わりますね」
暮れなずむ空の下
田圃道を歩きながら
家路へと向かうボクの耳に
君は そっと語りかけた
その声は優しくも
どこか切なくて
楽しかった夏の出来事を
セピア ....
消化しきれず吐き出される
無駄な命の残骸を
手で掬い取ってみる
僕は無力で
無力な僕の血が混じった
その残骸は中途半端に溶けていた
近いうち
あなたの血が混じった僕が
吐き出さ ....
夜の漁から戻ってきたとき
さびれた銀のバケツの中に 一匹の{ルビ河豚=ふぐ}を入れました
おじいが売り物にならないと云ったから
じゃあ飼っても良いの と訊いて
まだ おじいの返事がないうちに
....
右と左を足してトシの数で割ったら真後ろになったらしい
上と下を引いてカネの量で謀ったら一面にのったらしい
自然災害が自然に見て取れないらしい
成功者が人格者に見て取れないらしい
....
竹竿の先に灯火をぶらさげて
小さな子から先にあぜ道を歩いて行く
ひと粒の米に
千もの神が宿っていた頃から続く火で
稲の葉を食べる虫を追い払う
のだと言うが
揺れる火はまるで
人魂 ....
乾いた夜のすきまに
星がおちるのをみた
[た]
谷あいの棚田に
焚き火して
鯛焼き食べながら
たまさかの煙草を楽しみながら
大義だなあと狸親父
タナバタさんの竹いるか?と
訊ねるがはやいか
竹林から
たっぷ ....
いつも
大きなはさみが
ぶらさがっていて
ちょきんと切ると
世界は まっぷたつ
燃えて落ちる空
明日も また
ちょきんと まっぷたつ
君の家に続く道の
あの黄色い花は
なんていうんだろう
ちょっと君に似ている
可愛くて
寂しげで
僕は君の横顔を思いだして
心の中でそっと
好きだ ....
都会の街に充満する廃ガスよりも
前方歩く男がふかすタバコの煙が喉を刺す朝
横断歩道の欄干へ両腕広げて立ってみた
隣には数珠繋ぎのカラスの一群
最左端の僕は異端の新参者
道路の川を下る自動 ....
3匹目の獏は道端で
へたりこんでるところを拾った
小さな獏は虚弱体質で
夢はもちろん秘密も嘘も受け付けず
今にも消え入りそうに震えている
私は必死で噂とか言い訳とか ....
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