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煙草を一本、灰にするあいだ
曇りの夜空、見上げているのは
この道で自分がしでかしたことへの
悔いと純情を見つめるためなのだ
風のうわさ、本当にあるんだな
秋の雨はどこ ....
夜の散歩中に迷い込んだ名も知らない小さな神社は
まちあかりも遮ってしまう茂みに覆われている
自他共に認めるリアリストのわたしでも
物の怪の姿を探してしまいそうになり
風で葉がこすれるか ....
朝の薄闇の中
漸く日の光にあたるはずだった蛙は
また暗く深い井戸に
引っ張られ
ボッチャン
暗い闇と死骸の腐敗した臭いの充満した井戸
這い上るはずの壁はあるのだが
真っ暗闇で ....
「あなたたちは鵜飼の鵜だ。
もしくは、
温かい食べ物にラップをして出来た、
内側の水滴だ。
私達が発する言葉を思いを、
ただはね返すだけ。
やる気が見られない。
....
聞き耳頭巾をもらったよ
みみずくさんにもらったよ
ひとには何が聞こえるか
訝しみながらくれました
だけども頭巾をかぶったら
急になんにも聞こえない
きっぱりきーんと耳鳴りの
....
「秋の夜は果てしなく長いのだから」と
あなたは言って
舳先の行く手を確かめながらゆっくりと櫂をこぐ
おとこのひとに体を許す
例え今夜がはじめてではないにしても
月明かりは艶かしく ....
空は夜空ではない
星でもない
宇宙そのものだ
宇宙そのものから
虫の音が
降るように聴こえている
哀しみ
孤独
裏切り
不実
それらは
....
空はどこまで
ってきく君の
求めている答えは
わかっていた
あのとき
君の肩は細くて
花びらを
青い水に散らして
一文字ずつ撹拌する
結実してしまうものが
何もないように
....
母は日々
鏡の前に座っては
黒くて長い
きれいな髪を
時間をかけて
丁寧に
とかしています
幼い私は
後でそっと
覗き見しては
母の美を
子供ながらに
感じていました
....
時々この街ではもう生きられないと
思う事がある
高速道路の重なる部分は
見ていると不安になるし
工場の隙間に走る道は
人気がなくてさみしい
きらびやかなビルは
あの人を思い出 ....
世界を捉え直すために
空を飛ぶ
風を感じる先に開けた風景は
僕を何処に導こうとするのか
星が綺麗だ
どこまでも視線を遠く投げて
どこまでも行くことができる気になっている
なく ....
わたしの思考と身体が
世界と和解していたという事実!
サングラスをはずすと
世界が懐かしい光のなかにあった
サングラスは
ゴルフのときにだけすると決めている
サングラスがわたし ....
朝露の滴る草むらに横たわり
私の身体はがらんどうなのに
脈を打っていた
温もりもわからず
コロンカラン コロンカラン
流した涙は
冷たい石のような音を立てて
深い井戸に落ちた
....
この美しい風景も
友人の笑顔も
何気ない日々も
記憶という泉の中で
いつしか
セピア色に滲んでいくのだろうか……
はじけるようなロック
聞きながら車の中
ラーメン屋にひたはしる
たまにはこんな夜も ね。
メタルチックな音楽に
高速道路の魔法の光
モダンに文明をたしなんでみる
....
青灰いろの
ひかりのなかに愛人が寝ている
そとからは虫の音がしている
その不規則な音を聴いている
家族には嘘をついている
この関係は
肉欲と所有欲だけかも知れない
....
夕暮れ
みんな家路に帰ろうと
一人ぐずぐず
オニのまま
悔しいままで
夕日を睨み
そのまま暮れて薄暗く
ぽつりぽつりと街灯が
道をぼんやり照らす頃
オニも泣き顔拭かぬまま
....
悲しみにはぐれて
頭だけで歩いている
まだ銀杏は緑いろだ
頭も肉体の一部なのに
頭は肉体と比べられている
肉体のほうが信用されている
それこそ嘘だ
坂道は薄曇 ....
不安な気持ちでたまらない、と
夜、入院している父から電話があったので
病院まで行く
今日はリハビリ頑張りすぎて疲れちゃったんだね
そう言って落ち着くまで父の頭を撫でる
その帰 ....
やわらかい陽射しは
私に優しく寄り添う
飛ばした
紙飛行機の行方を追って
昨日は空の果て
私のまるい横顔を
秋風が優しく触れる
ごあいさつしましょう
もう秋ですね
囁く言葉が昼の ....
まだ頭で祈っている
まだ全身で祈れていない
全身全霊だ
頭で祈っていることを体感している、というのもおかしな話だが
全身全霊とはよく言ったものだ
頭で祈っていると祈りは持続しない
....
明日
急に友達で
無くなるくらいなら
また明日って
交わした最後に
次は僕だと教えてほしい
誰かが
....
うちから少し歩いたところに住宅街があった
大通りから出る七本の細い道で構成されており
それぞれの道には一号通りから七号通りまで
安直な名前が付けられていた
小学校に上がって通い始めた書 ....
風に揺れて彼岸花
真っ赤に燃える花びらは
貴方の魂に似て
私の胸を揺らします
寂しいですね
優しかった貴方に
もう会えないなんて
暑さが和らぐ
この季節に
冷たい風に乗って
い ....
遠くばかり見てるね。
秋の夜空はとても澄んでいて
僕の焦点の合わない目でも
うっすらと星が見える
遠くばかり見て歩いてたら
石に蹴つまづいた
気付くと
隣にいたはずの君がいなかっ ....
昌平橋から万世橋へ
川面に揺れる提灯の
その先にある柳橋
ゆらりゆらゆら秋の宵
ガード下には赤提灯
ほろ酔い加減のカラスが数羽
家に帰らず蜷局(くだ)を巻き
その先にある止まり木に
....
話しかけたいというのか 声をかけたいというのか 何て言うのか とにかく 名前を呼びたいのです 別にこれといった用事がある訳でもなく どうしても 言わなければならないことや 是が非でも 聞いておかなけれ ....
あ、
鈴虫が鳴いているぞ
あ、
夜空には、まんまる。――お月様だ
あ、
庭の草むらが揺れた
あ、
眼の光る、狸が一匹。
あう、
あぐらを ....
あの国に住むひとは
薬の常習者が多いそうだ
先日捕まったりしたのも
あの国のひとたちからすれば
仕事の性格上?織り込みずみなんだろうか
ぼくはいま阿Q正伝を読んでいる
そこにあ ....
僕が司会する「ぽえとりー劇場」という
詩の夜で毎回ふるすいんぐする4番打者の存在感で
波乱万丈の人生と難聴障害もろともせずにはね飛ばし
今日という日の舞台に上がる、詩人・TASKEは ....
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