すべてのおすすめ
荒涼とした砂漠が広がっている
空気も乾燥して
じわじわと砂から熱が上がってくる
喉がカラカラだ
なんでこんなに飢えているのだろう
いや何にこんなに飢えているのだ ....
「あなたがいないと生きていけない」
そんな言葉はきっとあなたを縛り付け
雁字搦めにして動けなくしてしまう
あなたがいなくても生きていないといけないね
でもあなたと一緒 ....
彼岸の頃になると
その場所は
真赤に燃えるようでありました
急な勾配の細い畦を上れば
今来た道を遠くまで
見渡すことのできる墓所
形を成さない朽ちた石版と
名も読めぬほど苔むした石碑 ....
君は君にしかわからない
悲しみの空気を読み込んで
そっと手のひらで文字にして逃がす
窓辺にもたれて
涙もこぼさず
僕はこの世界を
少しだけ繋いでいたくて
小さな音で音楽をかけ ....
.。
*
「聴いているかい?
//
。 //
「今、何時だ?
....
隣を歩いていた君の右手が
隣を歩いていた僕の左手と
ごっつんこしたから
僕らはそのままなんとなく
手を繋いで歩いた
映画を見ていた君の手が
映画を見ていた僕の手と
ごっつんこしたから ....
秋がわたしをとおり越す
わたしはわたしを置いてゆく
いつのまにかわたしは
残されたものをふりかえっている
ずいぶんと昔が重なりつづけている
重なったところどころのすき間から
青いものが ....
久方振りの花逍遥
珍く機嫌のあんたから
誘い口説かれ花巡り
両眼遮る石竹時雨
風音ばかりが喧しく
あんたの{ルビ睦言=こえ}も届きやしねぇ
二人そぞろに歩みゆく
外れず違わず迷い ....
一人部屋に佇む
冷蔵庫の機械音に混じって
窓の外から虫の声が聴こえる
それ以外音は聴こえない
静かな夜だ
ぽつんと椅子に座っていると
何だか世界の中に一人 ....
コスモス揺らめくかの丘に
置き去りのままに鐘が鳴る
なにも言わず別れた日さえ風に鳴らされ
君は今は誰かと
夜に沈むのでしょう
明日は晴れです
君なしで始めた暮らしが
君な ....
ささやかな快楽と引き換えに
悪魔に魂を売った男がいた
垣間見せる仕草には
気付く人には気付く冷たいベクトル
遠くで
どこか遠くで暮してみたい
街では全ての人が看守 ....
引越しが終わって
パソコンのコンセントを入れたら
知らない誰かが言うんだ
つなげておいたよって
疲れて帰るとご飯があって
旨そうだなと思うと
知らない誰かが言うんだ
大好物だったよね ....
雨で頭も体も重いから
今日は一日眠って過ごそう
ピンクのタオルケットを
頭から全身被ったら
まるでピンク色のさなぎの様
中から見る色もピンク一色
....
雷鳴が轟き滝の様に雨が流れる深夜
その子はこの世に産声を上げた
喜ぶ父親や親族もなく
母親もこの子を産み落とすと
力尽きてなくなってしまった
この子は一人ぼっちでこの世に ....
風が みえる。
小麦畑が 風の かたちに
なぞられて ゆく・・・
{金色=こんじき}の波は
ささやいて いたのに
なぜ、 わたしは
ささやかなかったのだろう 君に・・・
愛を ....
彼女は二度、嘔吐して、蒼茫とした死者の距離を巡る。
傍にいる三毛猫は、
笑っているテレビを見つめて、溜息をつきながら。
(イラクから自衛隊が撤退するそうだね。
(おばあちゃんはね―。戦争は大嫌 ....
夏の夜に
いくつもの太陽を揺らすひまわり達
仕事帰りの疲れた男に
わさ わさ わさ わさ
大きい緑の手のひらを振る
日々の職場では
密かな善意を誤解され
....
何もない
私の中には何もない
かつて私の中にあったもの
一体何処へ消えてしまったのか
どうして失くしてしまったのだろう
あんなに大事なものだったのに
私の ....
?.
あなたを
あなたのすてきなところを
一日
大切にする
あなたを
あなたの汚れたところを
裏返して
日に透かしてみると
おかしな影ができるから
その影に指で ....
バックする車に轢かれて
空が青いと知ったのよ
それから
しわしわのブルドッグがやってきた
ぱっくり割れた空から
ぽたぽた
青いのが降ってくると思ったのね
息をしながらふたりで待ってた ....
あなたは手慰みの指先で
わたしの身体をくるくる回す
言いなりになんかならない
と思ってはみても
あなたにだけは嫌われたくなくて
股関節の痛みをこらえ
アンディオールのポーズを取る
(わた ....
正直者はバカを見る世の中
それでも自分に嘘をつきたくないのだが
蜘蛛の巣のように張り巡らされた友人関係
一人をたてれば一人がくさる
本当のことを話せば諍いがおこる
修羅場はま ....
部屋の中で物思いに耽り
外で鳴る虫の音を聞きながら
ふと想うことを書き記し始める
書くそばから
一匹の蝿が
頭の後ろで勢いよく飛び回る
ブンブン
ブンブン ブンブン
ブンブン
....
儚い季節/ つかの間の恋
血の滲んだ口元の傷に、
水色のハンカチをあてながら
秋の風/ さまよう校舎の屋上
「君とふたり〜蝶々になって
君が舐めてくれた/ その傷
愛の痛みを知らな ....
渋谷の空はだだっ広い
渋谷の海もなお広い
個人主義の帆をかかげ
ここでは皆異邦人
陸の国家に飽き飽きし
各々独立したのとさ
ちょこっと貿易しませんか?
一日だけでもいいのでね
そん ....
はじめまして
しょっかくもどきです
むしのあたまにはないけれど
さんねんめになります
ネコをみるのがとくいです
どこまでつづいているのか
ときどきふしぎになります
こんなわたしですが
....
ぎしぎしと影の中から
不気味な音が聴こえる
何かが私の中で芽生えようとする
予兆なのだろうか
私は闇に引きずり込まれたくはない
光の中に在り続けたいん ....
{引用=
その触感に硝子は濡れ
窓の向こうに季節の音が訪れた
川と海がきらめきの水に重なり
遠いそこにも
二人だけの神話は秘められている
胸のなかの声 腕のなかの ....
夕闇の
あの色が好きです
切なさをひとつぶ
いとおしさを一粒
弄んでは
つぶすたびに
広がってゆく葡萄色
甘いあまいのは
街の匂い
あなたとはぐれた
秋の匂い
五 ....
果てが薄闇にかすむ一本道
日が昇れば
僕は人を殺しに出かけていく
私が売るものは
身体ではなく情報なのよ
と
凛とした横顔
足首の清々しい青
彼女はコールガール
僕のたった一人の ....
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