すべてのおすすめ
並んで座っている父が
僕にもたれてくる
落っこっちゃう、と言って
体を預けてくる
床から目まで
わずか数十センチの高さが
怖くて仕方ないのだ
ねえ、お父さん
お母さんや僕の ....
掛け軸の後ろにあるものは
じっとしている
いらないと仕切られた上に
何がかけられたのだろう
絵は語るのだろう
字は話すのだろう
ただ外と中を区切り
支えるだけでは
満たされ ....
オンブラ・マイ・フ
もしくは、ラルゴ
あたたかで気高い
それを聴くたびに深遠は近くに
だれも知らない場所で
だれもが繋がっている
かつてこれほど
安らいだ ....
父のベッドのところまで
凪いだ海がきている
今日は蒸し暑い、と言って
父はむくんだ足を
海に浸して涼んでいる
僕は波打ち際で遊ぶ
水をばしゃばしゃとやって
必死になって遊 ....
雨がまっすぐ降っている
女がじぶんのために着飾っている
お金はひとをすこし幸福にしてくれる
お花が時空の先端で揺れている
あなたの風邪が治りかけている
生物も無生物も
....
ニニロッソは
笑っている
やわらかい
トランペットの音
気持ちのいい時間
空間、関係、会話
なつかしい感触
フワフワのタオル
楽しい思い出
楽しい毎日
メトロノームが動いて ....
吟じます
なんて冗談を言うけれど
私の中には日々吐き出す物がありまして
ダラダラしながら戸惑いを軌道修正し
矛盾した世間の中で自分を作り出す
母が亡くなった時は
セ ....
停車場の
傾く白熱球の下
如才無い白兎は、哀れむ赤い目に
お前を食いはしないと
処決の心意を翻せば
喜んで飛び跳ねる
私は、
蛙肉のような
兎のシチューにローズマリーの香りを思 ....
「♪・・・」
「何の歌?」
「秘密」
それが呪文であったかのように、貴方が現れたことがあったわ
「雫のリズムに合わせているみたい」
オルゴールのようにカタカタと哀しい
「これからもっと ....
曇り空のしたで花は
晴れているときよりも
色を立てている
匂いも溶けだしている
晴れているほうが
よいことになっているけれど
晴れだけでは
人生の春秋が富むこ ....
今は遠い貴女へ
身も心も離れた今でさえも
魂だけは
夜毎、貴女へと帰りたがって僕を離れて行くのです
僕を見捨てて貴女へと帰って行くのです
今夜もまた
僕は、魂の脱け殻となり
それでも貴女 ....
Hey, Let it go!
夢の国へ
DCT
好きなあの娘と一緒
ソウメンが伸びちゃうよ
甘いとうもろこし
美味しい新種のみかん
ウメの塩漬け
おばちゃんに追われて
逃げ ....
愛ってなんだろ
ぽつりと吐かれた言葉がフローリングの床に落ちて
それは真っ黒な染みになった
白いワンピース
春色の爪
茶色のフローリング
漆黒の染み
ピエ ....
まるくないから磨くのに
まるくないから悲しんで
磨かなければ磨かれない
あたりまえのことだから
ぼくは血肉で受け入れる
真夏日の夜風なびいてる
お店のひかりが道 ....
夕暮れの
韓国料理店の
店先に
出された
長椅子
の上に
地球儀が
鎮座する
海の色は
リアルに
青く
塗られている
くせに
陸は
ピンクだの
レモンイエローだの
....
アスファルトの照り返しは穏やかではない
24号線沿いのひび割れた歩道を蹴って
いつまでも変わらない信号を見上げる
太陽がもうひとつ増えた気がした
雨と晴れの境目を見つけた少年時代の君を
....
何らかの神経伝達物質によって
あやつられる もろい命
こんな安月給からも取ろうとする税金
などと憂鬱な近頃
久しぶりの天気に思わず見上げた空
大きな青空の中
その小さな ....
待っていてね
今、食事作るから
今日は梅雨が旬の鰯で
蒲焼にするから
タレは
醤油とミリンと酒を
同量が
ポイントです。
笑顔の食卓
楽しいおしゃべり
今日は機嫌が良い
....
ファミレスの床に
男の人が倒れていた
可愛そうだったので
メニューを見せてあげた
チキンドリア、とだけ言って
男の人は息絶えてしまった
警察やお店の人が忙しくしている間
僕はハンバ ....
浮いた光は気まぐれに運ばれているのか
それとも決まった順路を漂っているのか
ただ、示されたとおりに視線を動かす
乾きから守ろうとする瞳は水の膜を張り
鮮明だったはずのものがぼんやりにじむ
....
ねぇ、知ってる?
あの空も
この言葉も
本当は何もかもパプリカなのよ
私の創り出した世界
(レプリカ、と言いたい?
な、なに言ってんのよっ
パプリカよ
決まってるぢゃないっ
....
見知らぬところで
ひとのこころは
てのひらを返したり
大人だからだまっていたり
六月が川面をぎらつかせている
ぼくは見つめている
なにかを吐き出したくなっている ....
紺碧の空はちぎれた
それが青い花になった
だからあなたは
空のしたの青しか信じなかった
あなたのそんなメルヘンを
まもりたいと思った
そう思った刹那から
痛み ....
人の結婚式なんて退屈だ
知らない花嫁さんに「きれいですね」と言い
何度も「あおめでとうございます」と言う
ほんとはちっとも そうは思わないのに
わたしは人の幸せなんて喜べない
なんて心のない ....
空へと放った愛の言葉は
今ごろどこにいるだろう
雨の向こう側から
しずくのひとつを
ふと、思う
空から盗んだあの日の苦みが
髪と夢から香るとき
海はきまって
凪 ....
ひだまり食べてほっぺた膨らまし
オイラも妊娠5ヶ月になったお腹をぽんぽこぽん
メタボメタボとお騒がせも
そよぐ風が気にするわけでもなし
河川敷は川の流れに追いつけ追い越せと
ジョッギング ....
心が安らぐ時間
カラスが鳴き
カカシが笑い
トンボが踊る
大きな太陽
小さなアメンボ
なわとびもって
弟の手をひく
幸せな時代
幸せな心
純粋な時間
愛に満ちた生活
....
カラリ カラリ
氷がゆれる朝
アイス珈琲がにがい
曇った静かな火曜日
勤勉な僕ら
連日の触発に
発酵できそうさ
「せめて美化しないように」
でも ....
白い壁に掛けられた
金の額縁には
名も知らぬ画家の描いた
淡い水彩画の少女
朝の光に透けながら
すきま風に膨らむ
カーテンの窓辺に佇む
黒い瞳の少女
日々多くの人と ....
クラゲの心音がする
放課後
筆箱の中で
黒板消しが羽化するのを
慣れない手つきで私は
手伝ったのだった
ひっそりとした
カーテンの向こう
湿り気のある列車が
外 ....
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