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黒ずんだ木の床にそっと頬をよせる
インクと機械油の匂いが染みついた床は
使いこまれた年月を
なめらかな感触でつたえてくる
古い印刷工場をリノベーションしたと
誰かが言ってたっけ
そ ....
詩集の表紙には闇夜に浮かぶ舟の漁火が、誘導するようにふわりと灯り、
誘われるまま詩集を開くと、霧の中に佇む一艘の小舟の写真が出迎えていた。
山中以都子さんの詩集『水奏』は、もうここから始まってい ....
ページをめくると、150にも及ぶ短編が並んだ入り口に立たされる。
題名はなく整然と数字が打たれた下に展開される世界は、まるでエッシャーの騙し絵に迷いこんだようだ。
5 女の正体が実は額縁で/ ....
服部剛氏の第二詩集となる『Familia』を開くと、そこには温かな潮流が静かに流れていた。
服部剛という詩人は日常の何気ない風景の中から、その温かな視線で拾いあげてくるアングルが、
マザーテレ ....
ギリギリでバスに乗りこむと
最後部の片すみに
ちょこん とすわっていた
同じ塾の子たちと離れ
まわりを遮断するように
本を開いている
「よかった 帰りが一緒で」
となりにすわると ....
たっぷりとあふれんばかりに湛えて
こぼさないように歩く
ネットの海に棲む詩人が紡いでいる
いつまでも色褪せない
磨きこまれたナイフ
のような綴りに痺れ
少しでも掬い取ろうとつかんでも
手 ....
ひとひら
ふたひら
黒い水辺の
むこう岸
藍色の闇に
ふわりと浮かぶ
燈籠のような
花明かり
ひとひら
ふたひら
うろこのような
....
誰の胸の奥
こっそり巣食って
ほくそ笑む
(オイシイノダヨ
奥底のとろけた秘密
舐めたいのさ
なめらかな偽善)
封印された
マメ粒ほどのヤツは
青むらさきの
促進剤 ....
親指でしか語れなくなった
指先が覚えてしまったのだ
無機質な凹凸に触れるだけで
整然とした文字が手に入ることを
まっさらな紙の緊張や
そこに落ちるイビツな文字
との格闘も捨 ....
夜をかさねた底で
かすかに聴こえてくるのは
淡くほどける
ひとしずくの
きらめくゆらぎ
一定のリズムを打つ心拍
冷酷に刻まれる一秒
整然とした規則の中で
とぎすまされた ....
森林の中
ひっそり潜む
小さな月
あさい眠りの
はざ間を泳ぐ
黒い魚影が
ゆらり と
身体をしならせ
ついばんでいく
冷たい魚の接吻に
吸いとられていく
....
少女の面差しで
はにかんだ笑顔で
やさしく騙してあげる
上目遣いで
しなやかな手つきで
やわらかく招いてあげる
ふりむいた横顔
まばたきする一瞬
瞳の奥の冷めた光に
....
あなたが見せたかったという
教会は
天草のひっそりした漁村に
静かに建っていた
教科書でしか知らない
隠れキリシタンの弾圧が
この地であったというのか
何ごともなかったか ....
遠い山の稜線が
水墨画のように
かすんで
ゆるゆると
時間だけが
澱のようにたまっていく
さがしているものは
光りにはじける 青
とろりと熟した 赤
なげだされたキャンバ ....
五線譜に引っかかっている
音符をひとつ
つかんで
鍵盤に落としてみた
小さく高く弾んで
涙のしずくに
変わってしまった
やさしく
なにか語ってくれると
思ったのに
....
青白い紫煙の行方を目で追う
あなたは煙草をくゆらせながら
目をとじて流れる音楽に聴き入っている
ゆっくりとした甘めのバラード
暗黙の了解の時間・・・
わたしはあなたとの距 ....
闇の中に光を見いだせるのか
そのしなやかな旋律の調べは
木々のざわめきを語り
小川のせせらぎを歌う
繊細な指先から放たれる色彩
鼓膜を通して描 ....
少女のころに作った 綺麗なビーズの首飾り
無垢だったあの日の記憶をたどり
ひとつひとつ 大事に
糸に通すように 言葉をつなげる
どの色のビーズにしようか
迷いながらも 真摯に選んで
こ ....
佐野権太さんの渡 ひろこさんおすすめリスト
(18)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
かんばんむすめ
-
渡 ひろ ...
自由詩
22*
10-2-15
山中以都子詩集『水奏』
-
渡 ひろ ...
散文(批評 ...
5*
10-1-5
詩集『月光苑』大原鮎美
-
渡 ひろ ...
散文(批評 ...
6*
09-9-14
服部_剛第二詩集『Famila』
-
渡 ひろ ...
散文(批評 ...
7*
09-5-27
塾帰り
-
渡 ひろ ...
自由詩
26*
08-9-22
ネット遊泳
-
渡 ひろ ...
自由詩
23*
08-6-10
夜桜
-
渡 ひろ ...
自由詩
20*
08-3-31
MAJIN
-
渡 ひろ ...
自由詩
7*
08-2-4
メール症候群
-
渡 ひろ ...
自由詩
29*
08-1-7
1/fのゆらぎ
-
渡 ひろ ...
自由詩
24*
07-12-26
月をついばむ魚
-
渡 ひろ ...
自由詩
30*
07-10-28
少女の眩惑
-
渡 ひろ ...
自由詩
8*
07-9-18
彼の地_天草にて
-
渡 ひろ ...
自由詩
9*
07-8-8
夏の残像
-
渡 ひろ ...
自由詩
16*
07-7-25
五線譜からの囁き
-
渡 ひろ ...
自由詩
14*
07-7-11
音楽と紫煙とあなたと
-
渡 ひろ ...
自由詩
9*
07-6-25
盲目のピアニスト
-
渡 ひろ ...
自由詩
10*
07-5-25
言葉のビーズ
-
渡 ひろ ...
自由詩
6*
07-5-10
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