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「旅人よ
うしろには
できたばかりの
道がある」

道はあるけれど
道は何も語らない
歩いてきた道を
ふり返って見つめたりはしない
つぎの一歩をふみだすたびに
その前の一歩は
 ....
こざとおおざと
大阪の部屋にいて

月へん肉づき
服薬する脳

さんずいさんづくり
混沌を彫る

ひへんいわく
時間は書けぬ

くちくにがまえ
存否の因縁

にんべん ....
握る拳のひとつ
力を
力を
みなぎらせ

踏出す脚の一歩
遠くへ
遠くへ
つながらせ

ささやきを叫びにして
この存在を
主張するのもおこがましい

さみしさを晒け出し ....
  「恥の芯」


生きているのが恥ずかしい
死ねないことが恥ずかしい
しょせん価値など求めてないが
恥ばかりの道のりで
消えてしまいたくもなる

過去は去るまま
未来は白紙
 ....
生まれぬ仔を
待望して止まないように
生まれぬ言葉の
形なき存在を想う

非存在という
存在のありかた
存在なきことは
ひとつの救いでもある

発そうとした言葉を
失いつづけ ....
ぼくは待つ人
何を待っているかも
わからないけど
ぼく待っている

待つもの来ずとも
待つ心のありかたで
有為も無為も
意味をなし得る

意味といえども
無意味な本質
本質 ....
重みのみ
かたどられて
古びたソファに
なお
居つづけるものあり

存在しないことの
実在
居つづける
無きもの

その日の窓枠が低すぎたので
思惑どおり
その人は落ちて ....
知らない街に居た
いやよく知ってる街だった

移ったばかりの部屋の
窓際に
くる日もくる日も座っていた
窓際に立つと眩暈が起こるので
窓際に座っていた

これは一つの逃走だった
 ....
しぃつがしろいな
しょうどくとがぁぜのにおいがするな
なにかにつながれているな
なにかのきぐがこきゅうしてるな
つめたいがあたたかい
まどがあいたな
かぜがふいてるな
はながさいてる ....
「希望の氾濫のなかで
 僕は溺死しそうだ」

という言葉を
何かの本で読んだ
実際僕は
無邪気で無責任な
愛すべきキボウのおかげで
かろうじてなんとか生きている

僕の小さなキ ....
僕には何かが見えている
例えば
ときどき視界の隅を横ぎる
小動物の残像
虫たちの群がり
風の色
人々の悪意

悪魔の顔だ妖精の舞いだ
僕には聞こえるのだ
内なる声の
閉じこめ ....
額ぶちを
ばさりと
鳥が斜めに横ぎった
びくりと
骨ばった視線の止まる
瞬間

空腹も満腹も
傷口もかさぶたも
窓の光に
照らされる

額ぶちの
向こうからの光に

 ....
切迫した最期の
夏の到来は
記憶の中でぶよぶよしつつあって

ゆっくり弛緩しつづける
こよりみたい
つづく夏を重ねるたび

もはや静止でも
昂ぶりでもなく
無為のまま指先にふれ ....
緑波立つ
一面田の面
太陽真上に
正午の沈黙

見時葉の月
一よう多様
大気の底で
焦土の地が沸く

あの夏の日々
われを失う
瀕死の乱心

あの夏の日々
割れる脳内 ....
ピルキュルと
遠く鳥の飛び交うのを聞く

重ねて飼い犬らの間歇的な
へだてて呼び合う吠え声が

窓は笛の穴ともなって
聞かせるつよい南風

〈なにものでもない耳の人間〉

例 ....
あつくこく
たかぶりゆく盛夏

うごめき
上昇気分

厚く濃いこの空気の中ひそやかに
偏在しているエアポケット

ひとり
静寂の中にとりこまれて

ぽたりと汗のひとしずく
 ....
すらりくらりと水面を這う
無音のみずおと

昨日でなくあすでなく
今日を這う

身をくるむ水流
撫ぜて去る矢印の群れ

ふとぷわりと
空気を割る一個の頭で見渡せば
未来はらん ....
ブレーキかける
下り坂
スピードつけて
おりてもいいが
無駄なちから使って
失速させるもよし

苦しまぎれの
上り坂
後退しては
またのぼり
ぎりぎりいっぱい
出すちから
 ....
クリ返シ、クリ返シ
とつぶやいてみる
くり返すというわけではないのだ
名状シガタイモノ
匂い、のようなものだろうか
苦しげなうわごとだ

夏が来たのだ
夏の匂いがしたのだ
まもな ....
むんとたちこめる
空気の塊
固まりをほぐす
風のかざめき

きゅんとつきあげる
胸裡の高なり
耳鳴りをほどく
指のかぎさき

一筋の広大な
天空の川のように
星ぼしはかがや ....
この真昼
かいま見る
白日のさなかに
真夜中の闇
見てはならぬものを見て
見ぬふりをしたくなる
光の中に
あってはならないはずの
漆黒のかげ

光はあるのだ
たしかにあるのだ ....
あがきを止める
そして融け合い始める内と外

閉じた内は詰まっていく
開く外には主体がない


内と外の融合は
宇宙一体いだき込む

すべてのものは有るがまま
ひいてはすべて ....
僕らの道を
導くのは遠い
羊の瞳
冷たく澄んだ
あおい水が
てんてんしたたる
僕らの道と
それから血管

僕らの道を
導く導火線
あかく燃え立つ
みずうみの重みも澄み
そ ....
良質の音楽の
流れるラジオ
ありがちな詩集片手に
窓際座る

シュンタロウ氏は
宇宙人のようだ
リュウイチ氏は
格好いい酒呑み

マーシー氏は
詩をよむに違いない
ヒロト氏 ....
はたらく人の手
大きな手
油まみれの
重みのある手

その大きな
たなごころで
わたしは撫でられ
育まれ

はたらく人の手
素敵な手
物をうみだす
魔法の手

岩のよ ....
薔薇の花弁の道から
幼子は現われてくるのだ
父の一滴の涙と
母のうめき声のもとに

遠いはるかなところから
一つの言葉はやってくるのだ
父なるものの死と
母なるものの無のもとに
 ....
式もひととおり終わり
厳粛な空気も抜けて
片付け始められた斎場の一隅では
親戚連中がくつろいでおしゃべりしているところで
ちょうど叔母さんが
   うちのおじいさんがガンで死ん ....
思考推考
考え抜いてる酩酊状態
それでもやはり
風は吹く

無為無意味
価値無き生の営み
それでもやはり
風は吹く

かわいた風吹け
心を濡らす
抒情はいらない

野わ ....
そして僕らは花になる
かぜをこじらせた
こけそうな道
鼻緒もきれそうな
しゃっくりの道

そして僕らは花になる
ぐるぐると
小さな羽虫が
無意志に飛んで
清楚な花びらも地に落ち ....
荒れ狂う海の面前
母なる海よ
母なる大地
そのふところに
僕は立つ
母なる空の夜の星
漆黒の空を僕は見上げる

僕はどこへ行くのだろう
ふるさとよ
無よ
僕はどこへ
帰って ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- シホ.N自由詩512-4-11
大阪にて- シホ.N自由詩212-2-25
尖鋭- シホ.N自由詩512-2-12
恥の芯__恐怖心- シホ.N自由詩612-1-30
存在の秘密- シホ.N自由詩612-1-20
待つ人- シホ.N自由詩6*12-1-4
座る非在- シホ.N自由詩5*11-9-22
窓際の眩暈- シホ.N自由詩311-9-4
植物人間- シホ.N自由詩311-8-25
キボウ- シホ.N自由詩311-8-22
リアリティを追って- シホ.N自由詩311-8-19
- シホ.N自由詩411-8-16
夏の晩年- シホ.N自由詩411-8-13
八月- シホ.N自由詩611-8-7
耳の人間- シホ.N自由詩311-8-6
盛夏の中の静止の音- シホ.N自由詩211-8-4
クロール- シホ.N自由詩3*11-8-4
坂行くちから- シホ.N自由詩311-7-26
異邦人の夏- シホ.N自由詩411-7-16
七月- シホ.N自由詩211-7-12
狂気の冷徹- シホ.N自由詩511-7-11
生きる勘- シホ.N自由詩211-7-9
導き- シホ.N自由詩511-7-7
ラジオと詩集と窓際と- シホ.N自由詩7*11-7-4
大きな手- シホ.N自由詩411-7-2
一つの言葉- シホ.N自由詩3+11-6-29
とむらいの逸話- シホ.N自由詩411-6-27
風吹け- シホ.N自由詩311-6-24
僕らは花になる- シホ.N自由詩611-6-22
母なるものの前に- シホ.N自由詩211-6-19

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