すべてのおすすめ
  寒い日は
  煙草を一本吸うことも
  悲しみに沈むことも
  完璧すぎるほど完璧なのです



  だから、なるべく
  傷を負わないように
  躓いたりしないように
 ....
  暗い夜には
  一羽の鳥がやってきて
  私の口に潜り込むと
  枝を使って舌根の辺りに巣を作り
  数個の卵を産みつけ飛び去ってゆく



  朝、私の舌で
  殻を破 ....
  まるでこの世の始まりから
  僕を待っていたように
  茶色い床に君の
  十二枚の写真が散らばっている
  秋の風が窓の外で
  穏やかにはためく午後
  僕はグラスに冷たい ....
  きこえる



  ひかりがきこえる
  波打ち際に
  わたしは耳を置いてきてしまった



  遠い日の
  あなたが歯をみせて笑ってる
  くりかえし
   ....
  世界にはたくさんの場所があり
  たくさんの営みがおこなわれている
  その日、僕が
  することを選んだのは
  床屋に行き
  髪を切ってもらうこと



  ひどく ....
  突然
  女の胸が
  扉のように開き
  細く
  こわばった
  いくつもの指たちが
  ぼとぼとこぼれた



  モネの指
  キースの指
  アルゲリッチ ....
  一組の対句が
  狛犬の像さながらに鎮座しているのを
  ベンチに掛けて眺めている
  だがその奥に控える本堂はどうだ
  冷え冷えとした静けさは
  推敲を重ねられてゆく
  ....
{引用=  ――Raymond Carverに}

  男の頭を
  少し傾けるとレイに
  もう少し傾けるとアル中患者になる



  注意深く
  あなたは頭を傾ける
  朝
 ....
  透明な空に
  透明な取っ手



  空を開けると草原があった
  草原を開けると発電所があった
  発電所を開けると僕があった
  僕を開けると藍色があった
  藍色 ....
  実りすぎたのだろう
  夕暮れ
  ぼたぼたと光は落下し
  夏の川に
  鈍く奏でられる



  水は鳴り
  子等も響く
  夏の川は
  ひとつなぎの譜面とな ....
  新緑の木々と風が
  奪い合うように睦み合うそばで
  夕暮れの光とあなたが
  隔て合うように惹き合っている



  もしも生まれ変わることができたら
  同じ時に同じ ....
1.社会


  職場に社会があり
  学校に社会がある
  家庭に
  託児所に
  公園に社会がある

{引用= 夕餉の時間
 うつろなサイレンとともに
 社会の ....
  はっきりしろ
  雲をみているのか
  {ルビ理由=わけ}をみているのか



  おい
  はっきりしろ
  おれをみているのか
  肋骨をはぎ
  {ルビ呼吸=いき}をみて ....
  唄うもの
  唄われるもの
  輪をなし
  浮かんでいるだけの
  此処



  犬の夢
  維管束の音
  電子たちの
  青い鬱



  在れ
  ....
  深夜のマクドナルドで
  僕はつい、
  百語めでつまづいてしまう
  別れとかこの先とか
  そんなテンプレートの途中
  僕はつい
  踵返して逃げようとしてる
  おまえは ....
  日曜日、
  くさかんむりの広がる野原で
  ピクニックをする
  あなたは適当なところに
  持ってきたもんがまえを敷いて
  ここに座りましょうという
  おべんとうよ、と
 ....
  

  なにもかもが縺れた朝に
  六月が
  しくしくと雨を浴び
  痛い痛いとさけんでいる



  犯罪者もペテン師も
  愛しきも憎きも
  背に負って
  痛い痛 ....
  出る幕ではなかったのだ



  悲しみも
  砂粒のごとき憐憫も
  わたしの心の切れ端ごと
  烏に啄ばまれるがいいのだ



  それは景色ではなかった
  累々 ....
  晴れた日は外に出て
  あなたの言葉に
  二本の足を貸してあげよう
  ヘッドフォンは
  はずしちゃいなよ
  晴れた日は
  言葉の散歩に行こう



  なだら ....
  あなたの
  からだの
  どこかにある



  おおきな
  おおきな
  おおきなうみ



  ちいさな
  ちいさな
  いまは
  ちいさなぼくだ ....
  ああ、愛することは
  とても難しいな
  つまらないことで
  笑うのも泣くのも
  馬鹿には出来ないな



  ねえ、僕はうまく
  僕をやれているかな
  つま ....
  きいてね。
  きいたこと、あってもね。
  うるさいだろうけど、ね。
  ねぇ、きいてね。



  きいてね。
  その耳たぶでね。
  もっと奥のほう、
  まごころ ....
  空色の
  ポリバケツに
  堆積する



  首を
  寝違えた詩人の
  寝違えた詩



  綺麗で
  あくまで綺麗で
  読む気がしないほど綺麗だっ ....
  日が沈むと駅は
  生きるものの
  蒸れた匂いで一杯になる



  人々はそぞろ歩き
  鴉が飛んでゆく
  何もかもが
  草臥れてしまったようで
  それでいて
 ....
  朝が降り
  からからと
  ブリキのバケツを揺らすと



  ふいに
  言葉がかなしくなって
  ぼくはきみの舌に
  しずかに鋏をいれた



  泣かな ....
beebeeさんの草野春心さんおすすめリスト(25)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
寒い日- 草野春心自由詩8*12-1-23
- 草野春心自由詩11*12-1-21
レンズ- 草野春心自由詩21*11-11-24
きこえる- 草野春心自由詩911-9-9
稲妻- 草野春心自由詩15*11-9-1
イストの指- 草野春心自由詩411-8-1
読むこと- 草野春心自由詩211-7-30
傾ける- 草野春心自由詩6*11-7-23
抽斗- 草野春心自由詩6*11-7-14
夏の川- 草野春心自由詩4*11-7-4
転生- 草野春心自由詩5*11-6-27
思想シーソー- 草野春心自由詩711-6-25
かんかく- 草野春心自由詩411-6-12
芝生- 草野春心自由詩411-6-11
僕はつい- 草野春心自由詩3*11-6-9
くさかんむりの広がる野原で- 草野春心自由詩26+*11-6-5
六月の背中- 草野春心自由詩511-6-1
- 草野春心自由詩4*11-5-28
言葉の散歩(あるいは、詩の作り方)- 草野春心自由詩4*11-5-26
くじら- 草野春心自由詩7*11-5-24
つまらないことで- 草野春心自由詩5*11-5-21
ね。- 草野春心自由詩17*11-5-18
捨てられた詩- 草野春心自由詩13*11-5-8
駅_2- 草野春心自由詩411-3-26
- 草野春心自由詩4*11-3-21

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する