いたずら+イタ・ヅラ
乱太郎

いたずら  乱太郎

眠りを知らない時の神
人間の右回りに活動する肉体の細胞核は
騙された睡眠薬だ
無限に生きる術は夢で踊り
永遠の門番から渡された片道切符の切れ端の上で
一喜一憂して果てるのみ
砂時計をひっくり返して欠伸するのが見えない



***
イタ・ヅラ  唯果

頭髪を知らない北の人
神の左巻きのつむじがデリートした毛根は
戻れない運命だ
有限で死ねる現は夢ではなく
永劫のハゲ呼ばわりから逃げるための口上の上で
七転八倒してイタむこともない
ヅラをひっくり返して干しているのが見える



自由詩 いたずら+イタ・ヅラ Copyright 乱太郎 2014-04-16 16:36:17
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