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旅先の小倉のホテル十一階
レストランで朝食をとっていたら
目の前のガラスの向こうにゆらゆらと
緑に光るカナブンが飛んできて
ハムをくわえた僕をのぞいて降りてった

「 よくもまぁこんな高い ....
めじるしをつくって
いえのそと
まどからみえるところにおいた
とおりがかったひとたちは
かんさつしたり
すきなばしょへうごかしたりした
かぜでたおれると
だれかがおこしてくれた
いろん ....
夏の終わりの淀川の河川敷の芝生は
生臭いほどの濃い緑に染まっていて
月曜日だというのに
真っ昼間からビールを飲みながら
バーベキューなんかやっているロクデナシどもが
ロケット花火を打ち上げて ....
ひまわり畑の上を
一羽のペンギンが羽ばたいていく
僕はその意味がわからないまま
男の人と手を繋いでいて
見送るより他なかった

ぎゅっと握ると
男の人の手は少し汗ばんでいて
何 ....
消えたカラダを
拾い集めに
旅にでる


ゴミあさりして
錆びた鉄板を胴とすると
腹からピューピュースキマ風

コンクリートの下から
生えている草を指にすると
たよりなくふにゃり ....
ふと声をかけてみた
その外国人は
「ロマンスカー?」
と言って
少し笑った
新宿駅西口で

そうなんですよ日本には
ロマンスカーがあるんです
ロマンスカーはみんなを乗せて
ロマンス ....
「あとにのこされたもの」

雲の隙間から
羽毛がこぼれおち
風にのる
海峡を渡り
山脈を越え
遥かかなたの砂漠まで
幌馬車が届けられない
あの砂漠まで

「月は地球の衛星である前 ....
母さん。


初めてぼくが笑ったのは、いつですか。


母さん。


ぼくに初めて友達が出来た日を、覚えてますか。
初めてぼくが熱を出した時、大変だったでしょう。
母さんのお粥は ....
僕らが歩き出す衝動は
希望なのかもしれない
その過程でいくつかの
意味のようなものを口に含むけれど
次々と廃棄しなければならない
進めば進むほど薄くなるものを感じながら
やがて一番 ....
夜が映画を観ながら泣いている
僕は声をかけようかどうか迷う
夜のことはよくわからない
「アポロ、死んじゃった」
としゃくりあげている

ロッキー4
かと思ったがプレデターだった

夜 ....
ふっ、
   ふっ、と、
        ふれてゆく。
静かすぎる夜に、
綿毛の意志を運んでゆく。
日にさらされて、
火にあぶられて、
またもやさえぎられて、油っぽい焦りだ。
ふう。
 ....
ゴッコ

お互いの足首につけた
紐をひっぱり合う遊び


ゴッコ

慎重さが足りずに
森の中に迷いこむ遊び


ゴッコ

僕の欠落した部分を
君が木の根元に隠す遊 ....
あたらしい朝がきた
希望の朝だ

夏休み3日目
寝ぼけた目をこすりながら
ラジオ体操

   喜びに胸をひらけ
   大空あおげ

  「おはようごさ ....
夜の漁から戻ってきたとき
さびれた銀のバケツの中に 一匹の{ルビ河豚=ふぐ}を入れました
おじいが売り物にならないと云ったから
じゃあ飼っても良いの と訊いて
まだ おじいの返事がないうちに
 ....
輪郭だけをのこしたまま
あのひとがいなくなってしまったので
いつまでもわたしは
ひとりと半分のからだで過ごしている


明かりの消えた部屋で ひとり
アルコールランプに、火を点ける
ゆ ....
サハラ砂漠で夏眠中のカエルは
とてもつらい

遊牧民に掘り起こされ
厚い安らかな粘膜のシートを
乱暴にこじ開けられ
たっぷりと溜め込んだ皮膚の水分を
絞りとられるのだ

たいせつ ....
3分遅れている時計は、決して正確な時刻を刻むことはないけれど
止まった12時間表示の時計は一日に二度も正しい時刻を告げます

ならば止まった時計のほうがより正確なのでは?
そう勘違いして死んで ....
まずは輪郭線を消すことから始めよう
となりの色にぐっと近寄って
どこまでが目で
どこまでが鼻で
どこまでが口か
わからなくなってきたら
どこまでが自分で
どこまでがあなたか
わ ....
頑丈なこころを
作っとこ

あの子から、待ちかねた連絡が来て
あんまりにも待ちかねていたもんだから
つい、嬉しそうな声、出した途端に
「ごめん忘れてた、やっぱダメだ」

それが、金曜の ....
か細いわらの詩人が
明るい月の下
カバと話した

「僕の詩を読んでくれよ。
これが僕の他愛ないけれど、
たった一度の人生なんだ」

カバは当惑しながら読もうとするのだけれど
ちんぷん ....
あまがえる
あまがえる
こんな午後にはあまがえる
とろりとおひさま
くびすじからせなかまで膜をかぶって
どこにも行かれない午後
あまがえる
 
あまがえる
あまがえる
こんな午 ....
まだ幻になるには早すぎる夏

したたる汗を拭きながら
影を引きずってみる

昼下がり
気がつけば青信号は点滅し
横断歩道は白くアスファルトを削っている

そしてゆらりと
行き過ぎる ....
”管制塔
 管制塔
 
 わたし、もう大人です”


インカムをつけた父親たちの
腕組みと低調な呼吸音
誰かが返答をしなければならないが
彼らは呆然という姿勢で腰掛けたまま
 ....
汗染みだらけの帽子を目深に被って
叩きつけるような陽射しの中
スーツ姿のサラリーマンの流れに逆らうように
足早に歩くあなたを見かけました
頬には汗が幾筋も流れ
まるで涙のように見えました
 ....
ベランダにおいてあるトロイは
食器棚の形をしている
ガラスがはめ込まれ
割と質の良い木材が使われていて
中には食器が入っている
その食器はぜんぶニセモノ
ニセモノだけどウエッジウッドにしか ....
発泡スチロールの上にカニの羅列
軽ゆでされた朱色の甲羅
白い皮膜に覆われた瞳
蛍光灯が囁きかけても光映さず

真ん中の一匹が買い物客に浚われる
手足は凍り無抵抗
投げ込まれるかごの奥
 ....
君は芝生の上でバランスを取る。


一糸まとわぬ露わな姿で
豊かな乳房を宙へ向けて解放つ。


日差しは、もう秋の方に傾き加減で
夏の終わりを告げている。


時代の息吹を君は背 ....
あいつらの
最後のライブのDVDを
いまだに観ることができない

封も切らないまま
CDといっしょに
ラックに並んでいる

もう
とっくに終わってるってことは
知ってるけど

 ....
晩ご飯を食べようと牛丼屋のドアを開くと
レジの横で店長のおばちゃんが
「生活の重荷」を背負うように細身の背中を{ルビ屈=かが}め
書類を{ルビ睨=にら}み何かを書き込んでいた

厨房では新入 ....
もう良いことなんか何も無いから
デザートを食べよう
甘い
甘い
デザートを食べよう
何がいいかな
さあ並んでちょうだい
プリンやゼリー(でも、少し物足りない)
シフォンケーキ(ぼそぼそ ....
あおばさんの自由詩おすすめリスト(13130)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
虫の知らせ- 服部 剛自由詩205-8-23
めじるし- アンテ自由詩705-8-23
水色の花- 大覚アキ ...自由詩505-8-22
秘密- たもつ自由詩1605-8-22
ブリキのひびき- 石川和広自由詩5*05-8-22
ロマンスカーの幽霊- チアーヌ自由詩25*05-8-22
Saudade.- 芳賀梨花 ...自由詩14*05-8-22
遺言- なるせ自由詩10*05-8-21
すいか- たもつ自由詩20*05-8-21
アポロ- 投稿者自由詩4*05-8-21
夜、ふれてゆく。- 岡部淳太 ...自由詩9*05-8-20
ゴリムチュウ- Monk自由詩405-8-20
面倒くさい夏休み- 初代ドリ ...自由詩8*05-8-20
河豚(ふぐ)は飛ぶ- 日和自由詩14+*05-8-20
透明な宿題- 望月 ゆ ...自由詩65+*05-8-20
スキアシガエルの入定- The Boys On ...自由詩12*05-8-20
ねじ式- クリ自由詩10*05-8-20
5限目は美術の時間- 牧村 空 ...自由詩5*05-8-20
ガムテ- うめバア自由詩405-8-20
上弦の月の下で- けんご自由詩9*05-8-19
あまがえる- 白糸雅樹自由詩10*05-8-19
陽炎- ベンジャ ...自由詩13*05-8-18
少女飛行機- Monk自由詩1205-8-18
晩夏- 大覚アキ ...自由詩1205-8-18
ベランダトロイ- チアーヌ自由詩105-8-18
カニ購買- kw自由詩3*05-8-18
裸婦像- 恋月 ぴ ...自由詩15*05-8-18
LAST_DANCE- 大覚アキ ...自由詩405-8-18
牛丼屋にて- 服部 剛自由詩4*05-8-18
今日のデザート- チアーヌ自由詩805-8-17

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