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私は死んだので
私の体を抜け出した
いつか死んだらきっと飛べるだろうと思っていたから
私は飛んだ
町中を飛び回った

何人かの人と目が合った
けれど何も尋ねられなかった
飛ぶことができ ....
花園があり
その花園といえば
花園としては十全だが
花園以外の何にもなれない
なれるとしたら荒地ぐらいだが
豊富な栄養が土壌に染み渡っているし
絶えず花園に惹かれ
花や土に手を入 ....
梅雨明けを待てずに
空は青に切り開かれて
ホウセンカの種が飛び散る

新しいサンダルが
小指を破って
滲んだ痛みは懐かしい夏

種の行方を見つめ
きみがいない、
そんなことをふと思 ....
猛禽がゆく
絞めつけるように羽ばたいて
海を捨て
空を切り分けた
陸に住めなかった
みずからのつばさこそが病

うしなった爪で
満ちるうつろを掴み
嗚、と
ひとこえを残して
猛禽 ....
鳥籠の空洞
闇雲に掴む
扉の把手
開け放つ
昨日の私
不調和の貴方

贄として
供物として
間引きを隠し
明日も知らされず
泣く意味も語られず

盈月を括りて
捧げるのは
 ....
風船が
割れなくなって

空が
割れて

閃光星の隣まで
来てしまった
息の代わりに
靄を吸う

風船の中は
温かい未来で
階段も天井も
白く

湿ったものは
どこに ....
死んだ人々の霊が
自然の事物に宿るように
僕に忘れられたものたちは
自然の事物となるのかもしれない
僕が忘れてしまった
初めてプールに入ったときの記憶は
山道の苔となって
ひっそりと生き ....
 
安東{ルビ史継=ふみつぐ}(二十六歳)と
高柳ロワ(十六歳)は
バレエを通じて知り合った恋人同士
「ロミオとジュリエット」のように
悲しい物語は持たないけれど
「安東とロワ」と呼ばれて ....
森羅万象の苦痛の叫び声が聞こえてくるよ
大変だ 誰か宇宙に助けに行かないといけない
万物とはかけ離れている世界 iPodの曲を聴きながら真っ青な空に浮かぶ染みのような宇宙をみて思う
でも叫び声が ....
腕を切ったら
赤い温かい血が流れて
ああ、こんなに温かいのに
体にあるときは気づかない

私は思って
そんな風に思って

湯船に世界地図のように広がる赤い水面に
行って ....
ねえ、
地下鉄の中の私の中の
柔らかい容器を満たすアルコールの中でゆらゆらする
ぬるい両生類みたいな内臓が既に私を憎むことを始めている
グヮ、グヮ、グヮ、そうだ ....
桟橋に立ちながら
ゆれる火を見る

歓声とともに
キリコが海に投げ込まれる

帰っておいで
と誰かが言う

とっくに消えてしまったものが
ぽっ と灯って
じゅっ って
 ....
ガラス窓が
ごつん、と鳴った
振り向いたら
何かがぶつかって
怪訝そうな顔をした
ガラス窓がいた

蝉が死んだのだ
わたしはそっと拾い上げて
犬にやった



窓の外には
 ....


わたしの住む町にはトンネルがある
トンネルはぽっかり口を開いて
雨の日にも晴れの日にもただ
怠惰そうに横たわっている

トンネルってなんだか産道みたいだ
トンネルを通り抜けるとい ....
数え切れない鰭
折り畳めば

潜水艦

そんなヒーローになれた

鰭の中には
鯨になりたかった証が
厳かに詰まっている
おそうめんを食べていると
だんだん体が軽くなってゆくようだ
でも夏はあまり高く飛べない
空気がにごっているからだ

わたしはお座布団の上で正座したまま
少し浮いて
おそうめん ....
よく泣いた次の朝に小鳥が鳴く
風が叫んだ日には雪が降る

これらの振動は全て僕に伝わる
それから脳によって指令をだし指に伝え文字を書く

そこにつながりを見出して少し安心した

夢はい ....
 
 
31

世界が坂道と衝突する
アゲハチョウの羽が
誰かの空砲になって響く

内海に
大量のデッキブラシが
投棄された夏

遠近法のすべてを燃やして
子等は走る

 ....
じっとりと雨に濡れた夜の草の匂いが外からする
窓は閉め切っているのに 雨も降っていないし 夜でもないのに 外に草むらがないのにだ


裸足で大都会を歩いて抜けて郊外に出ると風に新幹線に乗って ....
うっかり昼寝している間に
半開きの窓から
しちがつの祭りが逃げていった
あわてて町中を探すと
黒山の人だかりがあり
かきわけて中に入ると
側溝に落ちたしちがつの祭りが
救出されているとこ ....
気の抜けた

サイダーみたいな夏

梅雨は

まだあけない
風が立ち止まった
蚊取り線香の煙が
まっすぐに天井へと昇ってゆく
一匹のハエが
ぼくの前を通り過ぎる
振り払おうとしても
もう飛べない
風は今も立ち止まっている
夏の夜が固まってゆく
 ....
おれたちはみんな
けっして像を結ぶことのない欲望を
一人で処理する方法を
ビデオから学んで育ち
大人になるまでの
永遠のようなモラトリアムを
飽きることなく
オナニーを続けることでやりす ....
誰も知らないその庭に咲く薔薇
朝一番の雨に濡れた赤い薔薇を求めて
僕はたどり着いた 足をひきずりながら
かぐわしいその香りを嗅げば幸せになると
ただひとつの愛を得られるとずっと信じていた

 ....
でんしゃだった
ぼう、ぼう、と
隊列つくって
歩く目があわれと
気づいてしまった、
僕は

時よ止まれ、と
つぶやいて映すガラスのうすぐらい
鏡像が
伸ばした手/

 /こちら ....
数多のあなたから
発信されることばに
わたしは固くまぶたを閉じる
それらを愛さないために

西側の、部屋
窓に切り取られた風景のなかで
遠く稜線がたそがれてゆく
そう
書いたときには ....
「球の描き方」





水の中で目を開けた
融けなかった青が
からだのなかに入り込もうとしている
皮膚のあいだから
――それは恐ろしいことだった


夕方が近づいている
 ....
立っているだけで
汗が落ちてくる夏の
その夜
星が飛んでいた
短い夜の間だけ
羽ばたいていた
月へ向かおうとする星
大地へ降りようとする星
それぞれの運命に従って
音もなく
飛んで ....
鳳仙花

揺れる


『鳳仙花』


右目の古傷を開かれた
ぷつぷつ と
肉の裂ける音と共に
かさぶたを剥がされ
瞼の底へ

彼の残した右目が

入り込んだ


 ....
 


  ? 片口鰯、かく語りき


司会の片口鰯が
自分の頭をかじりながら
話をまとめようとするので
なかなかうまくいかなななないのだが

烏賊はいかんせん
自分の足をかじ ....
あおばさんの自由詩おすすめリスト(13130)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
空飛び死人- なかがわ ...自由詩5*07-7-29
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忘れる- 葉leaf自由詩1707-7-28
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- ロカニク ...自由詩207-7-27
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「その海から」(31〜40)- たもつ自由詩1107-7-27
じっとりと雨に濡れた夜の草の匂い- 円谷一自由詩9*07-7-27
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ネオテニー- 大覚アキ ...自由詩207-7-26
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星が飛んでいる夏- ぽえむ君自由詩11*07-7-25
鳳仙花- 蒸発王自由詩5*07-7-25
片口鰯、かく語りき- Guy= ...自由詩7*07-7-25

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