すべてのおすすめ
そんなこんなで 今日は
君って人を もっともっと好きになったんだ
「僕とデートをして下さい」
「はい」
一週間前、
君はあっさりとOKをくれた。
僕はこっそり、
あ ....
狐につままれたようだった
あたしは
都内の街を1時間を過ぎても
ふらふらと迷い歩いていた
すごい 熱
汗はふきだす
アタマはもうろうとしてきた
持ってたペットボトルのお茶を
が ....
恐竜は鳥になってしまった
大空を羽ばたくかわりに
偉大さをなくした
朝 にわとりが声をあげる
恐竜の飛べない子孫が
景気よく声をあげる
より大きなものを知るためには
偉大であって ....
もし
とりになれたなら
いけるだろうか
そのばしょへ
もし
とりにうまれたら
なくだろうか
そのこえで
もし
とりがしんだなら
くりかえすだろうか
おなじかな ....
その子は
”太陽のようこちゃん”と
呼ばれて 育った
あぁ 自分は太陽みたい
なんだな
と ぼやんとおもいながら
思春期を過ぎ
闇の部分をココロに
かかえはじめた
....
ひとりの物になる為につくり込まれているわたしは
その為に負う孤独には強くあるよう鍛えられている
それはとても危険なことで
....
低価格が売り
のイタリアンレストランチェーンで
今日も時間を潰している
学校帰りの高校生集団
乳児を連れた家族
帰りに一人で夕飯を食べる会社員
そういえばこの店では
おひとりさま ....
あんまりおなかが空いたのでわたし、
針金をのみこんだのでした
モビールの鴉のお腹から
ぬきだしたいっぽんのあばら骨、
が
するすると引っ張ると
するするとどこまでも伸びてゆくので
校庭の ....
深い霧は晴れ
街やヒトを形づくる
様々な線たちが
再び姿を現す
言葉は辞書の中で
既に朽ち果てている
「幸せ」という
一語の印字のみを残して
鳴くこともなく
路上に何とな ....
テッポウユリではないのです
夏の終わり
花期をたがえて
今頃に咲く白い花
例えばアカザやブタクサ
夏草でいっぱいの四角い空き地の真ん中に
丈高く唐突にすくっと一本だけ
そんなのがタカ ....
イタズラ仔猫と一緒に 紅茶を飲む
空色の空を眺めながら なんて
当たり前の ことなんで
紅茶から立ち昇る湯気を混ぜて
ミルクティー風味に 仕立て上げる
見た感じと 触る感覚 味わいは ....
希望があるから絶望があるんである
絶望したくなかったら
希望なんぞ持たぬがよろし
数独を解くのに飽きたわたくしは
今日七杯目の焼酎をつぎながら
わたくしの幸運なる結婚生活について
(た ....
きみのせいで夏が終わらない
扇風機がかきまわす生温い空気のなかで
今日六杯目の焼酎を呑む
ツクツクホウシが鳴き出して
もうとっくに朝だということは自覚している
ついこのあいだまで
わた ....
真夜中の渓谷で
岩魚を突いた
むかし父とよく来た川だ
腹が減っただろうと
父は登山ナイフで
魚肉ソーセージを切り分けて
私にあたえた
あの日は二十尾とれた
まだ足りない ....
離陸した飛行機は
無事 着陸しなければ
大事故になってしまう
あたしという飛行機は
もう 離陸して
大空の上
目指す 大陸へ
今は 太平洋上
乱気流
乱気流
機体は ....
都市の息づかいの奥へと
延びていく砂利道
書きかえられた公図の写しを
大事そうに抱えた男が
小さな石の陰でうずくまっている
眼の中を覗き込む
そこは既にもぬけの殻
わたしの数 ....
花はどこへ行った
なんて問い続けるよりも大切なものが私たちにはあった
それが今の生活であることは否定できないし
ひとの望むものなんて目に見えるものに他ならないのだから
ありふれた結婚生 ....
{引用=
雨ざらしの、皮膚の、角質層に浸透しない乳液と、老廃物で崩れ
た二重と、汗ばんだ呼吸で、余計に湿度を寄せて、抜け落ちた獣
の毛が、二人の表面に貼り付いてとうとう一対の獣になっ ....
あした と あたし は
よく似ている
あしたのあたし
あたしのあした
疲れきって
予定をぼうにふった
あたし
さて あしたはどうしよう
とろけそうな太陽に身をかくし ....
鹿沼公園 梶ヶ谷第一公園 あさやら公園 じゅん菜池緑地
こうえんらはその下で ゆるく手をにぎってつながっているという
きょうも
ひとりの女(ひと)がだまってベンチに座ったままだ
こうえんは ....
他愛ないことで
妻とけんかして
外に出て
煙草に火をつけると
おそらく風なのだろう
秋の涼しい風が
背中を
とん、と叩いた
わかっている
誰なのか
わかっていた
....
浜にあげておいた
古い舟は
帰ってくると沖に流されてしまっていた
海を眺めると
海面を文字が跳ねていた
潜ったかと思うと
再び跳ね上がる
いつまでも跳ね続ける
不完全な単語の
文 ....
紙をたたんで、小舟を浮かべて、
わたしは出発した。
人のかたちをするものになろうとして。
その指を切り落とすと、指に指の、
その目をえぐり出すと、目に目の人格が、
一つ、与えられる。
そし ....
空の青と
花の赤を
重ね合わせた
君の可憐のマゼンダを
追いかけ過ぎて
森の緑を彷徨った
森の緑と
空の青を
擦り合わせた
僕の弱虫のシアンを
飼い馴らせなかったから
花 ....
大袈裟な 君のこと
僕の行方など
分からないのだろう
考えることが 嫌いな 君
考えることしか 出来ない 僕
それでも 考えても 考えても
「答えは出ない」 君は 言う
君の ....
一団の土地から分筆された遊休地に
エンジンのない建設機械が放置されたまま
数十年が経ち
その間にもわたしの弟は
産まれてこなかった
だからまだ名前もないし
椅子に座ったこともな ....
めずらしく
たったビール2本で
酔いが足をからませる
まっすぐ歩いているつもりが
どんどん道の
真ん中に寄っていく
ボワンとした視界に
でんとトラックが
踏み切り待ちしている
....
スーパーマーケットの
タイムサービスで
父が売られていた
お惣菜売場の隅に
さみしそうに立っていた
私が買った
うれしそうな顔をする父に
何か食べたいものはないか尋ねると
....
久しぶりに酔いつぶれた
たった瓶ビール2本で
その日はなにか その人に
無意識にメールをしてしまった
新宿で待ち合わせて
1時間だけ飲む
何年ぶりだろう
いっしょに飲むな ....
線路というやつはなんだって
この直線的な箱を
ねじ曲げることなく
流していけるのだろう
緩やかに曲がってくクセして
ぼくは客車のぱさぱさとした手触りの赤い
キルトのようなベッドの上 ....
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