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私の
この私でさえ
わからぬこの気持ちを
わからないままにわかるという
人を愛したいのだろうか
今の私には
それは違うという声は受け入れがたく
たとえば交差点でぶつかった肩にとま ....
シルクスクリーンのような
霧がうっすらと地表を覆う
田圃の道路走行
奥久慈の紅葉に
男体山?
その後
袋田の温泉街を抜け
歩くこと数分
瀧不動の参詣は五分
人工の遊歩道は
....
白と黒のグレーな魅力の
彼女
彼女に恋したあたしは魔女
真面目すぎたあたし
グレーなんてゾーンが
あること自体 信じられなかった
中年になり
あたしは魔女になった
もと ....
あちらのお客様からです
とウエイトレスが運んできた
飲み物には
温度があった
冷たいものも
温かいものも
ひとたび口にすれば
喉を通っていく
あちらのお客様からです
と ....
硬質に濁ったゼリー状のものの中で
僕らの天気予報は
軋み
軋んだ音をたて
初雪が観測されたことを
伝えようとしている
子どもたちが歩道橋から次々に
ランドセルを落とす遊び ....
今からご飯
その後レイトで
と言いながら眠ってしまった
その後
僕は冷えた頃合を見計らったビールで余計に冷えて
忘れたものにむせながら
昼の洗い立てのシーツを夢見る
冷たくなってきた風に漂って
きみは何処を向いているのですか
田んぼの脇に咲くススキ
あでやかな花に囲まれて
色づく葉っぱに包まれて
それでも自らの身体を染めることはなく
華 ....
植木屋が去った後、残された枝葉に火をつける
冬の土曜の朝の
煙の向こうから現れた、
鎖をひきずる飼い犬、
地面に突き刺すと
すっぽ抜けてしまうスコップ。
長屋の奥で埃を被った段ボー ....
薄着で
あるいは紙袋を被って青光りするのチェインメイルを装着しているであるとか
わらじを履いたTシャツにノーパンのスラブ系の少女
個々が
思い思いの個性とファッションを楽しむというよりは
た ....
嵐が過ぎて
透きとおった夜空に 透きとおった月が浮かんでた
やあ きみ
今夜は凄いね
ああ、ありがとう
今夜は100年前の夜空だね
海へと抱かれる
やわらかい夕陽の
いよかん色にもえて
さざめくひかりは一心に
反射し
調和し
舌のうえではじけて
ひとすじの
輪郭をあらわす
(帰ってきてもいいよ、という言葉 ....
10月27日 曇
僕は数を数えるのをやめた
「僕はハルシオンになったみたいだ」と に言った
は腕を縦に切ったカッターを机に置いて力を込めた
「おけちゅるゆりかりゅ」
....
歌になりたかった
いつでも人を元気づけるような
歌として生まれたかった
そして人に口ずさまれたかった
人の楽しみでありたかった
人の希望でありたかった
そしたら苦しみも絶望も知らなくて済む ....
分からないままに歩き続ける
たどり着く場所なんて知らない
まして此処が何処かなんて
想い描く余裕もないから
ただ流されるがままに
諦めて誤魔化して色褪せていく
その世界を壊せばよい ....
台風の進路
関東地方を過ぎれば
どうでもいいらしい
全国ニュースでは扱われなくなった
首都が無事ならそれでいい
むかしからの考えらしく
第二次世界大戦で敗北した
ある国は
開発に成 ....
{引用=
この空に底があるとして
それなら沈んでいるのは
きみが何万光年も前にさけんだ言葉のなきがら。
鈍色に光っているそれら
の
かえりたかったところ、
が
わたしの瞳の縁で ....
その響きと
余韻しか知らない街で
親しく投げ交わされ
胸にぶつかっては
つぶれて香るトマト
ことこと煮詰めたソースは
ちょっとどころか
すごく甘くて
ふわふわした湯気のなかで
舌がト ....
すべての人はかならず一度は行ったことのある場所
そこがカナシミビトの森
そこに行き着く道は誰も知らないが
ふかくふかく哀しい時
いつのまにか辿りついている森
そこにはカナシミビトが住ん ....
今さら
夏に
呼びかけたって
返事なんてしない
ねえ
そうなのかなって
太陽と相談をする、正午
三時になったら
ティータイム
のーんびりとお茶をしようよ
そう
相談する
....
これ、以前に頼まれていた資料です
と小田さんの持ってきたコピーが
湿っている
海に行ってきたんですよ
小田さんは微笑んで
きれいな巻貝をお土産にひとつくれた
去っていく小田さんの髪や ....
人はみんな夢から生まれてきたのと
あの子がおかしなことを言い始めたけど
僕は何も言わずにあの子の話を聞き続けて
いつしかあの子の声に包まれてる気分になって
あの子の言うことがぜんぶ本当 ....
いつも僕の背中を見ていた
祖母がお日さまを見るように
僕の背中を見ていた
僕が祖母のお日さまだなんて気づく必要もなく
その眩しそうにしてる目に気づくこともなく
あるがままに輝いて ....
料理は嫌いではない
むしろ好きなほうだ
ゆっくりと作った品々を
家族がおいしそうに
食べている様は小気味いい
だが
作るのが苦しいときもある
そんなときは
台所に座り込む
....
光に弱い体質だった、身体がというよりも、精神的な部分で
拒絶反応が出て、カーテンを閉め切った部屋に閉じこもる日々が続いた
わかったつもりの大人がやってきて、何もかもを大衆と社会のせいにして
去っ ....
半分
どんなおじさんにでも
その時だけ恋をしてしまう女の子がいる
父の日にプレゼントを贈り続ける女の子がいる
おじさんとセックスしてお金を貰う女の子がいる
半分お金で半分趣味らしい
....
砂鉄が花咲く、しゅんかんを
見たいがために何度も
磁石を近づけるわたしを
あの人は苦笑いしながら
たしなめたり、するのでした
*
身震い、だったのかもしれない
投影図を描くた ....
マイミクやコミュニティに見る人間関係
減る毎に、嗚呼、色んな人達がいるんだなーと思う
昨夜も2人減ってたけど、そろそろ慣れてきたかな?
どうせ、減るのが嫌なら、一層の事、芸能人だけマイミクにして ....
きみの見るものは
すぐさま
毀されて、光があった、光が
あった、光
ただそれだけが
あった
金魚はきっと世界を弾丸に替える目を持っているでしょう。
静止しているか光速の平行移動で過ぎ去る世界しか、彼にはわからない。
一心に水を蹴るのは、少しでも世界を動かすため。
動く世界を渇望している ....
未熟な叫び声が
空高くとびあがった
水溜まりから見る景色を
覗いて見たら
小学生の兄弟が仲良さそうに
お揃いの長靴を足並みそろえて
スキップしながら川沿いの道をある ....
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