すべてのおすすめ
仕事の合間や休憩室で言ったり、言わなかったり
体温をはかるようぢゃないか?
揺れ動いたのは水銀か、銀箔か?
言葉がなけりゃ分りはしないのだ。きっと―
「やるせない」と、僕が思っていることを。
....
やさしさもみんな抜け落ちて
そいつはセーヌの流れに消えた
キリストマリアを引っかいて
破れた爪で十字を切った
....
じゃがいも
ゆでたいな
じゃがいもに
バターたっぷりつけてたべたいな
かわがついたまま
たべたいな
じゃがいも
たべたいな
じゃがいも
だいすき
あした
やおやさんにいって
....
人は己の踏み締めた足跡に人生を見る
しかし踏み潰したものを見ることはない
見つめれば脚を踏み出せず
歩を進めれば踏み潰さざるを得ない
人が脚を持ちそれがまた
踏みにじる罪深さから逃れられない ....
どこかで聴いたことのある歌
その旋律が 流れてくる
思い出せない
歌の名前
思い出せない
記憶の糸が絡まっている
それでも
どこかで聴いたことがある
それは確かなのだが
思い出せ ....
雨上がりの高尾山
散策の一行は
山を愛するおばちゃんのガイドに
耳を傾けながら
濡れた山道を往く
ある者は
ひとすじの細い茎の上に
寄り添い
束ねられた家族のよう咲く
....
冬の空は乾いている。遠くで鳥の鳴き声がしている。車のデジタル時計を見る。空腹で気持ちがわるく、くらみを覚える。午前9時。いや10時だったろうか。もう時間など意味はないかもしれない。昨夜、車の周りにい ....
泥を かわして
かわして また 泥
すきだとか きらいだとか
そんな難しいことは あとからになさい
もっと ずっと あとからになさい
余裕がでるまで 待ちなさい
陽をあびて ....
大胆不敵な夏に
まっかでアモーレな大輪の花を咲かす為に
春は薄紅色の風を巻き起こすのだろうか
季節はちょっとばかり懺悔の告白をする
春のそよ風にそそのかされて
一足早く終日のたり ....
春になりましたねぇ
と叫んだら
おまえっていつもじゃん
と言われてしまった
それって何なの
グラデュエーション
今の季節
はっきりとした区切りのようなものを感じる
北の国よ ....
石鹸は邪悪な念を持ち始めた
毎日のように汚いものに接しているうちに
その心が侵されてしまったのだ
穢れがなければ自分の存在はない
穢れとともに生きてゆくことに
生きがいをもつようになった
....
日曜の朝
一人の娘が固まっている
俺の妻だ。
枕元に携帯電話が二つある
電池パックを入れ替え
その機種でしか出来ないゲームをするらしい
いまはモンスターハンターというのをしている。
雨が ....
いいトシこいて
朝の5時にヘロインなんか聴いてるわけだ
効いてるわけじゃないよ聴いてんのだ
おらおらおらおら口があんなら怒鳴れ
耳があんなら尖らせろよ
カエルどもが土から出てくるまえに
長 ....
彼は探していた
花束を手渡す
たった一人の{ルビ女=ひと}を
高い壁に挟まれた路地
いくつもの窓の隙間から
漏れる{ルビ喘=あえ}ぎ声を耳に
彼は通り過ぎた
( 一面の曇り ....
遠いロンドンに宣戦布告してみたり
そばに立っててくれと頼んでみたり
それでも飽き足らないので
火星の蜘蛛と宇宙に飛び出してみたり
それでもどうしようもないから
私に火をつけてくれと懇願してみ ....
空は
地球を抱き込み
星の光を反射して
きらきら輝く
長い美しい髪を持っていました
『恋する空の髪』
宇宙風にあおられて
空の髪が凪ぐと
地上からはハケではいたような
....
雨が降るので家の中にいる
猫は寝てばかりいる
雨が降らなくても寝ているが
雨が降るとよけいに寝てばかりいる
猫は役に立たないと思う
思うが
冷静に考えれば役に立っているのだろう
と思 ....
と君は
言いかけて
黙ってしまった
桜の花びらが散って
一枚が肩に落ちたんだね
手に取って真近に見たら
とても薄くて白くて ....
たくさんの花を枯らした
サボテンやアロエも枯らしたし
ケフィアやカスピ海ヨーグルトも駄目にした
それでも命は大切にしなければならないからと
小さな虫はその形や色が嫌いでも
なるべく殺さず ....
うっとりと眠っていた二人の鑑賞者は
ココア色の映画館で目醒めた
過去の亡霊の囁きももはや息絶え
湿っぽい空気と静寂があたりを支配している
静寂を保ったまま映画館が崩壊する
暗闇 ....
晴天の空間に
眩暈を誘いながら在る 誰
敷石の上に薄い影投げる日が
暮れる 薄刃の風が
私やお前を切るのだろう
誰 曝して満ちた
静か 冷えてゆく
夜か 息か
猫が激しく鳴いて春で
いや正しく言うなら地球のこのあたりは春なのだ
こちら地球そちらは
あずかり知らぬあっち側の諍いに
液体ヘリウムをぶっかける
それから逃げだす
ものすごくものすごく ....
俺が詩を書いているときに
子どもが何してるの?って聞いてきたら
俺は何してると言おうか
メモしているというのが一番ちかい気がする
毎日一時間はメモしている-
....
振り回せるものを探して歩く
軽すぎれば振り回す充実感がないし
重すぎれば肩や腰に負担がかかるから危ない
道路の上にも
道路に接するいろいろな敷地や排水路にも
振り回すのに丁度良いものは見つか ....
ふるさとの 神話の海辺で
焼きトーキビを 泣きながら
ハモニカのように 吹いている
死んだ友だちに そっくりな
ヤギの足をした 少年の映像
表と裏は
本当は裏と表かも知れないって話を
当たり前の事だけど
生き物は羽だとか羽根だとか
落としたりはするけどいきなり生えたりはしないって話を
引力に掴まえられて
土に還 ....
二日遅れのホワイトデーの
白いリボンを髪にのせて
ふわりと回ってみせる君は
大きくなったら
メイドになりたい
という
人様に奉仕したいとは
見あげた心がけだ
と
解釈は準備してお ....
こわがらなくってもいいんだよ
花は君を食べやしないよ
ただやさしい香りを放つだけ
春はこんなにもあったかいから
生まれたばかりの君にもわかるはず
だって春は君の母さんのぬくもり
ほら大地に ....
らっきょの「ら」
らっぱの「ら」
つるつるって食べるのも
あったよね。
そばぢゃないよ
わたしって。左利きで
不器用すぎるから
はさみさえ上手く扱えなくて
型紙から
あなたを ....
さあ勇気を出して飛んでごらん
怖がらないでいいその腕は翼だ
君は忘れてしまったのだろうが
かつてその両腕を繰って大空を
自由に飛んだじゃ ....
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