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ある日のデイサービス送迎車内にて 
ハンドルを握る所長は 
助手で乗るパート職員に、愚痴をこぼした 

「最近、パートのハットリって奴が 
 妙に俺にたてつくんだよ 
 何であいつがあんな ....
原発に嫌気がさしちゃった諸君
原発を無くしたいかい?
そりゃ本当かい?
本気で原発を無くしたかったら
金出しな

デモに参加も結構だ
しかしこれまでデモで政策が
変わったことなど見たこ ....
上澄みの中を泳いでいた
透明ではなく薄く白濁した温い水の中を
紅い尾鰭をゆらゆら振って
指差すふくみ笑いを払い退けて
腹の下に感じる見えない水底の冷たさに慄きながら
ゆるんだ流れに身をまかせ ....
カーテンの隙間から伸びる
白い光の筋をたどって
窓の外へ出てみたら
青々とした緑の芝生が
朝露に濡れて笑っている

裸足のままでその上を
歩けばきゅっきゅっと足の裏
草の葉と根が撫でて ....
どうやらまつげをいっぽんいっぽん
抜いていく夢ばかりみる


癒すべき傷は
なんだかもう見当たらない
みわたすかぎり荒野には

わたしのほかに
だれもここへ傷をつけることはできないの ....
これからの僕は 
嫌な上司のみみちい小言を、撥ね返す。 
これからの僕は 
苦手な注射も唇結んで、ぐっと耐える。 

どうやら親父になるらしい 
僕は自分の弱さを抱き締めながら 
日常の ....
 
 
魚屋の片隅にあった目薬を買う
お店の人と角膜や水晶体等について
少しだけ話した
すぐ側で魚介類はそれぞれに
幸せそうな形で整然と並んでいた
それから帰りの駅ではお腹が痛くて
膝 ....
生まれたてのガラスは
存在しないかのように美しかった
内と外を隔てる境界なんて
本当は存在しないものなのだと
透明な身体で物語っていた
ガラスの魔法は少しずつ
雨に触れて解けていく

 ....
闇に宿り
蒼に光る
刹那の祈り
願い事は三度
二拝二拍手一拝也

楽しむ為だけの
酒を呑む泣き上戸
誰もいない路地に
壊れた街灯
猫の死骸と
捨てられた塵

余所目に
机上 ....
あなた
わるいけど
わたしあなたを
たべちゃった
きづいていないだろうけど

ほら、
あしのおやゆびのつめのさき
ないでしょう?

へいじつのひるまって
さみしいから

あな ....
手首をゆっくり差し切ってゆく。
血のなかに母国を思う。

わたし、わたし、
しくじったのだわ。
おかあさま?おかあさま!

失点、回点、肌色。
風の行方が目に見えた。
したたり落 ....
何かと引き換えにしてでも
救いたいから
守りたいから
大切なものを 差し出す人がいる

一方で、
そんな大切なものを
奪い取り
騙し取り
踏みにじる 者もいる

弱き者から奪い、 ....
広い広い宇宙のなかで
たくさんの小さな奇跡的な偶然が重なり合って
僕らは生を得ることができた

そうしてほんの小さな天体の衝突なんかで
いつでも滅び得る、
――そんな危うさの淵にいる

 ....
向こうで あなたが 
微笑みを浮かべていても
直ちに影響はないけども
そのたびごとに
僕には花の種が撒かれて
そしていつか
広々とした花畑ができる

向こうで あなたが  ....
一年前、ロシアでは火力発電所の煙から
金を採取する技術開発に成功した。
―その量、石炭一トンから12グラム。

雷鳴が遠のき、
昼になると雨が上がった。
来館者の多くは街へ出ていった。
 ....
 棚が倒れて割れた窓ガラスや試験管
 フラスコやビーカーが床に散乱している
 海水に浸された真綿が入るシャーレが傾いて静まっている
 実験室の椅子にすわるかれの顔をおぼえていない
 ....
眠い
眠い

とろとろと

こんな時
脳は

あちら の
世界と
相談をしている


残酷なのに
血の赤が見えない
モノクロームな夢ばかり
見続ける


都下の森 ....
「ぶっとび市」というのがあって
白地に赤の幟旗が何本も
雪の壁に並んでいる
二〇一一年二月十一日
町は風が吹いて
人は四方にかしいで
青空が小さな冬の森を翳らせている
何がいやと言って  ....
皆 求めていた
この時間

たおやかな時間
ほっとする空間

言の葉を発することを


開店したばかりの
明るいガラス張りの
こじんまりとした
ポエトリーカフェ ....
 こわれてゆく街のなかで
 こわれてゆく耳になって
 ぼくは
 通りすぎてゆく乾いた硬い音をきいていた
 ビル風に
 靴とアスファルトの
 靴とデパート通路のリノリュームの
 靴 ....
上野の美術館を出た帰り道 
焼芋屋の車が、目に入った。 

財布の懐が寒いので 
「半切りをひとつ」と言い 
小銭三枚をおじさんに手渡す 

紙袋からほっくり顔を出す 
焼芋をかじりな ....
わたしをゆるしてください

そうやって
かつてわたしのかたちをしていた
うろこをはいでゆく

ときにはたてのようにして
じぶんをまもるためにまとっていた
うろこをはいでゆく

そん ....
いくつかの災厄のなかで
わたしは書机の下で頭をかかえておびえ
くらやみのなかで
あらゆる醜態をさらした
偽善と臆病とともに怒りを
蛙と虻のあと
彼らは過ぎ去ったように思えた
瓶につめられ ....
ルクトさんの住む家
から見える
パッチワーク的な畑
風が吹いている
鳥も二、三羽

屋根は赤い色
瞳は茶色
たまにやっている
散歩など

太陽がどちらへ沈むか
月がどこからひょ ....
  はつかねずみ


きみの美しい視線が
ぼくの背に注がれていた時
ぼくはオールをこいで
春は
緑のビーズをこぼしたみたいに
あちこちで転がり跳ね回って

きみ
きみの手の中で飼 ....
 ほら横なぐりの
 ぼたん雪のなかを
 回送バスがはしってゆく

 窓を曇らせ
 満員にひしめいた乗客の気配だけを乗せて
 がらんと無人の灯りを点して
 回送バスがはしってゆ ....
嘆こう
いつか早朝のラジオで聴いたんだ
「前半しっかりと絶望すること。
 それが復活や飛躍への、ステップになるのです」
私たちの脳は生きるために
絶望と絶頂を繰り返す

友だちが教えてく ....
透明な絵本を
じっと見ている子供がいて
クレヨンを持って
かがやいた笑顔をみせる
 (これは何色なの?
としきりに尋ねてくるので
答えに困って
好きな色で塗ってごらんと
うなず ....
つなみでうちあげられた
なもないさかなも
ひさいしゃの
ひとりなのだろう

なもない
さかなというなの
さかな

しかしそのさかなにも
ちゃんとなまえがあって
あのう ....
彼や彼らが死んで
しばらく経ってから
君は埋葬する
そして理解する
人は死んでも星になんかならない
人は死んだら死体になる
そして記憶になり
いずれ忘れ去られる
埋葬される者はまだ幸運 ....
あおばさんの自由詩おすすめリスト(13148)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
こだまでしょうか?ー所長とパート職員の門答ー_- 服部 剛自由詩411-4-13
原発が嫌なら金を出せ!- 紀ノ川つ ...自由詩7+*11-4-13
紅い尾鰭- 渡 ひろ ...自由詩19*11-4-13
ぷらちな- 木屋 亞 ...自由詩6*11-4-12
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新米親父の詩_ー胎児の合図ー_- 服部 剛自由詩611-4-10
目薬- たもつ自由詩1011-4-10
硝子は大人になる前に散る- 木屋 亞 ...自由詩1*11-4-9
放射性欠損補填- 村上 和自由詩111-4-8
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19g、21g- プテラノ ...自由詩211-4-2
廃校に立つ未来の子どもたちに- 石川敬大自由詩19*11-4-2
モノクローム- 森の猫自由詩9*11-4-2
ぶっとび市- オイタル自由詩511-3-26
たおやかな時間- 森の猫自由詩12*11-3-26
女性性に関する一考察- 石川敬大自由詩17*11-3-26
芋と言葉_- 服部 剛自由詩8*11-3-22
「うろこ」- ベンジャ ...自由詩5*11-3-22
形骸- 構造自由詩811-3-21
ルクトさん- ふるる自由詩10*11-3-21
はつかねずみ- ふるる自由詩8*11-3-20
それでも回送バスははしってゆく- 石川敬大自由詩16*11-3-19
嘆く背に桜前線の風が吹くように- たちばな ...自由詩19*11-3-19
透明な絵本- かんな自由詩33*11-3-16
名もない魚- 小川 葉自由詩411-3-15
Doors_close_soon_after_the_mel ...- カワグチ ...自由詩1911-3-13

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