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はい私ですと雀は言うた
「矢羽の羽はわたくしもの」
「何故に」と問う事はなかった
事実は人間の仕業であったから
誰がその死体を見たのだ?
死んだ小鳥の硬直した体を
ハエが言う
はい私 ....
好きはみんな違うから
わたしの好きと
軋むかもしれないけれど
明日行くよ
「隣はごめんです!」
と、叫んだけれど
本心だけど部分だから
だけど
....
大きな窓のしたで
セックスをしましょう
往来へでて
人殺しをしましょうか
それとも
花壇に種をまきましょうか
笛を吹きましょうか
肉を焼きましょうか
もうすこしここにいましょう ....
車にマニキュアで落書きした
恥ずかしくて 三日で消した
安らぎがほしい 理由のない安らぎが
ハッピーターンの歯ごたえだけでは安らげない
この曇天のような胸の内は何だ?
女か? ....
これを知っている人は
とても少ないと思う
1981に廃止された食料管理法
それで意味を成さない
ただの小冊子となったから
労働者向けと種々
家族の氏名
生年月 ....
「ママ!ママぁ!」
真夜中私を激しく呼ぶ声の元に行き
いつも通り右手を差し出すと
大事なお人形を愛でるかのように
それを自分の胸の前でぎゅっと抱き締め
再びすやすやと寝息をたて始める
....
弾け過ぎた花びらの具合
あっち ひらひら
こっちへ ひらら
数えるのも 面倒になった
桃色の花びらは
空中で 踊る
青空に映えれば 最高の存在
山 滝 空気の色合いまで
感じら ....
石の言語
語られることのない
肉体の履歴
行間でさなぎは
静かに波となった
命のないものは
絶え間なく産まれ
命のあるものは
ただ数を数えた
都市を離れて
....
水道の蛇口を閉め忘れたようで
寝ているうちに耳の方へと
冷たいものが流れてきます
明日は仕事なのだからはやく
眠らなくてはならないと ....
小さなスミ子さんは
短く刈り込んだ髪で
不安気に
わたしの隣に立っていた。
「今日から働いてもらうスミ子さん。いろいろ教えてあげてね」
ナースから少し離れて
私たちは長い廊下を歩い ....
永遠の生命ってよくSF
なんかに出てくるが退屈だろうなっって思ってしまう
もちろん駄作でも良いから
詩みたいなものを書こうとも思わないだろうし
有限な物の限界を嗤っても
生命の実感は ....
あなたにあげる
おおいぬふぐりのあおい花
うぐいすのなきごえ
おひさまのあまい香り
はるの日のはじまりを
....
フォースならば ボーリングの話
ホースならば 馬で
ツーリストならば 添乗員を 思い起こすダケで
駆け抜けた 覚えはないの 単気筒
四気筒 多分この漢字なんだろうなぁと言う感じダケで
....
ひとりのひとを ほんとうに愛することができたら
多くの人に愛される 気がします
くらがりが覚醒している
背筋を伸ばすとからだがこまかく震えているのだが
それはそれ以上のことにもそれ以下のことにもならなかった
全てが語尾上げのコミュニケーションがつくりだす古めかしさで
....
調律をした
二輪車が
周回路の直線を
駆け抜ける
咆哮はワウと呼ばれる
振動を伴う
それは乗り手を栄光のゴールに
恐ろしい競技だと思う
安全に返って来る事を
願って
部品を ....
人間 いつだって
便利に移行するときには寛容なくせに
一つ不便の階段を下るごとに
愚痴が増える生き物なんだねぇ・・・
★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°
鍵のない部屋にわたしと
きみがいた。年明けにツタヤからレンタルしたマンガ本を
読みながら会話をすることもなかった。
窓際にはカラーボックスが一つある。
「よくわかる地理」や「日商簿記3級」 ....
人がいないことのかなしさ
戻ってこない哀しみがおおう
巻貝の自由だってもうちょっとましかもしれない
ただ居ても伝わらないかなしさが一番だったかもしれない
いつも人を否定しながらそれ ....
襖で仕切られた四畳半の、その襖を開けるとまた四畳半、また四畳半、大きさの異なる箪笥がいくつもあり、埃避けの布を掛けた雛壇があり、その隙間にすっかり平たくなった綿布団があり、そんな部屋が前後左右に際限 ....
ホームを切り裂いて列車がページを捲っていく。同色の
制服に制服を重ね着してずきずきと圧密する、頭痛がちな
通勤電車のようにきつく綴じられた紙の隙間を押し開き、ぼくと
膝頭から胸元まで触れるほど巧 ....
唄いたい人は何処でも唄うのだ
弾きたい人は何処でも弾くのだ
唄うこと/弾くこと
それが至福であるかの顔をして
奏でる音楽を待っている
人が居れば最高だけど
まるで自分の為だけの ....
おしゃべりな君の愛してるは
雲みたいに飛んでいってしまうから
掴めない
だから
君がいくら愛してると言っても
雨のように触れられない
遠い雲を掴むみたいに
虚しい
言葉にするより手 ....
あなたの育てていたザリガニが
アメリカザリガニが
また大きくなりました。
時計台の近くで
風は風の音をたてて。
私たちの脱皮とは
いったい何だったのでしょう。
生きることと死ぬ ....
夕陽のあたる夕暮れの
古いレンガの倉庫街
漂うあの歌 あのメロディーは
港の悲しいエレジーで
昔の俺(おいら)の子守歌
港近くの襤褸アパートで
親父も知らずに育った俺(おいら)
酒場 ....
年季の入ったステレオが
不意に歌いだした
インディゴに沈む
コンクリートの部屋で
遠い国の流行歌
綴りも知らないけど
こぼれ落ちた無声音は
冷たい床を浸していった
誰かが作った ....
踊っちゃいけない国で踊ーる
頭 揺らーす
カカト 浮かーす 身体 跳ばす
踊っちゃいけない国で踊ーる
頭 揺らーす
カカト 浮かーす 身体 跳ばす
ある日突然 あった ....
あなたのかたい頬
思いのほかやわらかくて
その冷やかな瞳にも
熱い涙は宿るのだが
心の奥深くに一つの扉があって
それは故郷へと繋がっている
絶対零度の沈黙
この地上の何よりも冷たい場 ....
強さとは野蛮とは何
研ぎ澄まされた刃で誰を斬るのか
姑息な闇はもういいとおもった
死がもたらすものの方が正直だと
首を刎ね八つ裂きにしても僕は生きるのだろうか
キンメリア ....
すみぬり教科書を使ったのは
なにも
昭和に
限ったはなしではなく
ゆとり教育の時代にわたしたちは
せんせいに言われるまま
指導要領からはずれたところへ
だまって
すりすりと
線をひい ....
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