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(以下英語で)
「カスタマー・サービスです」
「あの、レ・ミゼラブルの上映スケジュールを知りたいのですけど…」
「それでしたらウェブサイトで調べて下さい」
「さっき調べたのですが、 ....
大根は嫌いだと言う言葉が冬休みの合言葉だった
小高い丘が連なる様な古墳群の一角に施設はある
お世辞にも広いとは言えない畑の早朝は
しもやけやあかぎれの手指足指をからかって
まる ....
休みの日だからって
何かすることはない
ヒマだから仕事してたほうがいいかも知れない
生きることは
絶望と希望の
バランスかも知れない
こうやって詩が書けるのも
一応めしが食えて
一応住 ....
赤いウミウシの模様であった
デパートの包装紙
それで母はちゃっちゃかと洋服の型紙を作る
かつて何かを包んだものの匂いがしていた
ヒトガタに切った人形が
夢のなかでトモダチになるように
....
商工会館が閉鎖された街に
バナナ売りの声が響く
ゼラチン質の船に乗って
目の見えなくなった犬は
遥か遠洋へと向かう
たて笛の隣にある空き地に
僕と彼女は小さな家を建てた
悲しみ、とい ....
くるくる 歪む 表情で
哀しみばかりを 連想しないで 下さいな
きっと 粘土
幾つもの顔は キミの笑顔で 作られる
大切な 笑顔を
何度も 繰り返し 見られるように
おどけてみ ....
いい格好しなくていい
むしろ
ちゃんとしているとつまらない
ちゃんとしない人生を生きる勇気はないけれど
せめて
目も口も鼻も
とんでもなく
へんてこにしたれ
おかしくしたれ
ぶっちぎ ....
「何? 俺が怠慢だって言うのか」
ちくわ男は問い返す
「そうだとも 労働もせずだろうが」
仕立ての良い背広の紳士が口角泡を飛ばし言う
ちくわ男は右手に持ったちくわを揺らし
左手の人参 ....
青い鳥を 眺めてる
倖せは 何処に有るのと 探しても
芽を凝らしても 水が無ければ 見つからず
如雨露 片手に ウロウロ うろろ
ウロロンと 嘆いてみても
倖せの 青い声には 届かない
....
雪なんて当たり前だった幼い頃
道南の辺境で借家の玄関の硝子戸を開ければ
一階はすべて雪の壁だったこと
なにせ長万部が唯一町の体裁をそなえたようなところで
物流の届かない ....
ほころびを縫う
小さな欠落をたぐりよせながら
そのひとつひとつを
確かめるように埋めていく
ほころびのない人生など
ない
冬の夜にほころびを縫って
いる
母さんにもらった針 ....
左右 ゆらゆら 動かす鰭(ヒレ)を
滑稽に 眺めながら 足を出す
隙間に 挟まった 鯉は 動けない
隙間に 留まった 恋も 動けない
隙歯に 詰まった 滓は ミットモナイ
カスカスの ....
帰りの電車に揺られながら、頁を開いた
一冊の本の中にいるドストエフスキーさんが
(人生は絶望だ・・・)と語ったところで
僕はぱたん、と本を閉じて、目を瞑る
物語に描かれた父と幼子を ....
雪が朝から降っている
景色の輪郭を消しながら
道路の染みを消しながら
隣の境を消しながら
雪が一日降っている
人の予定を消しながら
人の日常を消しながら
人の時間を消しながら
....
大人になったら
幸せが飛んでくると思っていた
けれど
幸せの羽は飛び去るためにも存在する
大人って
幸せにちゃんとさよなら、できる人
世界中の男女とセックスフレンドになりたい
だけど今すぐひとりぼっちになりたい
たぶんどこかがぶっ壊れているのでしょう
たくさんのひとに迷惑かけてきました
たくさんのひとをこれからも裏切るで ....
晩飯のおかずを箸で摘み
炒めたもやしを、食っていた。
一本の長く萎びたもやしが
「風」という文字になり
誰かの顔のように
皿にへばりついて、僕を見た。
もしかしたら ....
何でも 半分こ
笑いながら じゃれ合う子犬を 連想しながら
何処かで眺めた表情を
思い出している
一つずつ 分け合うことなく 繋いだ糸は
合わせると 強く なるけれども
少し 儚い
....
今迄の僕は
サラダにドレッシングを
どばっとかけては
じゅるじゅる汁を吸いながら
緑の葉っぱを{ルビ咀嚼=そしゃく}していた
ある日、寄ったレストランで
出てきたサラダの器 ....
僕は水色のグライダーではなく
鳥の中でも一番ありふれた
雀やカラスでもなくて
ひばりのように高く
カモメのように鮮やかに
はばたきたいと
願う
風に乗り
....
晴れた日はなるべく外に出るようにしている
昨日は心地よい快晴だったので
ベビーカーをことこと押して散歩に出かけた
布団を干してから、
何も変わらなかった
同じ道を同じように歩き
公 ....
書こうとしたことを忘れてしまって
空をノックした
誰も出てきてはくれなかった
書こうとしたことを忘れてしまって
目を擦った
視界がさらにぼやけて
手からしょっぱい匂いがした
書こ ....
うっかりすると 本人も見逃しそうな 直立だった
それは闇夜のできごとだった
神技(かみわざ)の域
幾重にも 青天の霹靂が重なった年がつづいた
ある新月の晩
カワウソが 岩の上 ....
水さえ眠る凍てつく朝に
歩くもののいない歩道
寒さが静けさをより深く沈める
空が白んでいるのに
明るいままの街灯
信号機は気楽そうに青色を灯す
背の低い草叢に霜がおり
間接に照ら ....
国境線の上に魚が死んでいた
線に沿ってナイフで切ると
両方の国から猫がやって来て
半分ずつ咥えて行った
近くでは国境線を挟んで
男たちがチェスをしている
自分の陣地は真ん中ま ....
本当は 一緒に 過ごしたかった
沢山の 漬物が 薫る 店内
元々 スモークは 好きじゃあ 無いんだ
燻ったのは 想いだけ
咳き込んだ あなたから 滲み出る色は
淡い 桃色
そこ ....
あたいはしがないエレベーターガール
箱に入って一日上がったり下がったりしている
こんなんじゃ彼氏だってできやしない
あたいは孤独なエレベーターガール
人件費削減の為に
近々箱を追われ ....
幼児並みの知能の
ばったり倒れ屋さん
自分の存在意味を
たずねる旅は続く
哀愁と友情とを友として
泣き虫の私は
どうしても涙する
同時に孤独の本質を知る
....
燭台のともしびに羽虫の燃え尽きるように
夕陽を沈ませてはならない
銀色のリングのような月を黙って見送ってはいけないのだ
彼女の涙を数えてはいけない
きっとすぐに溺れてしまうだろうから
....
夜の部屋で
ぎたあの絃を爪弾けば
音のふるえは{ルビ静寂=しじま}に消えて
再び秒針の音は響く
繰り返される毎日に
どうすれば僕は
音のふるえとなるだろう?
単調なる ....
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