すべてのおすすめ
孤独と隣り合わせの自由
愛と背中合わせの孤独
無数の愛と自由と孤独が春の風に舞う
窓から望む 菜の花畑は 春霞
重ねた手の温もりは幾つかの時のかけらを記憶の襞から呼び覚まして
....
化石少年は砂岩の中にある海中生物の
痕跡に魅入られていた
数十万あるいは数百万年の時を経て
無名の海底生物の生きた証左が地の中の眠りから
主亡き痕跡という奇跡の造形のままよみがえる
....
プラナリアに会いたい
永遠の命かもしれないプラナリア
世界は、春霞ではない 黄砂だ
降り注いでいる微妙な沈鬱が 世界を覆っている
それでも 季節はまだ めぐっている
水仙の花は ....
ネズミもいた
アヒルもいた
犬もいた
小さいけれど
電気で動く遊具もあった
あっちにいるのは着ぐるみの
偽物ばかりではないか
そう言って
こども動物園の ....
あなたが どうしても 観たいと言った
砂の器
中居くんが 出て来るドラマだってコトは
知ってた
微かな記憶を 手繰り寄せる
俳優も 演出も 時代も
きっと 全てが 違うのだ ....
三月まで残る雪
路傍で灰色に汚れる
事故のようにゆっくりと
とりかえしのつかないことを
ふりつもらせて
やっぱり雪が空に戻ることはなくて
溶けるか
三月まで残る雪
路傍
灰色に汚れる ....
川沿いの道を歩いていると
川面で魚の跳ねる音
気のせいだった
子供が投げた
いたずらな小石
空を舞う鳥が嘴から
落としてしまった
子に与えるはずの ....
それは農業にとって
大切であった
私のルーツは豪農の家の
三男坊の遺伝子だった
たったの数日
厩と付随する部屋をみて
直ぐに叔父である家長が
逃げた原因が悔しかった
貪欲なまでの欲望が ....
石巻の仮設住宅に住む
Tさんに新年の電話をした
「あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします 」
「いよいよ来月から
津波に流された場所に、もう一度 ....
ある日、届いた封筒から取り出した紙は
「わんニャン展」のお知らせで
三日後にみなとみらいの地区センターの
展示会場に入るや否や
平日の人もまばらな空間に
{ルビ木霊=こだま}する… ....
人生は一瞬一瞬の光を増すための努力
最期は一筋の光となって空に流れればいいさ
亀とは
亀のようにゆっくりなペースで成長中の私の長女
この間9歳になった
その亀
学校以外の場所では
とっても朗らかでおしゃべりなのに
小学校入学以来
教室で全く口を利けない
少人 ....
その時の
あの時の
こっちかな
どっちだったっけ
段々と
薄れる記憶
それでも
淡く 繋がり行くならば
見詰められると
薄明りの下で
綺麗な★を 観た
最 ....
光の向こうへ消えた気がした
瞬間を綺麗な長方形に切り取る
小さな四角、それが全て
仕組みには詳しくないけれど
問題はそこじゃなくて、ただ
シャッターを押せば出来上がる
切り ....
ヴィンテージギターを手にいれたが
一万円と格安のヤマハFG-130という
1972-74あたりに製作されたもので状態もいいし
かなり響きが良く豊かに音がでる
男はそういったおもちゃを幾つに ....
アパートの暗い階段を上って行くと
二階には嵌め殺しの窓があり
そこだけがまるで古い教会の天窓のよう
純粋に光だけを招き入れていた
迷い込んでいた一羽のすずめは
幼子の震える心臓のよう
....
キミが マーユを 買って来た
確か 馬の油と 書くんだよねぇ
それって あすこの ラーメンに
入ってた 気が するんだけど
と言う 呟きごと カットして
キミは すする
黄身は と ....
少女は ある年の四月からというもの バラードの中のヤマネだった
両親と同じ名ではなく ヤマネだった
冬眠のように まどろんで
春眠のような いつくしみで育てられ
ひかりが はねようが ....
人の背たけほどある
横長の宇宙船を縦にかかえ
横断歩道をわたり
洞窟に入った
なかには同じかたちの
巨きな宇宙船があり
底のほうにある継ぎ目を押すと
むかって左側 ....
僕はいつでも敗戦投手
君のこころのミットにボールを投げ続ける
変化球はいらない
走らない直球だけが僕の武器だが
九回裏観客席のざわめきが鎮まる
打席にはイチローではなく
ど ....
あたくしは 残り物の 炒め物で
ごはん一杯 いただこうかしらん
茶碗に 一杯なのか
イッパイ!! なのか
それが 問題だ
キャベツと 豚肉が
アタシを 待ってる
フライパンの ....
声帯とは何だったか、ドリス。
それは最初、産声のように
孤独を置き去りにして、
ひび割れた食器に投げ入れられた
硬貨のように
丸くはなく、
無数に穴があいている。
「見ろよ、血しぶき ....
暗闇の中
階段を下っていく
下ろした足の先に
段があるのかさえ分からず
感覚だけを頼りに
下りていく
不安とか覚悟とか
感情は全て封印して
淡々と機械のように
一定の下げ幅一 ....
工場で 向上させたい 口上を
アゲアゲな 恒常は どうか
楽しい瞬間ならば 構わぬ と
DJは 語る
キュッキュコ キュッキュコ
小気味良さダケ 忘れた指が
トマトを つまむ
....
さかのぼる 水晶のような 水滴が
高速バスは雨の中を走ると フロントガラスの水滴が
同じスピードで のぼってゆく
静かな行列が たゆまなく のぼってゆく
そんな様子を何時間 見続けてい ....
実際この僕に
出来る事なんて
どれだけ在るかは
解らないけど
10歳その先に
出逢う物なんて
どれだけ在るかも
解らないから
今出来る事は
今しよう
後悔なんて
後回し
....
海は遠くにありました
波の中で魚が一匹死にました
二人目はわたしでした
くすくすとガラスが光って
春だと知りました
飛べないトビウオの群れが
雑木林を抜けて
体育 ....
子供が眠りたがらないのは
今日という日の人生を
終わらせたくないからだ
今日は放課後
お友だちと遊んだけれど
お父さんとまだ遊んでいない
お母さんとまだお話をしていない
....
夜目覚める
誰かが眠っている
それは誰なのだろうかと
瞳の奥でじっと眺めていると
皮膚が私の皮膚が空気の重さを感じ
それは私なのだなと気づく
目を開けて腕をさすると ....
滑走路に正座をして
ブリの刺身を食べている
月明かりに照らされた横顔
あれはかつて
誰の養子だったろう
軍用機が静かに着陸する
花びら一枚
散らすことなく
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