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あたし きっと
涙腺 とか、粘膜 とかが
とても ゆるいのよ
きんいろの
金色に傷んだ髪がかなしい
涙とか、そういうん じゃない から
気に しないで
きれぎれで、くぐもった ....
我が家には
幼馴染の家蜘蛛がいる
子供の頃から一緒なので
年齢は私よりも年上なのだろうが
1.5cmの小さな蜘蛛だ
気が向けば晩酌くらいはする
私と蜘蛛はそんな仲だ
『夜雪酒』
....
脊椎動物として生きる
その悲しみ
そして
珍しく雪が降った
朝の喜び
もし君が生まれてきたら
おもいっきり抱きしめて
そんなことのいくつかを
教えてあげたい
先輩から、「ユンケル皇帝液」をもらった。金色である。
今週、追い込みだろ?あ、はい、トホホって感じで。じゃあ、これ。差し入れ。
もらったガラスの小ビンは、やたら甘くて、苦かった。子供の頃のシ ....
彼はミケ
此処にやってきて
まだ半月足らず
彼はいつも言う
”この町は暮らしやすい”
昨日はこんなことを言っていた
”この町は飯がとても美味いんだ。
あの町のは食えたも ....
はじめて声を上げる。はじま、りの、はずか
しい過去を背負ってまで、橋を渡って喉をふ
る、ふる、ふるわせる。てえぶるの、表計算
の、[枠]の中に囚われ、ていた酸素の、また
《二》酸化炭素の、見え ....
僕が握っている
ボールペンの
インクの中に
君が詰まっていたらいいのに
朝ごはん食べる
フルーツヨーグルトの
フルーツといっしょに
君が混ざっていたらいいのに
にゃんが時々つか ....
友達が結婚します
招待状をもらいました
コンパで出会った建設作業員と
できちゃった婚しちゃうのです
ちょっと信じられない
おとなしすぎたあの子なのに
おめでと
仕事帰りにはいつも
....
銀色の背を
ひるがえし
切り身の魚は
空を飛ぶ
お鍋は底抜け
わたしの手
あなたの海には
なれません
赤い中身を
ちりぢりに
切り身の魚は
空を飛ぶ
....
楽園を求め続けた
いつも
いつも
その楽園での生活を
望み続けた
時々
何故自分はその楽園の住人として
この世に誕生しなかったのか
そう嘆いていた
神様を呪う事も多々あった
....
こんなにもあかるい岸辺で
こんなにも頭がずきずきするのは
いったいどうしてなのでしょう
山々に溶け残る雪は
(誰にも踏みこめないところにあるので)
あくまでも白く輝いて
その鋭 ....
蜂蜜のような青さで、と誰かが言ったので何となく納得した。最近は何となく納得することが多い。空は蜂蜜のような青さでとろりとろりと甘いもの好きな子供たちを誘うのだそうだ。それから耳。耳たぶが際限なく広がっ ....
ランドセルから鉄屑をまき散らし
小学生たちが歩いていく
賞味期限が切れて
生温くなった答案用紙を
噛み砕きながら
テレビで見るホームレスも
ここにはいない
家がなければ居てはいけない
....
今朝、手をつなぎながら 工場へと歩いていく
男女の姿を見た。顔はよく見なかった。
地下室工房へと向かう二人の足音は、
眠れぬ夜がまだつづいていることを報せた。
しかし、ぼくは眠った。何世紀 ....
今は
モノが壊れ修理に出せば
直されるのではなく
取り替えられる
しかも悪い部分だけが
取り替えられるのではなく
まとまり全体ごと
抜き取られてしまう
使える部分の方が多いというのに
....
「ロビン・グッドフェローを探せ」
悪を憎む男
ロビン・グッドフェローを探せ
晩秋の森の奥深くに隠れている
弓の使い手を探せ
見えない未来とさかさまな世の中
逆転の力学を背負って迷っ ....
衛星カメラに映し出されたのは
列島を取り囲む工事現場の赤色灯。
そのせいあってか、今夜はとても静かです。
それを描くためには、鉛筆では華奢すぎる。
骨はどうだろう?プラトンは幼少期、
クレヨンのかわりに指を、死んだ死刑囚の
指を与えられた。彼は作品を完成させるまで
幾度となく指と会話した。わたし ....
真夜中は部屋の小さな隙間からやってくる
なにも味方につけずに足音もさせずに入ってくるくせに
誰の目にも留まるようにわざとらしく大きく泣いて見せたり
吐息を漏らしたりしてここに大きな存在がい ....
お昼時しか食べられない
よし牛の牛丼
なんだか
味が変わったような気がする
不思議だよね
東京タワーは郵便ポストより真っ赤だし
飯倉の交差点には
いつも機動隊の車両がとまっている
交差 ....
喫茶店の中は
小さなロッジを思わせた
ランプの橙色の明かりは
それでもやはり薄暗くて
カウンター席の後ろでは
まだしまわれていないストーブ
季節に似合わなくても
この店には似合ってい ....
北の大地では薄荷味の風に
モンスター化した凍りついた樹々
海の向こうではこの時期
湯気を上げているはずの換気口が黙りこくり
狂った季節がピンクの花を咲かしている
バラバラの季節を ....
鉄とワイン、その祝祭日
バースデイに鉄
青カビと赤サビを表皮から、刮ぐ、ステンレスの刃
チキン、そして鉄串、そして火、回転する肉
火にくるまれるニワトリ、の首、チキン
刎ねられた首、 ....
割れた小窓の向こうに
子供の靴が転がってる
幸せはいつも
シャボンが泡立ったときの
匂いに似て苦しい
どうしてわたしは
名前を書いておかなかったのだろう
指を動かして
桟に父の旧姓 ....
猫が叫ぶ
真夜中 鬼が通る頃
赤いお月様見て叫ぶ
”明日は飯が食えるだろうか”
猫が呟く
真夜中 人が消える頃
青いお月様見て呟く
”今日は飯が食えたから
とてもいい ....
壱 うきしま
ねこやなぎ
あまごのせなの朱の星
春あさい湿原の灰色の水
地平線すれすれにみえる赤い月
鳥たちはいっせいに
北にむかって飛んでゆき
わたしは浮島にのって
....
【Starbow】DATA.1.
現在地球標準時 = 2160/02/25/13:28.15.138
DOCUMENT. date 2160/02/25
DOCUMENT. P ....
カーテンを頭からかぶる、冷えたぬくもり
いつも思い出してしまう
ぼくの好きだった女の子は、ぼくの嫌いだった男の子と
ふたりで、教室の真白なカーテンの中でくすくす笑っていたんだ
いま、ぼ ....
向こうのひと
と思っていた
向こうの世界だと
思っていた
よくわからないまま
手を振った
まだ会ってもいないのに
さよなら
って
銀河鉄道の話を聞きながら
僕は ....
山崎くんは六年生
いつもサッカーボール蹴っていた
放課後鉄棒見ないふり
スカート回りで前回りくるりと回ると
山崎くんもくるり
仰げば尊し三色菫
手渡せず見送った
山崎くんはセンタ ....
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