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ほらごらんよ
世間の片隅で小さく震え
聞こえない声で愚痴る子供が居て
ほらごらんよ
世界の中心で大げさに振る舞い
我侭を押し通す大人が居て
涙を流す術は無くしたなら
理想主義者が ....
目玉が 葉っぱの上に落ちて
コロコロと、 あ!? 目玉じゃなかった
目玉焼きだったあー。
それはコロコロと、 あ!? 目玉焼きじゃなくて
ゆでたまごだったあー。
それが 葉っ ....
遥か遠い昔
この海は空だった
雲の上を魚が泳いでいた
魚たちはいつも
海を見下ろしていた
遥か遠い昔
この空は海だった
水の中を鳥が飛んでいた
鳥たちはいつも
空を見上げていた
....
ここは田舎町だから
電車の中はいつもの様子
ポツンポツンと
どこに座れば良いのか
迷ってしまう
どうせ辿り着いてしまう
ガタンゴトン
揺れる
窓の外には
見慣れているという
さ ....
・
しゅんじゃく神社
と云う神社をみかけた
春寂神社と云う字である
煮過ぎた菜っ葉を
噛んだときの音みたいだ
と思った
神様も春は寂しいんだろうか
・
教習所の帰りに
落ち ....
乞食が追ってくる
乞食が追ってくる
私は逃げ続ける
乞食が追ってくる
乞食が追ってくる
乞食は前にしか進まない
乞食は引き下がらない
乞食が追ってくる
乞食が追ってくる
乞食 ....
あだしのくんは、
ときどき冷たくなる。
あたしの隣で眠っていると、
あだしのくんのからだが冷たくなる。
あだしのくんの蒼白い肌が、
さらに蒼く透きとおって ....
赤い絵の具に緑を混ぜたら
茶色になりますね
それがどうしたと言われても
こまるのですけれども
すっかりパレットが汚れましたね
絵は完成しましたか
ここからその絵は見えなくて
ただ汚れ ....
捨てたつもりはなかったのです
だってこの国にゴミはないのですから
ええ だから 捨てたつもりは全然なかったのです
あのひとの影を いえ あのひとへの愛を
私はあのひとが残していった家にきち ....
初めて君に声をかけた
あの日の公園
( いつまでも揺れている
( 無人のブランコ
ぼくの呼声に
届かぬ場所から振り返る
君の面影
ベンチに
長い間置かれたままの ....
毎年この時期になると
瞼が退化するので
夜は
眼をあいたままねむる
口をあいていると
小さい生物の死骸が入るから
歯はくいしばるようにしている
深更
瞳孔がうっとりとひらき
....
なぜこんなにも
何もできない自分がいるのだろう
がんばれば
多くのことができるというのに
なぜこんなにも
何もしない自分がいるのだろう
やりたいことが
たくさんあるというのに
....
僕の内側に裂け目が入り、
膿がこびりついた
それが百舌に連れ去られ、ヤドリギとしてブランブランしている
僕なのである
それを見た人たちが感心して言った
わかってるんだなぁ、彼は。
....
i. 光化学スモッグ
色盲ではない
真っ白な高層ビル 真黒な人たち 白黒の横断歩道
灰色の空…いくら時間が過ぎてもモノトーンのオブラート
真っ白な月だけが顔を出して 星はここから見えない
....
朝が昼に
昼が夜に
夜が朝に
かわってゆくのを
空を
見つめていると
ああわかる
さかいめなんて何処にもないよ
こころもきっとおなじ
つらいこころも
かなしいこころも
み ....
{引用=───それは全宇宙での
些細な惑星衝突なのだ
おまえとわたし
という星の}
角を曲がったとたんに
猫と目があった
どこにでもいるような
ありふれた灰色猫 ....
憧れはわたしに
足りないものを教えてくれるけれど
足りないものを足す方法は
教えてくれない
どんな大人になったらいいかを
わたしは知らなくて
憧れる人はいたけれど
どんなに頑張っても ....
本を開くと
そこは遠い昔の日本のお寺
お金持の人々が行列をつくり
次々と賽銭箱に大判小判を投げ入れて
ぱん ぱん
と手を合わす
そこへ
ひとりの乞食があらわれて
薄汚 ....
なにかがうごきだすとき
すいっち
のおとがきこえると
ほっとした
とてもとおくで
かすかに
かちっ
おとがして
そうするとあとは
まえにすすむだけでよかった
そのつみかさねが
い ....
大切なのは忘れたもので
必要なのは失ったもの
私の欺瞞に笑顔で答えた君は
きっと聖者なんだろう
だけど私に必要なのは
どろどろとした、気味の悪ささえ感じる
君じゃな ....
かみ合わない歯車に、また少しだけ時がずれる
秒針のきしみは それでも
壊れたメトロノームのように 私を、
追うから
逃げ込んだいつかの雪原で 私は、
細雪がわずかに切れる夢を見た
....
女にふられたので、
嘘だと思うかもしれないが、ほんとうに、
女にふられたので、
レッド・ツェッペリン聞いて死のうと思った。
なんでレッド・ツェッペリンかとゆうと、
彼女はサイモン&ガーファン ....
手で触れようとすると崩れてしまうおそれがあります。
できることならば遠くから眺めているのがよいでしょう。
*
雨だれ
雨の音がするのです。
理由はそれだけです。
....
10番テーブルの
クローン皇女たちを二羽
手に入れる
それはジョークでも女の子でもないよ
まもなく偽の輪生が
香りを放つ
5月は美しい
nockable
....
1 序章
慎ましい木霊の眼から、
細い糸を伝って、子供たちが、
賑やかに、駆け降りてくる。
溺れている海の家の団欒は、
厳格な父親のために、正確な夕暮れを、見せている。
見開 ....
市場通りに一尾の魚が落ちてゐる
眼は赤く悲しげに潤み
視線を曇天へと彷徨はせる
そして
路面についたもう一方の眼は
闇の地の深みを透視してゐる
魚は期せずして
天国と地獄を
同 ....
ベッドが泣きべそをかきながら
部屋の中をうろうろしていた
寝ぼけて
もう何が何だかわからないのだ
思わず笑いそうになったけれど
どの引き出しが口なのか
自分でも判別がつかなかった
....
高く澄み切った青空が
宇宙に向かって
ぽっかり
口を開けている
そんな午後三時二十七分
たそがれまで
ほんの一時間とちょっと
それでも夜になると
街の灯りに負けずに
宇宙はこんな ....
あなた、セロリの透明なきりくちに
恋をしたことはあって?
栗いろの瞳
かきあげる仕草
車椅子の少女は
細すぎる膝を斜めにそろえて
やさしい朝のふりつもる ....
ぴょぴょがあふれたら、
もうきせつです。
ばすけっとにつめこんで、
のはらにでおでかけしましょう。
みんなまっていますよ。
さあはやくじゅんびをして、
....
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