すべてのおすすめ
不機嫌そうな空は好き
よくできた心模様
ぐずりかけた空が好き
声を上げて泣きだすといい
突き抜けるような空が
心から憎い日は
本当の気持ちを ....
朝は輝きの中にある。
射るように、この体を突き抜ける光が
朝のすべてだ。
闇が絶え
やがて訪れたキラメキの洪水は
闇の中の深海に果てなく沈んだ思いを
光の中に解き放つ
闇に遊んだ ....
見た記憶と
見たかもしれない記憶を
理解しあおうなんて思わないほど
ふたりで見つめ続けてしまう
ひとつの景色
引っ越した家への帰り道には
お寺の門前と墓地を抜ける箇所があって
そこから先は急に夜が深くなる
歩いていると聞こえるのは
虫の声と自らの足音だけで
夜に包まれる心地好さを感じながら家路を ....
くまをね
くまをおんぶして歩くの
会社行くときも
映画観に行くときも
フランス料理食べに行くときも
くまが可哀想なんじゃないんだ
私がくまがいなきゃもう歩けないんだ
ねえ く ....
星が見えない
猫が通り過ぎない
草木が繁らない
子どもが声を出さない
眠らない鉛筆
眠りたがる目薬
窮屈な列車と飛行機は加速する当てがない
止まった世界へようこそ ....
この街は夜が早いので八時九時にはもう店は閉まりきる
昼のにぎやかな通りは明るい街灯を残し
ひっそり寝静まってしまうのだった
カップルの散策も終わり、客足もドンチャン騒ぎもなく
波の ....
ブリキのバケツに
小石が落ちた音がした
ずいぶん長い間
水を入れていなかったな
そう思い出したけれど
バケツに水を入れてやるのが
考えるだけでも億劫だったから
背中を向けたまんま黙っ ....
重たいよ、重たいよ、と稲が鳴ります
生まれるよ、生まれるよ、と栗がもうすぐ妊娠八ヶ月です
うーーん、と心地よい秋風に、晴天が背伸びをします
ぐう、ぐう、と魚の雲を見たわた ....
祭りの夜は渦巻く貝殻
空はずっと青かった
水の流れをずっと聞いていた
草を噛むとたちまち苦みが
口なかに広がって 星が銀河が
水のように押し寄せて来る
あれは
ケンタウルスのきら ....
たまゆらぐ
あきのひとみで
草のなかにかくれた
君をきいている
何かにすがりつきたいふうな君は
細い、ほそい線になって
なまみの月を仰ぎ
永いときを抱え
ふるえる
{引用=
....
遠い星
夜空
そこと僕の間に
音もなく流れ続けていく
気流
それは
目に見えない
ここからはわからない
想像を絶する
過酷な空の営み
すべてを凍らせるような温度で
流 ....
カシャとピストル撃って、たたんで
カシャとピストル撃って、たたんで
工場作業は朝9時朝礼からはじまる、それは社会の無機物の一部になる瞬間
値付けは季節の移りかわり直前とボーナス直前が一番忙し ....
心臓が集まるとファンタジーになる
初秋に夏をふり返る日
スパイスをスプーンいっぱいほおばるような
日常のすてきな刺激のような
心臓がより添うときを
見たような日
旅から戻ったベ ....
どうやらここがとてもとても明日で
透明なはずのここは鈍く曇っていて
上を見上げればちょっと青みがかっていて
(水槽だよな)
なんて
ぼんやりしてみたりもする
息苦しいのはきっと酸欠だから
....
この部屋の中にアナログ時計はなく
壁には40年近く昔の音楽祭のポスターが貼られているだけ
花に囲まれて幸せそうな
薔薇の花冠を被った骸骨の
風化させる横流れの青い光に
少し小首を傾げた笑顔
....
お願いしなくても
地球は回ってくれていて
お願いなどしなくとも
太陽と月は巡回してくれる
わざわざ願わなくても
両親は私を産んでくれた
そして願ってもいないのに
心臓は今日も動き続けてい ....
去りゆく猫はどこで死ぬのか?ついていかなきゃ分かるまい。
今日、川辺に打ち上げられた 死んだ猫の尻尾に、
蜻蛉がとまっていた。秋だな、と
僕は思った。
夕方の六時に
ミュージックサイレンが鳴る
さみしく愛らしく
いぬのおまわりさん
七つの子のカラスではなく
赤とんぼでもない
ゆうやけこやけでもなく
家路でもなかった
だからとき ....
海岸に人骨が流れついた
それは標本だった
たまたま海岸を散歩していた八百屋が
それを拾いあげた
八百屋は考えた。
「これを、店にかざろう」
八百屋は、軒先に人骨を置いた。
....
{画像=080907104708.jpg}
想いを繋ぐのはいつも
言葉だった。
小学生の時、
友達と口げんかをしても
さよならは忘れなかった。
またね、と別れると、
次の日はまた ....
紙に書く言葉を選び
心の住む所を明かす
季節の中 暦に書ききれない
熱と冷気がある
何度も歩いた生家前の道
しだいにその回数が追いつく
婚家前の道
道すがら挨拶をかわした人々
....
この路地裏には
この世界のすべての「黒」が
詰まってゐる―
ナイトビジョン―幻のstreetwalker
この路地裏には、
この世界のすべての「黒」が
詰ま ....
<伝える>
ひとつの言葉に
ひとつの意味しか
与えられていなかったら
ちゃんと伝わるのかな
肯定と否定の
二者択一で
チャートを辿っていけば
簡単に真理に近づけ ....
一匹のウマオイが
楽な姿で
息絶えていた
緑が
ひと際目立った
隣のビルディングから
人たちが出てきた
時間の話をしたり
何かを好んだりしていた
死のように
強い
反復のなかで、きみは
夜にはむかっている
それぞれは
一回限りである
という
絶対が、すべての反復を
不帰にしている
いま、
ここで
....
あなたが忘れたおとなになるよ。
ぼくは、
変えられない未来を、運命とは呼ばない。
もうなにもできなくなるくらい、使い果たしたい。
それがさいごになってもいい、べつにかまわない。
....
捧ぐというような
意味ではなく
夕べからのほんのりとした思考
秋だなあ
などと思う午後の真ん中
自転車の補助輪
外れたね
ひとりでも乗れる帰り道
足にかかる草
払いのけてはすすむ ....
機を織る音は雨の音に似ている
人の心臓が脈打つ期待と怯えが
まったき雫になって林の上に降り注ぐ
神が御座においでになる
{引用=
長い雨季がやってきた
}
月の半分は水がついてしまう ....
ジ ジジジ ジジ と
壊れた発条のような音が聞こえる
ああ 夏を謳歌した者
命をくしけずる風に中てられたのだろう
もう次の時間は
始まってしまった
それぞれの季節
その節目に ....
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