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昼 僕は文字を書く
ふわり 机に語を浮かべては
僕が やっと詩を書けたかのように笑ってた
書けず 眠っていく宙のペン
二人は歩くノートに
会った人たちに 風に流れていく でも
一つ ....
冷たい風が横切るとき
あなたの肩を叩く
紅茶を飲む私の呟きをのせて
振り向くあなたは
気配の無さを受け入れて
再び歩く
完全防備したあなたの
帰り道の出来事
その人のことを
空さんと呼んでいた
空さんは
だだっ広くどこまでも
青くなったり赤くなったり
涙したりして
人のようだった
空さん
時々丘の上から
呼びかけてみるけれど ....
地に足が着いたまま
一番空に近づいたキリンでも
見上げる空ははるかに遠い
空を舞うように
自由に飛びまわる鳥たちでも
見上げる空は遥か彼方だ
いかなる動物も空に到達することはできな ....
6000系電車は小学生だった自分にも衝撃的だった
21世紀を先取りしたデザインに思えた
非常口を前面に設置しなければならない規制
それを逆手に取って貫通扉を極端に左に寄せ
かと言って左 ....
そろそろしおどきだ
あほうどりはかぜさえあれば
どこまでもゆける
かたくなにかわらないひびが
おわろうとしている
はっきりとしたあてはないが
つぎのきせつがかぜをは ....
美空に広がる燃える様な青、群青とひとはいう群青と人は呼ぶ群青は自分の名前がそれだとは知らないが確かに群がって青くなるビョークが叫ぶ、白い壁を青いペンキで塗るようにベティ・ブルーは笑うそのうちガーシュウ ....
小学校に行ったよ
山奥の
廃校になった
なにもかも小さくて
洗面台なんかほんと低くて
でも何でも揃ってて
まだ、ひとの気配がした
あんまり陽あたりがよくて
運動場も広いから
....
段差のない
同じような家のならぶ
団地に住む
友人の家に日曜日
遊びに行った
ちょうどお昼ごろだったので
お昼ごはんを
ごちそうになった
手作りの
パンとコロッケと
....
中学時代の恩師が猛烈に車にひかれたと聞いて、慌てて病院へ駆けつけた
3階のナースステーションを抜けて、突き当たりにある個室に先生の名があった
ノックして扉を開けると、そこには一台の車があった
長 ....
袋から取り出すと 現れたハンバーガーを
ハンバーガーを僕は買ったんだ
僕が考えていると
窓では雨が降っている
しかも 世界中ではいろいろなことが起きている
けれど あ ....
天上から
見下ろしていりゃ
そんなにエライのか
見下ろして
笑って
屈託なく
罪の意識もなく
笑いやがって
俺を奪って
程よく
一瞬で焼けない程度に
熱せられた
コンクリー ....
あ、
雨の夕刻は
アスファルト状の黒いノートにおいて
ひとつぶ、ひとつぶ、別々の
無数の濁点だ、
*
雨滴、
雨滴、
黒く
滲んで
広いひとつの痣として ....
神さまからひとつだけ願いを叶えてあげる
と言われたので
幸せになりたいとお願いしてみた
神さまはふむふむと頷いて
では、早速明日から叶えてあげよう
と言ってくれた
期待に胸膨ら ....
スクランブル交差点で
ゴツゴツした緑色の肌の大男が
巨大な鉈で素振りをしている
それは腰の回転を利用した
あの野球特有のスイングで
彼の腕が伸びきる頃に鉈はブンと鳴く
彼の周りにあった ....
わたしを
引き寄せた、その腕は
力強く
ふるえて
泣いた
産まれたのだ
けたたましい、君の産声に包まれながら
手のひらによせてくる、鼓動
二重螺旋のかなしみが
わたしのからだ ....
ピーマンになって
人生を振り返ってみたけれど
からっぽだから
何も思いだせない
生まれた家のことも
父と母がいたことも
きょうだいがいたことも
結婚したのに
好きな人がいたこ ....
マドラーがカラカラ音を立てて回って
眼のおくの鏡をこわす
そのさらに後ろに立ち、
屈折点を見つける
湾曲したテーブル・ラインと
ホロスコープのような照明
見上げると荘厳な電飾が
取りまい ....
{引用=「さむいのなんのって、」
「あんた、八月だよ、ゆめでもみてるのかい」
「ばかにするない。おいらあ狸にだってばかされたこたあないや」
「そりゃあむこうはなのんないさ」}
…っじいじい ....
優しさの前に立ったとき
どうしようもなく
人見知りをしてしまう
なかなか差し出せない手を
ぎゅっと握って
その手のひらは
汗だくになってしまう
嬉しさの前に立ったとき
どうしよ ....
乾いた空を見あげて泣いていると
(おとうさん
(あんまりやさしい気持ちになると
(涙がでたくなるんだよ
という
疲れたときは
ふうせんかずらの種をあげる
それから
ビールを買ってあ ....
夜勤明けてひとりで酒を酌む
やなことはやらないでおこう
きっとあのひとは許してくれるから
太陽がしらけた空にひかる
暗い空に光っていればいいのにねえと
稲垣足穂的につぶやいても
太陽はあく ....
露に濡れた車の窓に
髪のあとがうっすらとあって
遠くもない思い出をちくちく突く
真冬の明け方は思いの外冷えもせず
終わると思った恋は終わりもせず
まだ暗い南の空にカラス座
不幸のヒロイ ....
今年も背中を見せる
あなたの上着の裾を つまんでみる
皆 走っているからね
この子とふたり 取り残されているみたいでね
寂しくってね
私の指の小さなダイヤモンドが
電飾と歌を歌っている ....
十くらいはなれた
妹に
よく似た娘に
やさしくしてしまう
やさしくした後で
そのうかれた顔は何だと
誰かに言われたわけではないけれど
きっと僕は
そんな顔をしてる
もっ ....
吐息が
しろく曇るのを見ると
少し、安心できる
わたしの日々は
ほぼ偽りかも知れないけれど
熱だけは、進もうとする熱だけは
たしかに思えて
安心できる
いつだっ ....
みなみの風、稜線のむこうから白のむれ
あなたは北から
奥そこ、しずかな砂のうえにからだをおいて
あと三日ほどねむって
ちいさい時分にみた夢を思いだしている
しろく、生あたたかく
とおく ....
るるるるる
るるるるるるる
るるるるる
崩壊するる
保育園のオルガンは息があらい
足踏みがねばついている
牛乳をこぼした
園児は花とともに卒園して
入学する前に死んだ
夜のこ ....
駆けて来る
駆けて来る
薄氷を割るように
静かなギャロップで
はるかの足並みで
銀のたてがみをひるがえし
地上へと駆けて来る
お前の目の中で火が燃えている
お前が見つめると
....
秒針の一周で
思い出すこと
君の瞳
君の笑顔
君のくちびる
君の言葉
君の仕草
君の指先
君の髪の色
君の肌の色
困ったとき見せる君のさみしい目
ふくれっつらしてほんとにふく ....
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