すべてのおすすめ
お部屋はお気に召しましたか?
お部屋の窓から見える山にはヒグマがおります
わたしどもの誇りとする山々でございます
あの山から流れる川はそれはそれは清らかで
オショロコマはもちろん
イトウも大 ....
ジャングルにいます
密林です、どこまでも密林です
密接した林です
密着した林です
林さん、はわたしの母の旧姓です
秘密の林です
緻密な林です
わたしはリンゴをかじってます
....
くすりってどんなあじ
才能をくれるくすり
あるはずのないものが見えて
たのしくなってくるくすり
一口ちょうだい
あなたがのんでる青いくすり
赤いのはよくて
青いのはだめなのはなんでなの
....
水辺のイカロスは
梅雨の数日しか舞うことはない
ただ静かに光りもせずにじっとしていれば
もう少し
例えば
今でも草陰で静かに呼吸をしている
のかもしれない
小惑星にま ....
ゆっくり
ゆっくり廻ってはいるが
いくつもの次元を孕んでは吐く
ぷいと吐かれたものたちは
孕んだ種子をふりかえってみるが
そのうしろでひろがる樹海にたちすくむ
透明なスプーンのようにへ ....
僕の名前の近くに
誰か立っていた
漢和辞典を忙しそうにめくっていた
若い頃の父だった
僕の名前は祖父がつけてくれた
父はぼくの出産に立ち会わなかった
そういう時代ではなかっ ....
ミンミンと鳴くこともなく
たまたま出会ったセミは
コンクリートの駐車場に
ただ しがみついていた
生きているのか死んでいるのか
さわったら ジ っと鳴いた
逃げることもしないので
ひどく ....
朝、目覚めると家中クモの巣だらけ、湯気が立っているものもあれば
冷気を発しているものもある。つまり、部屋の中は煙が立ち込めていて、
まともに息も吸えやしない。気が狂いそうだ。おまけに、クモの巣の ....
いいんだ、もういいんだ
これまでのことは
産まれてきて、居場所はなくって
どうしようもない日々ばかり続いて
気がついたら
何処でもないここへと辿りついて
でもいいんだ
次のひかりは見えて ....
男はリカバリされたパソコンをみながら
バックアップの大事さを思い知るはずだったが
じわじわと不機嫌になったあとは
海のとおくに浮かんでいるきもちになった
記憶は記録とおなじなのだが
....
これからは 君の 世界に あわせる
例え 占いの 結果が 悪くったって
私は 更に
皿の うえに
沙羅を 重ねてゆく
★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・° ....
太った女の子が座る
通勤電車の車両接続部
近くのシルバーシート
彼女の平面図は四角柱。
正方形二枚で蓋をした
立方体に近い六面体
車内温度は高い
弱冷車両だが、人の数は多い
....
夏と緑と憧れ
夏と緑と憧れ
夏のまんなかに
あの人はいる
校舎からバイオリンとハープが聞こえてくる
生きる上で悩む必要がないことについて悩むひとを
わたしは美しいと考えてしまう
....
半回転のままで 微笑む
大爆笑をしている瞬間に ねぇさんが言った
「はい! ソコノ新人笑ってぇ!」
あの頃は 貴方と こんなに笑い合えるなんて
思っていなかったよね
君 ....
街を歩いていると
工事現場で父が働いているのを見つけた
道具のようなものを使って
ものを壊したり、穴を掘ったりしていた
父は大きな会社の重役をしているはずで
今朝もビシッと高級ス ....
今日も風呂に入った
心がさびしくて
妻が、頭を背中を顔を
洗ってくれる
それが楽しくて
ありがとう、ありがとう
ただそう言った
クルクルと回る 洗濯機の中で
思考回路も 絶え間なく 廻る
綺麗な衣類を
唯だ 座って 待ちわびる時
何だか サボリーマンに
成り下がった 気もする
埃を 付着させたのは 私な ....
思い描く
ラブソング
想像する
重さ
月夜に蝉の終わりの羽音
打ち上げ花火の余韻
声を殺して泣く
身体感覚とたましいが
握手する
風が
薄いカーテンをふ ....
「 机 上 の 花 び ら 」
花びらが開く 外の天気は最悪
笑顔なんて大嫌い これ以上 虜にしないで
窓の外の虫達 合掌は コンツェルト
眩し過ぎる理由(じんせい)だって 分かっ ....
雨上がりの遊覧船の匂い
が敷き詰められた
ポリエステル、もっと
素材でありたい
ドラッグストアに住み着く
鱗しかない魚が
ヒレを探しているけれど
風邪薬の扉が開かないので
....
部屋の窓にヤモリがいる
よっぽど気に入ったのか毎日張りついている
そのうちもう1匹住みついて
今では赤ん坊もちょろちょろうろついている
ヤモリの一家はよく虫を食ってくれる
家守は本 ....
男は、まさかりを担ぎながらその畑にやってきた。びっしりと、杉林がその向こうには生えている。茶色い魚が川には泳いでいる。目には畑が緑色の向こうに広がっている。男はまた、一本杉のところを曲がると、走り出し ....
猿ぐつわを噛まされた
裸の青白い男が椅子に坐っているので
私はどういうわけか
ふるさとを思い出さずには
いられない
椅子の背に両手を縛りつけられ
陶器のようにつるりとした太ももに
一 ....
ここに戻ってきた
狭いけど おちつく
あたしのキッチン
安い焼酎の炭酸割りの
グラスをもって
シンクの扉によりかかり
へたり込む
このひんやりとした感じ
ほどよいスペー ....
毛が生えている家が格安で売り出されていたので
後先考えず不動産屋と契約してしまった
見た目は洋風でモダンな感じで毛が生えているのに
中に入ると障子や襖や梁の木目など和のテイストが
....
もうすっかり真夏だというのに
町内を一匹の羊が歩いていた
川を探しているようだった
取り壊しが決まって無人となった団地が
フェンスと草むらの中に
数棟納まっている
淋しい幼 ....
電車は陽炎のレールを
すべるでもなくはうように
ホースの先を
つぶして持つ君の背中から
やぁ
と声をかけると
驚いた拍子の水を
よける間もなかった
光化学スモッグ注意 ....
もう絵はやめた
そう言っていたあなたが
鉛筆を一本買ってきた
照れ笑いを浮かべながら
これだけで描けるものを
それが今の気分なんだと
紙を忘れてしまったと
やっぱりち ....
父がテレビを見ていて
「昔は良かった」とつぶやく
おそらく白黒テレビの時代だろう
私もテレビを見ていて
「昔は良かった」とつぶやく
だけどそれはカラーテレビの時代
父は「いしだあゆ ....
悲しい時に 悲しい歌を 聴いちゃいけないよ
益々 哀しくなってしまうから
嬉しい曲でも いけないんだ
悲しみを 上手に
飲み込めなくなって しまうだろうから。
★,。・::・°☆ ....
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