バス停
Tsu-Yo

庭の土を耕して
人差し指で穴を掘り
ヒマワリの種を植えたのが五月

まいにち
土の湿り具合に神経を尖らせ
やがて
いくつかの芽が出ると
お気に入りの芽を一つ残して
あとは全部引っこ抜いた
大きなヒマワリになるよう
適当に肥料をまき
雨が降り続ける六月には
部屋の中からそっと見守った

おなじ時間を繰り返す日々のなかで
ヒマワリだけが変わっていった

大きく 大きく 大きく

ヒマワリが僕の背丈を超えたのは
八月のはじめ
二本足で立ったライオンのような
ヒマワリに
茎が折れてしまわないよう添え木をして
「アステカ行き」と書いたプレートを掛けると
真夏のバス停ができあがった


おなじ時間を繰り返す日々のなかで
今日もアリたちと一緒に
バスが来るのをじっと待っている





自由詩 バス停 Copyright Tsu-Yo 2007-05-28 01:39:02
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